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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

世界IT対応番付で日本は大きく順位を落とした

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 2010年にユビキタス社会を目指している日本。総務省では、たとえば高齢者に優しい住宅とか食の安全、安心、生涯学習の普及といった生活に密着したところで、ITを活用した国民が暮らしいやすい社会"u-japan"を目指している。

 ちなみに、u-japanでは、

  • 国民の100%が高速または超高速ネットを利用できる
  • 国民の80%が”情報通信”を「役立つ」と評価できる
  • 国民の80%が”情報通信”に安心を感じる

といったことを、2010年には実現しようというのだ。

 ところで、ダボス会議を主催する「世界経済フォーラム」の発表によると、「Global Information Technology Report 2005-2006」のIT番付で、日本は前年8位から大きく順位を落とし16位になったとか。ICT(Information and Communication Technology)の環境、準備態勢、利用状況という3つの指標で評価しているとのこと。サイトに掲載されているサマリーには、16位に位置した日本に関する記載はないので、どの点が他の国々より評価されない原因かはよくわからない。

 ちなみに、日本はインフラ面ではけっこういい線をいってるはずだ。e-japanの目標であった、ブロードバンド接続環境などは、1年前倒しで遙かに高いレベルでクリアしてきた実績がある。インフラがいくらあっても、その利用はまだまだということなのだろう。先日の電子政府の縦割りの弊害で電子申請がうまくいかないといった件などが、そのいい例なのかもしれない。

 日本よりランキングが高い国は、1.US、2.Singapore、3.Denmark、4.Iceland、5.Finland、6.Canada、7.Taiwan、8.Sweden、9.Switzerland、10.UK、11.Hong Kong、12.Netherlands、13.Norway、14.Korea、15.Australiaとなっている。USは前年の5位からの1位への返り咲きだ。これらさまざまな国々が、日本よりリードしているポイントはそれぞれ異なるだろう。どこが日本に足りなくて、これらの国がICTにどのように力を注いでいるかを見習う必要がありそうだ。

 どんなに機能や性能がいいものを持っていても、使いこなせていなければ宝の持ち腐れ。ICTを提供する側も使う側も、思いこみを捨て発想を転換しないと来年はさらにランキングを落とすことになるかもしれない。

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