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ビジネスの現場で実践できるマーケティングと経営戦略をお伝えしていきます。

自費出版の道#11: とても重要な書名を考える

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商品名一つで売り上げが大きく変わる事例が世の中には多数あることからも分かるように、商品にとってネーミングはきわめて大切です。

例えば、皆さんご存じの抗菌防臭ソックス「通勤快足」。

最初は「フレッシュライフ」という商品名でしたが、商品名を変えたところ売上が9000万円から8億円にジャンプしたそうです。(詳しくはこちらをご覧ください)

同様に、本でもタイトルはとても大切です。

ということで、タイトルを考えました。

最初は、最近のベストセラーに多いタイトル「なぜxxxxxなのか?」に倣って、

なぜ、マーケティング理論だけでは、戦略は立てられないのか?
- 企業の現場における、戦略プロフェッショナルの仕事 -

としてみました。

この本で書こうとしている内容を表現していますし、当初は「これでOK」と思っておりました。

原稿を周りの何名かに読んでいただき、好感触もいただきました。

しかし、なぜか自分の中に割り切れない感覚があり、色々と考えた結果、その理由が分かりました。

「このタイトルでは、結局、『マーケティング理論』という単語に興味ある人しか反応しない」


 

「マーケティング理論」という単語に反応するのは、恐らくマーケティング理論に接したことがある人達だけです。

そして、世の中全体では、そのような人達は必ずしも多くはありません。

例えば、現場の第一線でセールスとして活躍し続けてきた人達の過半数にとって、「マーケティング理論」という言葉はどこか遠い世界の話に聞こえてしまい、あまり興味をひかないのではないでしょうか?

世の中に星の数ほどもある本の中で注意を引くためには、ターゲットとなるお客様が気になるキーワードが入っている必要があります。

今回の本は、マーケティング担当者だけでなく、企業やビジネスで戦略に関わっている全ての人達を対象としています。

先のセールスの例のように、このような人達は「マーケティング理論」という単語に必ずしも反応はしないはずです。したがって、このタイトルではあまり売れない可能性が考えられます。

しかし、実際には本書のコンテンツを考えると、この本で書かれている方法論を活かすことで、このような人達にとってもビジネスに大きな価値を生むはずです。

その後、いくつかのタイトル候補を考えた結果、最終的には下記のタイトルにしました。

戦略プロフェッショナルの心得
-ビジネスの現場で、理論だけの戦略が実行できない理由

基本的には、当初考えたタイトルと言っていることは同じですが、より広いターゲットの人達のアンテナに止まるように考慮しました。

もちろん、このタイトルはあくまで仮説ですので、実際の成果を見た上で、必要であれば将来変更することも検討したいと考えています。


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