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「コインの表が出たら私の勝ち、裏が出たらあなたの負け」

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....、このタイトルを見て、「そんなの、普通じゃん」と思ったアナタ、詐欺に注意しましょう。

この条件で、どのような場合に自分が勝てるかをよく考えていただくと、分かります。そう、勝てないですよね。

ここまで単純化したケースではないですが、このようなロジックは、交渉で海外の相手がよく使う手法です。
つまり、どちらに転んでも、自分に利益が入ってくるようになっている、ということです。

しかも、いかにも相手にメリットがあるかにように巧妙に言ってきます。

しかし、このコインの場合と同様、実際の結果を想定して自分にどの条件でどのような見返りがあるか、ちょっと時間をかけて客観的に分析すると、相手のトリックはすぐに見破れます。

性善説を信じる日本人は、自分が仕事の相手に条件を出す場合のことを想定して、「まさか相手が自分にこんなことを言う訳ない」と思い込み勝ちです。

さらに、「こんなことを言って騙そうとする相手は信じられない。取引すべきではない」とも考えるでしょう。

しかし、駆け引きが常套化しているグローバル・コミュニケーションではこれも交渉術の一つであり、我々日本人からすると残念ですが、交渉の場では「こんなのに騙される方が悪い」のです。そしてそんな相手とも、価値があると判断したら取引しなければならないのが現実です。

我々は「批判」という言葉自体もネガティブに受け取りがちですが、まず最初に批判的(critical)に考えていく、という姿勢が常に必要ですね。

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