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端末はスマートフォン1台あればいい

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 HPがWindows 10 Mobileスマートフォンの「Elite x3」を発表した。この端末を出すことで、HPのビジネスが成功するかどうかは未知数の部分もありそうだが、この端末の説明会を見て、ユーザーによる端末の利用は今後こう言う方向に行くよねという示唆が見えた気がした。

PCの環境もMobileに集約できるよ時代がやってくる

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 この新しい端末のスペックその他は、報道されている記事などを参照してもらえれば良いだろう。発表でまず面白いと思ったのが、「HP デスクドック」を活用する「Continuum for Phone」だ。Continuum for Phone自体は、Elite x3とHP デスクドックがなくてもできる。Windows 10 Mobileとモニター、キーボードなどの入力装置などを用意すれば、あたかもデスクトップPCと同じような環境を作れるのだ。

 あたかもというのは、これだけだと画面的にPCのようなものを実現できるが、動くのはWindows Mobileだからだ。Windows 10の上で動くPCのソフトがこれで動くわけではない。ところがHPは、独自に仮想デスクトップのサービスを提供することで、このContinuumの上でWindows PCなどで動いているアプリケーションを動かしてしまうというのだ。バーチャル環境とはいえ、Windows 10 MobileのElite x3さえあれば、会社で普段利用しているPC環境を利用できる。もう会社にはデスクトップPCはいらないというわけだ。

 さらに、モバイル用に「HP ノートドック」も用意した。こちらは見た目はまさにノートPC。しかし、中身は液晶画面とキーボード、大きめなバッテリーという構成。これで、外出先でもContinuumが使える。つまりは、もうノートPCを持ち歩く必要はないということだ。重さも軽くできるし、なんといってもPC用のCPUがないので電池も長持ちだ。

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 普段、タブレットにスマートフォン、さらにはノートPCを持ち歩き、オフィスには別途デスクトップPCもあるなんて環境で仕事をしている人も多いだろう。場合によってはスマートフォンは2台持ちかもしれない。各端末のOSがばらばらで、セキュリティレベルもまちまち、端末間のデータ同期は悩みの種なんてこともありそうだ。

 そんな面倒くさい環境を、基本的には1台のWindows 10 Mobileに集約できるというのが、Elite x3の発表の本質だろう。重要なのはElite x3のスペックとかではない。所詮、スペックなんてものはそのうち追い越され、陳腐化するのも速いのだし。端末がことさら好きだという人以外は、できればたくさんの端末は扱いたくないはずだ。1台で済ませられるならもちろんそれに越したことはない。今回はMicrosoftのWindowsの話だが、AppleだってGoogleだっておそらくは同じような未来は描いているのではないだろうか。ユーザーは、さまざまなOSを使いたいわけではない。アプリケーションを便利に使いたいだけなのだから。1台で済むなら1台でというのは必然だろう。

社内PCのリプレースはWindows Mobileに

 次回の社内のPCのリプレースのタイミングでは、どこそこのノートPCを選択するのではなくWindows 10 MobileとContinuumの組み合わせ環境を選ぶ、そんな企業が来年にかけて生まれてくるだろうか。それが普通になれば、スマートフォンとPCといったように端末を分けて考えるのはナンセンスな時代に突入しそうだ。

 ところで、たしかに1台に集約できるのは嬉しい。とはいえ、その1台の端末が壊れたらどうしようかと心配になったりも。故障とまでいかずとも、落としてしまったり電池切れで使えないなんてこともあるだろう。そうなると、バックアップ用にもう1台Windows 10 Mobileの端末を持つことになるのだろうか。2台持ちからは、やっぱり永遠に抜け出すことができないのかもなぁなんて思ったり。

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