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「水道哲学」の終焉と、「ニーズ断捨離」の始まり

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1932年5月5日、松下電器製作所第1回創業記念式で、松下電器(現パナソニック)創業者の松下幸之助さんが提唱したのが、「水道哲学」です。

Wikipediaによると、次のようにおっしゃったようです。

---(以下、引用)---

産業人の使命は貧乏の克服である。その為には、物資の生産に次ぐ生産を以って、富を増大しなければならない。水道の水は価有る物であるが、乞食が公園の水道水を飲んでも誰にも咎められない。それは量が多く、価格が余りにも安いからである。産業人の使命も、水道の水の如く、物資を無尽蔵にたらしめ、無代に等しい価格で提供する事にある。それによって、人生に幸福を齎し、この世に極楽楽土を建設する事が出来るのである。松下電器の真使命も亦その点に在る。

---(以上、引用)---

当時は昭和初期。電気製品は時代の最先端商品。

人生の幸福のためには、貧乏の克服が必要であり、そのためには「電気製品を水道の水のように無尽蔵に供給する」ことは、まさに理にかなっていました。

 

それから82年が経過し、豊かな社会になりました。

主にネットの世界などでフリーミアムモデルなども登場していることを考えると、松下幸之助さんが「水道哲学」で提唱したことは、既に実現していると言ってもいいのではないでしょうか?

一方で、先日「黒船家電メーカー vs. 日本家電メーカー。ポイントはマーケティング思考 vs. ものづくり思考」で書いたように、多機能で安い家電製品よりも、少々高くても新しいニーズを掘り起こした家電製品が売れる時代になりました。

このように考えると、「すべての人へ、安くて多機能な製品を」という「水道哲学」の時代は終焉し、「10%の人へ、高くても光りモノを」という「ニーズ断捨離」の世界に変わってきているのではないか、と思います。

 

「水道哲学」の製品開発・マーケティング方法と、「ニーズ断捨離」の製品開発・マーケティング方法は、全く異なります。

前者はマス・アプローチ。これは既に限界に突き当たっています。

後者は「顧客開発」というアプローチが中心になっていきます。

あるクライアント様での研修のために、現在この「顧客開発」アプローチについて、考え方をまとめているところです。追って当ブログでもご紹介していきたいと思います。

 

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