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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

報道のあり方

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今回の北朝鮮と米国の会談の中止に当たり、ジャパン・タイムズに次のような記事が掲載された。

Trump said the U.S. military is " ready if necessary" to respond to "foolish or reckless acts" by North Korea. Trump also said he has been in touch with South Korea and Japan and that both allies are willing to bear much of the finaicial burden "if such an unfortunate situation is forced upon us."

要は、北朝鮮が特定の行動を取った場合、米軍が行動を起こす準備は整っており、その軍費の大部分を韓国と日本は負担する、ということだ。そして、その後の報道を見ると、官房長官も首相も米国の行動を肯定しているようだ。しかし、これは戦争のコストを負担するということで、かなり踏み込んだものと言わざるを得ず、慎重な対応が求められて然るべきものだと思うし、そもそも事実だとすれば、このようなことが、きちんと報道されないことに、疑念を感じる。

AFPでは「北朝鮮が愚かな、または無謀な行動を取った場合、韓国と日本が米国と共に対応する準備が出来ていると述べた」と報道しているだけであり、朝日新聞は「北朝鮮が愚かで向こう見ずな行動を取った場合、米軍の準備は整っている」と牽制、日韓とも連携しながら対応していく考えを示した、と記している。もちろんどちらが正確かは定かではないのだが、英語で記述されていることからすれば、ジャパン・タイムズの方が信ぴょう性が高いと感じる。

もちろん北朝鮮の一連の行動にあまり信頼感がないのは事実であり、有事の場合に対応が必要であることは間違いない。また、このような内容は極めて国家としての戦略性が高く、そもそも米国側として公表すべきであったか、また米国が発表しても我が国が曖昧にすることが我が国の国益に沿うこともあるだろう。だが、この一連の報道を見ていて、我が国政府やマスコミに、そのようなインテリジェンスが働いたと考えるのは間違いではないか?

要は、事実を伝えるということすら十分に出来ないマスコミと、米国追随の物言わぬ我が国政府の対応の賜物ではないか、と思わざるを得ないのだ。そしてその点がとても心配になるのは、私だけだろうか?

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