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バブル負の遺産を背負う東京タワー 変革する5代目経営者の素顔

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東京のシンボル、東京タワー。東京タワーをバックに海外からの観光客が記念撮影をしている姿をよく見かけます。「最近、東京タワーが変わった」と聞いて訪れてみると、確かにお客さんが増えて賑わっています。

この東京タワーを運営しているのは、日本電波塔株式会社。さらなる海外需要に備えてでしょうか、日本電波塔は今年、東京タワー特別展望台をリニューアルすることになったのです。2018年1月11日、「東京タワー特別展望台リニューアル発表記者会見」で前田伸社長がプレゼンするとのことで取材に行ってまいりました。

プレゼンでは、完璧な台本を用意され、台本を読み上げながら極度に慎重に話す前田社長の姿がありました。「失敗してはいけない」という気持ちが勝ちすぎて、縮こまっているような印象を受けてしまったのです。ただ、質疑応答や囲み取材で、台本を離れ自分の言葉で話し始めたとたん笑顔が出て、情熱や、優しい人柄が一気に伝わってきました。それまで、聞き手としても緊張して聞いていたのですが、その素顔を見てホッとしました。

しかし、なぜここまで自分を抑えておられるのか違和感を覚えました。

前田社長のお父様である前田久吉氏は、産経新聞を創業、一代で「大阪の新聞王」となり、参議院議員も努めた方です。高度成長期に日本のメディアを変革した偉大なカリスマ経営者でした。

その後日本電波塔は、3代目社長がバブル時代ゴルフ場の経営で失敗。なんと東京タワーは100億円の担保にとられたのです。創業家5代目経営者の前田社長は、その負の遺産を受け継いで経営の舵取りを任されました。

さらに、東京スカイツリーが完成。右肩上がりだった環境は、前田社長就任時には右肩下がりに一変しました。

このような大きなプレッシャーの中であれば、どんな人でも過度に慎重になってしまうかもしれません。

しかし、前田社長は若い頃からマザー牧場の経営を任されて成功させ、さらに厳しい状況の中でも東京タワーを変革し、来塔者数を伸ばし続けています。堂々たる実績です。もっと自分らしくプレゼンされてもいいのではないかと感じました。

人は、自分の言葉で話すほうが、パッションが解き放たれ、プレゼンは良くなります。

台本は浮き輪です。浮き輪をはずせば、自由に、速く、遠くまで泳ぐことができます。プレゼンも同じなのです。


詳しくは、宣伝会議デジタルマガジンの「広報会議4月号」に掲載されています。よろしければご覧ください。

「東京タワーを背負う5代目社長のプレゼン『上品で控えめな振る舞いを個性に』」



 

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