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facebookのエンタプライズ版Salesforce Chatterは日本企業に受け入れられるのか

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 今年のDreamforceで一番の話題は、なんといってもChatterだった。

 さてこのChatterだが、見た目はfacebookの画面とそっくりだ。もちろん使い勝手も似ているはず。ある意味、facebookの仕組みを企業用に拡張したのだから、これは当たり前といえば当たり前。米国ではfacebookはかなりメジャーな存在のようなので、すぐにでも使いたいという企業も多いかもしれないなぁと思う。

 ところが日本の状況は、ちょっとどころかかなり違うようだ。これは直接聞いた話ではないが、会場に来ていた日本の企業のIT部門の方からは、「ところでfacebookっていったいどんなものなの」という声もあったとか。うーむ、こういった人たちには、今回のキーノートの内容はじつは半分も理解できていなかったんではないだろうかと心配になってしまう。AVONの事例なんて、facebookを知らなければさっぱり理解できなかったことだろう。まあ、facebookを知らなくてもいまいまのビジネスが回っているのだから、それはそれで問題ないのかもしれないが。

 これじゃあChatterの日本での普及は、機能や性能うんぬんよりも、ユーザー側の理解度の壁があってなかなか厳しいのかなと思っていた。ところが、逆にこんな話もあるようだ。facebookやTwitterのようなこれボレーションの仕組みには興味があったけれど、セキュリティの問題や内部統制の課題から利用には躊躇していた。Chatterならこれをクリアできるようなので、ぜひ導入したいという声があるというのだ。これは、Salesforce.com日本法人の社長である宇陀氏から、食事会の折りに直接うかがった話だ。今の時点でこういうことが言える会社は、facebookって何という企業とは大きな差がありそうだ。

 つい先日から、ユニクロがTwitterにバナー広告を出し始めている。日本ではfacebookをマーケティング活動に利用して成功しているなんて話はまだ聞こえてこないけれど、Twitterにしてもfacebookにしても、これからは目ざとく決断の早い企業がどんどん活用してくるのではないだろうか。節約も大事だけれど、次の世界に何がやって来るかを確実にキャッチできる、感度いいアンテナももっと重要だなぁと思う今日この頃。

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