セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

世界秩序はどうなるのか?

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中国と米国の貿易戦争が、世界の秩序に与える影響について懸念する声がある。一方で、先般米国の金融関係者と雑談をした際、彼は中国はバカではないから、どこかで収まる、何故なら貿易黒字幅の大きい中国の方が失うものが多いから、と指摘していた。

確かに、単純に考えればその通りだが、このあたりにある意味で欧米の限界があるのではないかと感じるのも事実だ。つまり、何でも数字や量でしかとらえられないという点だ。確かに貿易赤字国にとって、全ての輸入に関税を設ければ、貿易赤字の縮小につながるように考えられる。だが、世界経済、産業、事業はもっと複雑に絡み合っている。米国の製品を輸出するために、まずはその製造過程に中国製の部品が使われていたら、関税の増税でその部品が輸入できなくなれば、米国の製品も作れなくなる。

今や、米国の製造業は完全に国際市場で競争力を失っており、それは海外製品が入ってくるからではなく、そもそも競争力ある製品を作ることが出来ない社会を米国が築いてしまったからだという点をまずは理解すべきだ。加えて言えば、特に完成品ではなく部品の分野で、米国産業はかなり以前から成長が進展しておらず、大部分を海外に依存している、つまり自国だけで作れるものなど殆どないということも重要な観点だ。

もちろんいずれの国も、その対立をあまり大きくすることなく、うまく政治的に解決するように進むとは思うが、我が国はこの米国の現実を念頭に置いて、次の時代の産業運営をどうするか、真剣に考えるべきだ。日本の技術もかなり劣化してきていることは間違いのない事実であり、これをどう維持、反転させるか、どのような技術分野を推進するか、など国家的な戦略が必要ではないか?

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