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CSR(企業の社会的責任)や企業の社会貢献活動におけるトレンドを解説・紹介し、人々は幸せになれるのかを探っていきます。

災害時のCSR広告ってどうすべきだったのだろうか。

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今回は、放射能関連で話題の某電力会社の広告的側面を観察してみます。



‖ とある電力会社の話し
一つ断っておきますが、非難したいわけではなく、
客観的に見た時に、ということなのでかんしゃくを起こさず読み進めていただきたい。

まず、皆さんは知らないと思いますが(僕は最近知った)、
グループ企業に広告関連会社がありながら、
今回の大震災におけるお詫びTVCM(3月・4月)のクオリティが...
という非難もあったらしい。


3月、4月のお詫び広告だけでなく、
Webサイトのコンテンツ閉鎖に対しての非難も多数あった。
TVCMは継続せず、実放映は1週間程度で終了。
「CSRアクションの重要なポイントは"継続"だ!」という人がいるくらい、
継続し、コミュニケーション構築をすべきなのに、
この状態は好ましいとは言えない。


最近になって、「実はあの時...」みたいな、
話しも出てくるようになりました。
混乱を抑えるためとはいえ、
生命の危機すらある状況で、
隠蔽と言われてもしかたかがないかもしれません。


もちろん、通常のキャラクターが登場し、
省エネを呼びかけるTVCMも震災以降放映されていないようです。
今年は色々あったけど、来年どうアクションをするかが、
非常に注目されます。


‖ 臭いものには蓋をしろ
情報発信で一番やってはいけない、
「臭いものには蓋をしろ」的アクションだった感じは否めません。
CSRには説明責任という重要な考え方もあるのです。


今まで年間200億円以上(販促費・関連費用を含めると
1,000億円以上にもなるとか)の広告費を使っていたという話しも。
仮に本当だとしたら、今後200億円の多くはどこに振り分けられるのでしょうか。
まずは、近隣住民への賠償となるとは思いますが、
1人の電気利用者としても気になります。


「エーシー♪」で有名な公共広告CMのとりまとめをする、
ACジャパン(旧:公共広告機構)にも加盟しています。
しかも、重要なポジションにいるとか(現在、どこまで関与しているかは不明)。


関連会社が200社を超えるような超大手企業で、
その影響力は半端なものではないのです。
2009年のCSRイメージランキング(ジェイブロード調べ)では、
強豪を抑え第4位だった企業です。もったいない。
ソーシャル・コミュニケーションとは何か。
そこに正義は存在するのか。非常に考えさせられた出来事でした。

加えて、CSR活動やソーシャルコミュニケーションで隠された
リスクが一気に噴出した事故でもありました。


‖ 正義とは何か
僕はすべての広告において誰かを非難するつもりはないです。
これまで影響の大きさから、メディアは保身に走って来た。
影響がここまで広がるとは思わなかった、3月中旬は各種メディアも
批判はしていなかった。
これから各メディアがどのような報道をするか注目です。


マスコミと電力会社の関係。僕は裏側はよく知りませんが、
色々な企業・団体の利権・保身から情報が混乱したのは事実です。
良くも悪くも、結局は"それらの広告"という事例から学び、考え、
行動するしかないのです。非難ばかりでは、何も解決しません。


ソーシャル・コミュニケーションとは何か。そこに正義はあるのか。
まずは諸々収拾させること。それが社会的役割であるのです。
そして、我々は、災害時における広告とは何か。
災害時におけるCSRとは何かを今一度考えるです。
気休めの告知では、誰も幸せになれないのはわかったはずですよね。


‖ もし明日がXデーだったら
ガバナンス問題から、今までのCSR活動が一切否定される企業もあります。
たった一度でも重大な事故・事件を起こしてしまえば、
どんなにソーシャルコミュニケーションがすぐれていても、
すべてが否定されます。


BCP(事業継続計画)等もあるでしょうが、
一般生活者が企業情報に触れる際には、
必ずコミュニケーションが生じます。


どのような日頃の取組み(今回では広告)をするべきか。
これは社員数名の企業でも、
社員数数万人の企業でも考えなければなりません。
今回の東日本大震災でそれは経験できたはずです。

いきなり何かができるようになることはありません。
日頃の準備や考え・行動が大切です。

ソーシャルコミュニケーションが評価された企業は、
やはり日頃から、CSRや社会貢献活動に取り組んでいたり、
自社だからできることを早期に決断し、実行していました。


明日、大震災が起きたら、
企業の広報・広告・コミュニケーション担当のあなたは、
適切と思われる最大限の行動が取れますか?


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安藤光展

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