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日本は映像コンテンツの配信に乗り遅れているか

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次世代光ディスク戦争の陰で、映像コンテンツの配信に乗り遅れる日本」(CNet)というコラムを読んで、少し疑問が生じました。私自身、あまり動画配信サービスを利用してはいないのですが、ブロードバンド先進国と言われた日本での動画配信サービスの現状は、どの程度のものなのでしょうか。

日本は(意欲的な Yahoo! BB のおかげで)ブロードバンドを安価に利用できる国です。「電気通信サービスに係る内外価格差調査(平成17年度調査結果)」(総務省、PDF形式)によれば、インターネットの定額制料金比較において「価格が安く、速度が速い」という結果になっています(東京の場合)。実際、米国に引っ越した友人から「日本に比べてずっと遅い CATV 回線なのに月額料金が高い」という嘆きを聞いたこともあります。

また、最近でこそ YouTube やニコニコ動画のような投稿型のサービスの隆盛は伝わってきていますが、それより前から広告モデルで動画配信サービスをはじめた GyaO が人気を博していました。なにしろ、サービス開始からもう3年近くも経ちます。GyaO は、今も、なかなか黒字化できないようではあるのですが、まじめにコンテンツを調達しているのですから、十分健闘していると言えるでしょう。それこそ、ユーザーの不正によってコンテンツ調達費が無料で済んでいるニコニコ動画ですら、黒字化できていないのが現状なのですし。

米国では、たしかに冒頭の記事にある iTunes Movie Rentals/Store をはじめ、CinemaNow や MovieLink のようなダウンロード販売を利用して新作映画も観られますし、YouTube と提携したレコード会社や MTV などのサイトでプロモーションビデオが見られたり、大手テレビ会社が番組を配信するという状況があるので進んでいるかもしれません。でも、日本でもパソコンで視聴できる VOD サービスはあります(wikipedia より)。専用機器を使うものなら新作映画を対象にしたサービスもあります。そもそも、広告モデルをベースにしながら、かなりのコンテンツをまじめに調達している GyaO のようなサイトって、米国にあるのでしょうか(←本当に知らない^_^;)。

テレビ局にしても、『コンテンツ・フューチャー』で取り上げられていた第2日本テレビがありますし、他の民法キー局もプロバイダを特定した動画配信(有料&無料)は行っているようです。これらキー局によるニュース映像の配信もありますし、wikipedia のローカルニュース動画配信実施局一覧によれば、さまざまな地域のニュースを見ることもできます。

このように調べてみると、けっこう色々な動画配信サービスがあるようです。たしかに動画投稿サイトに(不正に)コンテンツが集まっているというのは事実なのでしょうが、決して、そこでしか見つからないものばかりではないような気がしてきました。まじめにコンテンツ調達しているので期間限定のものもあるのですが、“クリエイターに対価を払うことが嫌なわけじゃない”のであれば、こうしたまじめなサイトをつぶさないために、“優先的に”利用することを考えてみてはいかがでしょうか。

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