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ライフワークとしての学びを考えます。

クラス替えをするとなぜいつも嫌いな子が隣にいるのか?

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私は、公立小学校に通っていました。

小学校では、2年ごとにクラス替えがあり、前のクラスからは、数名が同じクラスになるように構成されていました。だから、3年生と5年生の新学初日は、どんな子と一緒のクラスになるのか?前のクラスで仲良しの子と同じクラスになれるのか?と緊張したものです。

しかし教室に行くと、どういうわけか前のクラスで一番仲の悪かった子たちがいる。
初日から重い気持ちになったものです。
これは、3年も5年も同じでした。

どういう訳なのだろうか?
クラスの構成は前のクラス担任の先生が、仲の良くない子と上手くやっていけるように、社会性を身につけるため考えてくださって決めているのだろうか?
それとも、くじのようなものでアトランダムに決めているのが、たまたまそうなっただけなのか?

今でも不思議に思っています。
もし、小学校の先生をなさっている方がいらしたら聞いてみたいことの一つです。

そういえば、私の尊敬する先生が「周囲を見回して一番嫌いな人と和解することです」とよくおっしゃっていました。

子供の頃から、人に「嫌い」のレッテルをはらずに「和解」できる知恵が身に付いていたら、さぞかしその後の人生が生きやすかったかもしれません。

でも、人は「苦手な人」または「嫌いな人」がいる。
それは、逃げても逃げても、新しく行った場所にも、前の場所とそっくりの苦手な人がいる。

この繰り返しを経験すると、人と和解することは人生の宿題ではないだろうかとも思えます。


今、社員一人一人の席を固定しない「フリーアドレス」を採用する企業が増えていると聞きます。
またその一方で、毎朝席順をくじ引きしたり、目的別の席を用意するなどの変化も起きているそうです。

2014年4月28日日本経済新聞で「フリーアドレス」についての記事がありました。
仙川にある「キューピー」の複合オフィスビル「仙川キュポート」では朝くじ引きをして席を指定しています。

     ・・・・・(以下引用)・・・・・

なぜくじ引きまでして座席を指定するのか。「完全な自由席だと同じ部署や仲がいい者同士が固まって座るようになりがち。それでは様々な部門の人たちとのコミュニケーションがとれないから」と説明する。

     ・・・・・(以上引用)・・・・・

やはり、どうしても仲良しグループで固まってしまうようです。
それでは、社員さんはどう感じているのでしょうか?

     ・・・・・(以下引用)・・・・・

「ビンゴが決めたことだから、誰が誰の隣に座ろうと互いに気兼ねしなくていい。隣の人との雑談から新商品のアイデアが浮かぶこともある」という。くじのおかげで知らない同僚の隣の席に座る「大義名分」もできたというわけだ。

    ・・・・・(以上引用)・・・・・

一見よさそうなフリーアドレスですが、問題もありそうです。

    ・・・・・(以下引用)・・・・・

(ある都内ITベンチャーは)フリーアドレスを導入したが、(卓上に何も残せないため)「荷物をつめた小型スーツケースを引きずるのは不便と嘆く社員が増え、固定の席に戻した」と打ち明ける。
営業部門にフリーアドレスを導入したものの、数ヶ月でやめた大手食品会社の担当者は「誰がどこで何をしているか上司も部下も分からなくなった」

     ・・・・・(以上引用)・・・・・

「フリーアドレス」が導入されるのを見ると、やはりどこの企業も、社員同士のコミュニケーションに対して困っておられるように見受けられます。
ただ、仕事上問題のある場合も多そうです。

難しいことかもしれませんが、わざわざくじ引きをして席を移動しなくとも、本来は皆さんがスムーズにコミュニケーションできるようになるのが理想ではないかと思います。

人と人が和解することの難しさは、永遠のテーマなのかもしれません。

私は、「合唱チームビルディング」という、研修を行っています。
社員同士、数時間でアカペラコーラスを完成させるというものです。
やはり、社長さんたちが良い社内のチーム作りに日々悩んでいるということを知り、考えつきました。
この研修、一度行うと、社員同士の距離感が一気に縮まり、コミュニケーションがとれるようになると言われます。
ハーモニーすることで、お互いが和解することを学ぶことができるからです。

この研修プログラム、今後も一つでも多くの会社に広めていきたと思っています。

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