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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

ATOKが今後も発展することを祈って

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 あのジャストシステムが、キーエンスの傘下に入ると聞いて、とにかくびっくりしてしまった。

 ここ最近、ジャストシステムの経営が厳しそうだなぁというのは、うわさ話としても聞こえてきていた。場合によっては、どこかが買収するかもと考えたこともあったが、買い主企業の候補は正直全然思いつかなかった。で、キーエンスだ。なんとなく名前に聞き覚えはあったけれど、このニュースをTwitterで知った際には、どんな会社かさっぱりわからなかった。私のTwitter仲間も、キーエンスという会社をよく知っているという人はいなかったようだ。

 とりあえずホームページを訪問して、キーエンスという会社についてざっと眺めてみた。会社概要のところを見てみると、次のようになっている。

  1. FAセンサの開発および製造、販売

  2. 自動制御機器、計測機器、情報機器および関連する電子応用機器、オプトエレクトロニクス機器ならびにこれらシステムの開発、製造、販売
  3. ハイテクホビー製品の開発、製造、販売

 これを見て思い出したのは、ハイテクホビー製品。室内用のラジコンヘリのメーカーだったのだ。ラジコンはとりあえず置いておくとして、その他の同社の主力のビジネスは、ジャストシステムのビジネスと重なっていないように思われる。両社が提携することで、いったいどんなメリットが生まれるのか。ちょっと、よくわからない。

 さらにページを見てみると、じつは重なるところが見つかった。キーエンスではいくつかソフトウェア製品も提供していたのだ。その中には、サーチエンジンやデータベース製品などもある。このあたりは、製品的にバッティングするところもあるかもしれないが、双方の技術を融合させよりよいものを生み出すことは可能だろう。

 とはいえ、その程度では、両社が提携するメリットと呼べるほどのことにはならないはずだ。むしろ、キーエンスは今回のことをきっかけに、ソフトウェア分野に大きく乗り出すということなのかもしれない。そうであれば、既存のジャストシステムの優秀で実績のあるソフトウェアについては、引き続き開発投資が続けられることが期待できる。

 ジャストシステムは、xfyでちょっとつまずいたかもしれないけれど(ちょっとじゃないという話もあるかもしれないが)、ATOKやConceptBaseなどはかなり実績もある市場で評価されている製品だ。このあたりの製品が今回の提携の結果、シュリンクするようなことだけは、ないといいなぁととりあえず祈るばかりだ。 

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