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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

天皇の意味

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今週はドタバタしているので、簡単に。皇の生前退位が議論になっている。現天皇のご意向を忖度し、生前退位に賛同する意見が国民の間では多いように感じるが、政府は慎重だ。また、これがきっかけとなって、女性天皇のことも再度議論の対象となっている。

憲法第2条は皇位が世襲であることと皇室典範によって継承することしか規定していないので、生前退位にしても女性天皇にしても憲法改正を要するものではない、というのが我々素人の感覚。一方で、天皇が我が国の歴史において果たしてきた役割とその歴史的意義に鑑みれば、「象徴」ではあるものの、その継承における伝統は守るべきだという考え方も一理ある。

だが、いずれにしても主権を持つ日本国民が定めた憲法において、前記のように規定している以上、皇室典範を改正すれば生前退位も女性天皇も認めることは可能であるし、それによって前述の天皇の歴史的意義が損なわれるわけでも、「象徴」としての役割に齟齬が生まれるわけでもないと私は考える。天皇の地位が憲法第1条に規定する通り「主権の存する日本国民に総意に基く」のであれば、技術的な法整備は専門家に検討していただくとして、生前退位、女性天皇などの大枠のところについては、法律上規定はされていないものの、国民投票を行ってこれを参考にしても良いのではないか?

もちろん天皇制やその意義に重きを置く方々からは反対の声も上がる可能性はあると思うが、天皇を今ある地位から異なる地位へ変更するというものではなく、その歴史的な意義は引き続き尊重しつつ、単にこれまでの伝統であった生前退位を認めず男性のみという原則を変更するだけであれば、比較的納得感はあるのではないか?

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