セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

情けない産業と社会

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オバマ大統領の広島訪問と、記念公園でのスピーチは、いろいろと政治的意図など揶揄する声もあるが、一言で言って私は極めて有意義だったと思うし、感動もした。原爆投下をどう考えるか、謝罪すべきか、またこれに絡めて日本の侵略戦争との主張に結び付け、日本が被害者のように見えるような表現の可能性に対する一部の近隣国からの執拗な攻撃などもあったが、オバマ氏は米国大統領就任以来主張し続けている核の廃絶、世界平和の実現へ向けた思いを、敢えて広島の地で世界へ向けて発信したのだろうと思う

これを、未来へ向けてのイベントとして設営し成功裡に完了させた我が国の政府の周到なそして精妙なアレンジメントも、併せて評価されるべきものだと考える。一方で、米国との同盟関係の故に、核の抑止力について、国際舞台で毅然とした発言ができない我が国の実態を考えた場合、国際政治力学の上での配慮は必要だとしても、やはり核と侵略戦争については、我が国はより毅然と明確な姿勢を示していけないものか、と感じるものだ。

一方でサミットの成果については、はっきりしない。アジアにおける特定国の帝国主義的動きに関するけん制という意味では相応の意義はあったのかもしれないが、経済問題に関する財政出動については、やはり各国ごとに大きな姿勢の違いがあったようだ。これは、もちろんそもそもリーマンショック以前と同様か、という経済分析に関する意見の相違もあり、またそれぞれの国の抱える国家財政の課題という制約もあってのことだろう。

だが、最大の違いは恐らく経済を主導するのは産業だという根本的な理念の相違ではないかと感じている。その意味で、先日のロイターの調査で、我が国の80%の企業がデフレ逆戻りの不安を持っているという情報は、ある意味さもありなんという感じがする。もちろん地震とか、国際情勢の影響を大きく受けるのが産業であり、自分たちだけでどうしようもない、というのは事実だ。

だが、所詮国民経済において政府の果たす役割など限られており、ましてや政府が世界最大の負債を抱えた我が国としては、財政出動で対応するには本来限界があるはずだ。それにも関わらず、消費税増税は困るとか、政府に様々な施策を打ってもらわないと、企業として厳しいとか、あまりに依存体質が過ぎるし、また政府もそのような政策に依存し過ぎていないか?

オバマ大統領の言葉ではないが、困難に向かって立ち向かっていく志がなければ、これだけ複雑かつ難しい環境で、我が国経済を前に進めて、国民の生活を支えることは出来ないのであり、そもそも産業界にそのような役割を国民経済において果たすべきだという使命感と、それを主導するための進取の精神を持っていただきたい、というのが私の気持ちである

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