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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

やっぱり無関心はダメかな?

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先日元中学校校長の、児童買春関連の事件があった。最初に驚いたのは、3年間の赴任以外は年間3回の2週間出張で二十数年ということと、一万二千名という数がどう考えても整合性がないという点だった。きちんと記録があるということで言えばギネスものということも出来そうな話だが、茶化すのはやめよう。

たまたま同じ職場で働く若い女性にこのニュースを伝えたところ、まあ当然なのだが、大変憤慨していて、「そんな人がいるからダメなんだ」という第一声だった。

ただ、その後彼女の意見を聞いていると、最大の問題は、本件容疑者の行動が児童ポルノなどに通じるものがあることであって、例えば写真だとか、マンガだとか、この分野において、わが国は諸外国と比べてもまだ規制が甘いので、これを何とかするべきではないかというのが主題だった。

そして、これが大きな社会問題にならないのは、大多数の大人がそもそもこのようなある意味普通ではない行動をしないが故に、あまり関心がないことが理由ではないかというその場での結論になった。

私自身、児童ポルノなどに関する世界の規制比較などは知らないが、昔少し関わった風俗関係雑誌に関する活動を思い出した。ある大都市の区のPTA連絡協議会の会長だった時代に、コンビニに風俗関係雑誌が普通に置いてあって、しかもその中身が女性の写真とサービスの価格であったことから、さすがに子供も見れるところに、女性の値段までが書かれた雑誌が置かれているのはおかしいのでは、と感じたのが発端だ。

しかし、市の協議会に諮ったところ、「コンビニ業界の営業の自由を阻害するのでは?」などというある意味第三者的な意見が主流で取り上げられるに至らなかった。そこで、自分の区として業界団体の事務所などに要望をしに行ったが、そこで「出版の自由」とか、団体を通じての納品でないためコントロール出来ないとか、色々な理由をつけて結果として難しいという回答を頂戴した。

現在は、すくなくともテープか何か貼ってあって、中味は見れないようだが、でもタイトルは見ることが出来る。それどころか、地下鉄などの吊り広告には、明らかに内容を推測させるような表現の雑誌のタイトルなどが当たり前に出ている。だが、是非認識すべきなのは、こんな国はどこにもないということだ。

職場の女性職員の話ではないが、やはりこのような彼我の差というかこの国のおかしなところは、もう少しきちんと認識すべきではないか?そして、それを自分のことではないからとか、或いは何か面倒なことに巻き込まれるのは嫌だからとか、人ごとにせずに、もう少し自分の住む社会の大事なこととして考え行動することも必要なのではないか、と改めて思った。

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