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沖縄の自然と歴史とIT事情をナイチャーの目でレポート

地域資源の付加価値を高める地域づくり 山城定雄氏

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めんそ~れ!

沖縄は朝から激しい雨になっております。

今年の梅雨明けは平年(6月23日)に比べて、遅くなりそうです。

土曜日は、同友会大学で、沖縄県地域づくり根とワーク副会長山城定雄氏の「地域資源の付加価値を高める地域づくり」という講座を受講いたしました。

山城氏は、沖縄県東村の職員を34年間続けられました。

もとは、会社勤めをされていたのですが、宮里藍ちゃんのお父さんとほぼ時を同じくして、生まれ故郷の東村の活性化のため、東村に呼び戻されたということです。

それ以来、34年間ほぼ東村の企画を担当されてきました。

村の活性化、「地域おこし」を担当されてきたのですが、東村の地域資源は何かと考えたときに、「自然」以外にはないということで、「ないものねだりではなく、あるものをいかに活用するか」という視点で、地域づくりをしてきました。

今回利用させていただいた「つつじエコパーク」という施設もその中の一つでした。もともと慶良間つつじが東村には咲き誇っており、海から見ると季節には山がピンク色に見えるくらいだったそうです。ところが、掘っては、持っていくということで徐々に減ってしまっていた時に、このつつじをどうにか生かせないかということで始めたのが、「つつじエコパーク」の設立です。ただ、単にそういった講演を作るということは、いろいろなところで取り組んでいると思いますが、当時お金の無かった東村ではそれを作るのに、村民全員がボランティアでつくりあげたということです。そのために、今でも村の方々が、「おらが公園」という意識が強いため、毎年きれいに花が咲き、活用されているということです。

さらに、リスクのない事業はないとのことで乗り出したのが、そのパークを使った「PA体験」です。179千人が利用し、毎日多くの方が体験に来てもらえるようになったいます。

また、東村は日本一のパイナップル生産量を誇りますが、GATTウルグアイラウンドの影響で海外産の輸入が強まり、一時期、パイン工場がどんどん閉鎖されてしまいました。そのなかで、本当においしい手作りのパインの生産を行い、「TADAO GOLD」というブランドは、1個5500円で出荷されるものも出てきました。

「藍ちゃんの切手」を企画したのも山城氏です。

東村は宮里さん兄弟の出身地でもあるのですが、当時はやっていた有名人の切手を作ろうということで、「宮里藍」の切手を作りました。残念ながら、東村には藍ちゃんの写真がなかったので、新聞社に掛け合い、無料で借り受けたり、女子プロ協会の了解を取り付けたり、いろいろな苦労をされましたが、発売すると当時発売済みだった「イチロー」などとは比べ物にならないくらい売り上げがあり、村の収益に貢献したということです。

東村は、沖縄でも山原(やんばる)地域に属する辺鄙な村ですが、

①身の丈に合った取組み

②ないものねだりではなく、あるものを活かす

③こだわりを持って、差別化をはかる

④コツコツと手間をかけて

⑤民間・行政「官民協働」

⑥地域の構想力

⑦キーワードは「夢・戦略・信念・情熱」

この7つをもって、地域づくりに取り組んできた山城さんのお話には、ベンチャー企業として非常に参考になるものがありました。

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