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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

政策は目的を明確にして、且つその影響も全体を見渡して考えること

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自民党で、こども保険の創設を考えているようだ。幼児教育・保育の充実、更にはその家庭におけるコストの低減は重要な課題だ。だが、果たして保険制度がそれに相応しいのか?予算で処理すればよいのではないか?保険料は誰から徴収するのか、などなど検討すべき課題は多い。

昨今、保育所の不足などが課題となり、保育所の設置や保育士の就業条件の向上などの施策が唐突に進んでいるが、必要性には異論はないが、どうも国や地方の政策における位置づけに関して、若干の違和感がある。

誰かが騒ぐと、その部分にだけ注力した政策が実行されるが、例えば保育士に対してだけかなりの優遇措置が取られることで、福祉関連の様々な職員の間で待遇面でバランスが崩れるなどについては、十分な配慮がされているとは思われない。また、ある意味で緊急避難的な制度であって、制度自体の中身もその都度変更され安定性を欠くとともに、助成を受ける保育士にとっても生活設計が難しい。

特定の事業やそれに従事する職員などに対する政策は、もちろん課題対応のため必要だとは思うが、それが社会・経済に対してどのような影響を与えるかなど、より綿密な検討が不可欠であり、そもそも縦割り行政と呼ばれて来た以上の大きな問題があるように感じる。

これもまたある意味でポピュリズムの一つではないのか?

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