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ライフワークとしての学びを考えます。

思い通りに歌えないのは声帯を閉じることに気がついていないだけ 声帯を閉じることに気がつくための簡単なトレーニング

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「頭でイメージしているような表情がつかなくて、いつも一本調子になってしまう。」
「自分は、歌手のように微妙なニュアンスをつけて歌えないから、才能がないんだ。」
と思ってあきらめてしまいがちですね。心に音楽のイメージがあるのならば、簡単なトレーニングを続けることで、表情豊かな歌になっていきます。
 
10月22日合唱団コール・リバティストに東京混声合唱団のテノール秋島先生をお招きしての稽古を行いました。
 
「ア~」と声を出すときというのは、声帯は「閉じて」います。開いていると無声音になり「h~」と息が流れます。ヒソヒソ声はその中間で、声帯があまり閉じられていない状態です。
 
声帯は、強く閉じると強い声になります。弱く閉じると柔らかい声になります。閉じ方によって音色が変わってくるのです。
 
明るい気持ちになれば明るい声、悲しい気持ちになれば悲しい声が出る。もちろん、それがすんなり出来れば問題ないことなのですが、なかなか難しいことでもあります。
 
例えば「高い音で最弱音(ピアニッシモ)」を出さなければならない場合。
これほど感動的な声はありません。歌の中でも高等テクニックの一つです。ただし、高い声は息をたくさん送り込まないと出ない、ということがあります。でもそうすると、いつも高音は同じ調子の音しか出ないということになってしまいますね。
 
「弱い音を高音で出す技術」は、「声帯の閉じ方」を身につけなくてはなりません。
気合で何とかなる場合もありますが、気合は人によって違いますし、気合だけだとうまく行かないこともあります。
 
「声帯の閉じ方」を覚えると、効率よく豊かに表現できる声が出るようになります。
 
発声は、息が押しあがってきて→息が声帯を息がこじあけて→もう一度閉じて→「ア~」(発声)、となります。
ただ「ア~」と言いながら「声帯が閉じているな」と感じる人はあまりいないと思います。
そのために、まずは声帯を閉じることに気がつかせるための簡単なトレーニングをご紹介しましょう。

すべてブレス(息を吸う)してから開始してください。
 
1、「pの子音」 出ようとする息を唇で止め、ちょっと我慢して破裂させる。「プッ」というような音。
 
2、「tの子音」 出ようとする息を舌先で止め、ちょっと我慢して破裂。「トッ」というような音。
 
3、「kの子音」 出ようとする息を舌の真中で止め、ちょっと我慢して破裂。「クッ」というような音。
 
4、「有声のストローク」
アゴを下げて口を緩く開いたまま息をすって、声帯で息を止め、ちょっと我慢してコツッと当てるように、できるだけ短く「ア”」という音を出す。低めの音をイメージ。
 
5、1→2→3→4→5をゆっくり繰り返す。

「有声のストローク」は「ア」と「ウ」の中間のような音で「ア」の短い音ではありません。声を出すために息が押しあがってきて声帯をこじあけようとして開き、もう一回閉じるときに出る音です。このトレーニングは、「息をとめる位置がだんだん奥に入っていく」ことがポイントです。声帯をより意識しやすくなります。

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