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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

本当の民主主義はどう作るのか?

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この間、電車に乗っていたら、運転間隔調整で毎駅のように2分停車し、挙句の果てに、ダイヤが乱れているからこれからも時々調整しますというアナウンスが、ずいぶん経ってから流された。鉄道は、サービス業であるはずだが、相変わらず地域独占の傲慢さが抜けていないな、と強く感じた。かと思えば、ちょうど碑文谷の池で起きたバラバラ遺体事件。何故か午後6時や7時のニュースで、堂々と胴体らしきものが見つかったなどの報道がされている。マスコミには、常識というものはないのか?日本の一般家庭はちょうど食事の時間、ましてや子供達もテレビを見ている時間に、何故このようなニュースを平気で流せるのか?

東京都の知事の問題も、これを批判した都議会のリオ出張の話も、突然消費税の増税を先送りした政権も、どうも誰もが、自分のことしか見えず、相手や周囲の人々が見えていないとしか言いようがない。その典型が現総理であり、自分を立法府の長と言ってみたりする。同じような状況が、多かれ少なかれ欧米でも起きているのだろう。英国のEU離脱は衝撃的だったが、スコットランドの独立の話もあり、自国を優先する孤立主義の萌芽という意味では、米国も同じで、トランプ氏が大統領になる可能性は十分ある。とすれば、世界はより孤立主義的になり、英国のEU離脱を契機とした経済の混乱も念頭に置けば、少なくとも状況的には先の大戦前夜と似てきている。

ところで、今回の離脱報道は、とても不可解な気がした。朝、離脱派のリーダーが敗北宣言をし、その後一旦は離脱票が残留票を大きく上回ったものの、一時はかなり僅差になり、その後少し差が開いたがまだ開票率も半分行っていなかったところで、BBCが離脱の方向との報道をフライング気味に行い、その後更に差が開き、再度BBCが確定の報道を行った、という流れだったかと思うが、私的にはかなり情報統制が行われていた感じがするし、それによって市場筋でかなり巨額の儲けを達成した人たちがいるのでは、と勘繰りたくなる。

いずれにしても、我が国もある意味で重要な選挙の最中であり、野党があまりに力が及ばず、どうも与党がかなりの勝利を収めそうだ。だが、私は、引き続き日本国民の絶妙なバランス感覚を信じたいし、今の立憲政治を理解しない内閣の時に憲法改正を可能とする議席数は実現してほしくない。とは言っても、やはり野党が相応の議席を獲得できるとは思えないところが悲しい所以である。世界が孤立主義に走る今の時代こそ、我が国で本当の民主主義を実現する端緒を築ければと思うのだ。

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