鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

Cisco Catalystが4万円台から、Cisco Startで100人以下の企業規模をターゲットにするCiscoの勝算

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 Ciscoのネットワーク機器と言うとまだまだ高嶺の花のイメージが強い。競合ベンダーは、Ciscoよりも安いとのメッセージで市場を侵そうとしてきた。

 そんなCiscoだが、いまでは中小企業向けの安価な製品の提供も行っている。それが2015年10月から国内で提供している「Cisco StarP9280004シリーズ」だ。これのターゲット顧客企業は、従業員数で100人以下とのことで、中堅企業ではなくやはり中小企業がターゲットとなるだろう。そのくらいの規模の会社は、往々にして人材不足。人が少ない中で生産性を上げなければならない。生産性を上げるにはIT活用が必須だけど、IT人材が揃えられずセキュリティ対策もままならないのが現状だ。そこで「ネットワークインフラを一括で提供することで、中小企業の課題を解決するのがCiscoの狙いです」と言うのは、シスコシステムズ合同会社 専務執行役員 パートナー事業統括 高橋慎介氏だ。

 Ciscoのビジネス的にも、企業規模100人以下の市場は、これまで手を付けてこなかったところでもある。たとえば2015年の国内企業向けルータのシェアで36.3%、スイッチで49.4%、無線LAN装置で44.6%となっている。これらの数字はほぼ大企業から中堅規模の企業で上げている数字だ。つまりは、それ以下のCiscoがリーチしていない市場のほうが大きなものがあるのだ。ここを取りに行かない手はないと言うことだろう。

 この市場にCiscoが製品投入することは、Ciscoのパートナーにとっても歓迎のようだ。昨年10月にCisco Startを発表して1ヶ月後には、60社がパートナーとして手を挙げてくれたとのこと。これが2016年3月には935社、9月にはなんと1,757社まで増えているとか。じつにパートナーは、ここ1年足らずで29倍になっているのだ。それだけCiscoが安価な製品を提供するというのは、それだけビジネスチャンスがあると判断できるのだろう。

 今回は製品ラインナップのアップグレードで、さらにこの市場での戦略を強化する。製品追加のコンセプトは、10万円を切る製品群の提供が基本コンセプト。さらにエントリーモデルも追加しており、こちらは1万円を切るものを目指しているとのことだ。今回、インパクトがある発表となったのは、伝統のCatalystシリーズのスイッチが、4万円台で登場したことだろう。

 10人、20人くらいの規模であれば、量販店で購入できるようなスイッチやルーターでもなんとか事足りるかもしれない。これが利用者が50人、60人となると、それらで安定したネットワーク環境を構築するのがだんだん難しくなる。とくに一貫したセキュリティも含めて考えた際に、寄せ集めの機械でとなると手間も大きくなる。そのあたりの手間とコストまで含めて考えれば、50人を超えたあたりでネットワークスキルのあるパートナーに依頼して安全安心のネットワークを構築するのもTCO的には安価になるのかもしれない。

 今後はさらに、価格や性能的な優位性だけでなく、Cisco Startシリーズとパブリック・クラウドとのうまい連携なども提案してくれるようになれば、Ciscoの存在感も中小企業市場でさらに上がってきそうな予感もする。

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