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[これはすごい] CCライセンスで出版される『コンテンツ・フューチャー』

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実は、このエントリを書く前に「自分の主張を自分で実践できないことが意味するもの」という内容を書こうと思っていました。「著作権過保護」のような主張をする人というのは、たいてい(メリットを享受するだけの)利用者なのですが、中には著作者側にもそのように主張する人がいます。ところが、こういう著作者の方に、ご自身の主張を、自身の著作物に当てはめて実践してみてはどうかと提案してみても、なかなか受け入れられません。結局、自分で実践できない主張というのは、その主張を他人が実践することがいかに難しいかを表してしまっているのです。

そんな中、ときどき読んでいた「音楽配信メモ」という津田大介氏のブログで、非常に興味深いニュースがありました。翔泳社から出版される『CONTENT'S FUTURE』に CC(Creative Commons)のライセンスが与えられているのだそうです。「著作者表示」「非営利」「改変禁止」という、CC の中では厳しい条件ですが、この条件を満たしていれば、全ページをスキャンしてネットで公開してしまってもかまわないというのです。

青空文庫にも、かつて書籍や雑誌記事として出版された物で著作権が切れていないものというのはありますし、『伽藍とバザール』(エリック・レイモンド著、山形浩生訳)のように原文・翻訳がともにコピーレフトという例もあるのですが、訳文ではない日本の出版物で最初から自由な複製を認めた例はほとんどないのではないでしょうか(←あったら教えてください_o_)。

正直なところ、私は津田氏のブログの内容にいつも同意しているわけではありません。私の主張は「著作物の共有は強制するものではなく、著作権者が選択するものだ」ということです(「ニセモノの良心」では、もっと明確に表現されています)。しかし、著作権者が(親切にも)共有を認めてくれるというのであれば、共有を促進したいと考えている利用者はその機会こそを活かすべきだと考えます。現実には、私は「共有すること」が主流になるとは考えていませんが、そのように考える利用者は、こうした試みを逃さず応援すべきでしょう。

というわけで、私は amazon で5冊ほど注文しました。余る分は、ここでプレゼントということも考えられるのですが、とりあえず「共有賛成派」の方には自分のお金で購入してもらいたいと思いますので、保留しておきます(そもそも、未着・未見なので、どんな内容なのかもわからないですし)。また、どなたかが実施されるのでなければ、近いうちに私の手で全ページを公開しようと考えています(※)。

余談。私は、(家族サービスのため^_^;)投稿が遅くなってしまったのですが、あまり取り上げられていないですね。(あれば、ですが)後続のものについてはともかく、この1冊くらいは皆で取り上げて「成功」させないと、別の人・出版社が後に続く理由を失わせてしまうだけという気がします。

※作業完了しました→『コンテンツ・フューチャー

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