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CSR(企業の社会的責任)や企業の社会貢献活動におけるトレンドを解説・紹介し、人々は幸せになれるのかを探っていきます。

CSR広告の「正しい」ポイントとは?

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今日の話しは、CSR広告について。
世界の広告賞などでも、社会派広告が話題になっていますが、
企業の広告はどうあれば、「正しい」と言えるのか考察します。


‖CSR広告とは
CSR広告とは、呼んで字のごとく企業のCSRアクションをPR・宣伝すること。
私へのご相談も最近増えております。
あのアメリカでさえ慈善活動(CSR含)は大々的に
告知する必要はないと思われておりましたが、
昨年、ウォーレンバフェットとビルゲイツが富豪層に
資産の半分を寄付するよう呼びかけたそうです。

その想定金額は約50兆円。ものすごいソーシャルインパクトです。
理由は「黙ってしていては、善意が途切れる。
告知してこそ善意が善意を呼び、ソーシャルアクションとなるのでは」と。

つまりは、善意を広める・ソーシャルインパクトを出すには、
広告つまり伝えることが必要なのだということです。

Do Goodなことを伝えるのに、恥ずかしいこと、臆することなんてないですね。
また、一言に広告といっても手法は様々なものがあり、
最近で言えば、Twitterを始めとするソーシャルメディアと呼ばれるものもあります。
大手企業で言えば、TV・新聞などのキャンペーン的広告なども視野に入るでしょう。

では、良いCSR広告とは何でしょう。とても難しい問いの一つですが、
「おごるな。企業は、【社会】に存在させていただいているものだ」という
ドラッカーの金言が鍵になるのではと思います。

つまり、CSRをしてやっている、本業に関係ないけど、
言われたからやっているというトンマナ(トーン&マナー、
広告全体の雰囲気・デザインのこと)になっていしまってはいけない。
広告ありきのCSRアクションは見透かされるということです。

おごる心があっては良いアクションはできません。
あくまで社会を構成するものの一つが企業なのだから、
謙虚に行きましょう、と。

また、広告はあくまでも付加価値を表現することであって、
CSRアクションそのもの質がCSR広告の質になってくるものと思います。

広告はあくまでも目的を達成するための手段です。
CSR広告においては特に目的と手段のはき違えが起きやすいように感じています。
結論、良いCSR広告とは、良いCSRアクションを行う事だと思います。

僕は、3SというCSR広告のフレームワークを推奨しています。
3Sとは「ストーリー/シンパシー/シンクロナイズドアクション」です。

企業に物語、つまりなぜそのCSRアクションを選んだのかが必要です。
理由のない行動は、理解されにくいものです。そもそも、
ステークホルダーの共感を得られないCSRは誰のためにもならないのですから。

そして、ストーリーがあれば、それに共感する人が出てきます。
そして、その共感した人は企業のファンとなり、購買という同調行動を取ります。
これが僕の提唱するCSR広告の基本の"キ"です。
あくまでもブランディング・PRが広告の最終目的です。




‖CSR広告の基本は聖徳太子?


1300年以上前に、SRの概念を説いた方がいます。
そう、聖徳太子です。彼の「和」を重要視する考え方はまさに、
現代のSR理論(CSR)の原型になるのではと思います。

『和を以て貴しとす』。訳すと、「和をなによりも大切なものとし、
いさかいをおこさぬことを根本としなさい。人は組織を作りたがり、
悟りきった人格者は少ない。しかし上の者も下の者も
協調・親睦(しんぼく)の気持ちをもって論議するなら、
おのずからものごとの道理にかない、どんなことも成就するものだ。」
といった憲法の内容です。

厳密に『和を以て貴しとす』を広告コピーとは言えないかもしれませんが、
非常に意味深いコピーであることは間違いないですね。
この短い文言が、世の中に広く伝わるきっかけにもなったようですし。



つまり、和という考え方は、相手を思いやり、
彼らのために何かしたいという姿勢を表現しコミュニケートすることと解釈できます。
身構えずに社会、地域、企業、家庭、個人で
実践すべき平和的コミュニケーションに通じると。

CSR広告においては、「誰かのために」をロジカルに
まとめることができないと、デザインに落とし込むのが困難となります。

当たり前なのですが、それがなかなか難しい。
CSR広告は一般的なキャンペーンより、難易度が高いPR手法です。
だからこそ、本質がずれないように第三者意見や
セカンドオピニオンなどを受け入れることも大切なことになります。

CSRアクションを継続的に行い、告知し、共感してくれるパートナーを増やす。

「共感のコミュニケーション」を取り入れ、お客様をパートナーとして
向かい入れることによって、ロイヤリティの高い、企業文化(ブランド)が生まれる。

「戦略」から「ストーリー」へ。「攻略」から「共感」へ。「ターゲット」から「パートナー」へ。
購買者や株主などのステークホルダーは敵や攻略すべき相手ではなく、
企業と共に成長を歩むパートナーだという考え方がCSR広告には必要です。
CSR広告とは、アイデンティティ・デザインそのものだと考えています。
この記事を読んでいるあなたの会社には、【和】の心がありますか?



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安藤光展

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