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はやぶさのブーム

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小惑星探査機「はやぶさ」がブームになってますね。
はやぶさが持ち帰ったカプセルを見に行った人は、すでに、10万人を超えたそうです。
カプセルの一般公開は7月30日から相模原の私立博物館で始まり、筑波宇宙センター、丸の内という順で行われてきて、今日(26日)からは、日本科学未来館(東京都江東区)で30日まで、それ以降は、角田宇宙センター(宮城県角田市、9月11~12日)で公開される予定とのこと。

なぜ、こんなにブームになっているのでしょうか。

はやぶさは、小惑星から地球に物質を持ち帰ること(サンプル・リターン)を目指し、2003年5月に「イトカワ」に向かって出発しました。2005年9月に小惑星イトカワに到着、2005年11月26日には試料採取のためのタッチダウンに成功しました。その後、エンジン故障、燃料漏れ、姿勢制御装置の不調、通信途絶とトラブルに何度も見舞われましたが、そのたびに奇跡的に危機を乗り越え、3年遅れながらも2010年6月13日に帰還。大気圏に突入したときに、自らは燃え尽きましたが、直前に放出したカプセルは無事回収され、現在、試料が採取できたのか内容物の解析が進められています。

数々のトラブルを克服して無事帰還、というのは映画にもなったアポロ13に似てますね。
アポロ13の映画では、乗組員や管制官の活躍が描かれていますが、はやぶさの場合は、乗組員がいないせいでしょうか、はやぶさ自体が擬人化され、それがウケているようです。

満身創痍ながらも、けなげに指令に応え、最後は燃え尽きた「はやぶさ君」・・こうした劇的なドラマに、「あきらめない大切さを知った」など、自分の人生を重ね合わせている人も多いようです。
「本体は燃え尽きて、カプセルだけが……。泣かせるねぇ」と、みのもんたも言っていたとか。

ここまでブームになると、中には、それを批判する人もいて、
「“砂ぼこり”を持って帰っただけだろ。それも、ちゃんと採れたかどうか怪しいらしいじゃないか」
なんていう発言も・・。

「イトカワ」の試料採取に成功したかどうかは、確かに重要ですが、例えダメだったとしても、偉業であったことに変わりありません。
「精一杯頑張って、行って帰ってきたんだから、彼の死は無駄なんかじゃない」
と感情的にになって言っている訳じゃないですよ。

はやぶさには、イオンエンジン(電気推進エンジン)、自律航行、惑星間軌道からの直接大気再突入等々、各種の新たな衛星・探査機技術が導入されていて、これらの実証試験も大きなミッションだった訳です。
JAXA(宇宙航空研究開発機構)のホームページにミッション達成度が書かれています。

■小惑星探査機はやぶさ ミッションのシナリオ
http://www.isas.jaxa.jp/j/enterp/missions/hayabusa/scenario.shtml

行って帰って来るだけでも偉業だった訳です。

それに何といっても、これだけ話題になり、多くの人の目を宇宙に向けた功績は大きいように思います。

わたし自身、子供の頃のアポロ11号の月面着陸や、高校生の時のスペースシャトルの帰還に「わくわく」、「どきどき」したことは、今でも強く記憶に残っています。ITの世界に入ったのも、実は、宇宙開発関連の科学技術計算がやりたかったからなのです。

きっかけは、はやぶさ君のドラマかも知れませんが、科学の先端に触れて、宇宙や科学技術に「わくわく」、「どきどき」している少年・少女がたくさん生まれたのではないでしょうか。

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