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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

スポーツの力

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今日は、姪の結婚式に行ってきた。20年近くぶりの結婚式で、随分昔と異なっている。IT技術も駆使されており、ちょっと演出の音楽などが多すぎる感じもしたが、媒酌人はなく、祝辞や挨拶なども殆ど無くて、逆に本人たちがそれなりに出席者に思いを伝えるという形になっており、これはこれで良いな、と感じた。沢山の長いご挨拶につきあわされるよりはよほど心が伝わる。

さて、話は飛ぶが、浅田真央選手の演技が、様々なところで報道されている。そして、海外の選手、中国の報道、ライバルであったキムヨナ先週からも、温かい言葉が届いた。多分、このようなことは多くの選手に起こることで、たまたま彼女が注目を浴びていて、それを日本の報道陣が積極的に報じたということなのだろうが、改めてスポーツという分野で全力で頑張る姿が与える力に感動を覚えた。

スポーツの世界に、政治も国境もない、それがクーベルタン男爵がオリンピックを始めた大きな原動力なのだろうと思う。だからこそ、東京でオリンピックを開催するに当たっても、世界で最高の、というようなキャッチフレーズや、その経済効果を議論する前に、オリンピックの精神に戻って、豪華でなくとも、選手たちのひたむきな姿をどう多くの人々に伝えるか、そして参加する選手の方々が、お互いに同じスポーツ選手としてどのような交流が出来るかに、焦点を当てて欲しい

徐々に鈍化しつつあるわが国経済を再度復活させるために、などということは是非考えないようにしたい。そして、貧しい国から苦しい環境の下で参加する選手たちも、その持てる力を発揮できるような環境を作れれば素晴らしい。浅田真央選手の演技は、政治的に関係がギクシャクしている隣国をも感動させたのだ。

そして、お互いに相手の気持ちを推し量り、理解しようとする心から世界平和は生まれる。官房長官が、中国の抗日戦勝記念に対して、何故今頃になって過去のことを持ちだすのか、と指摘したそうだが、だとすれば靖国参拝はどうなのか?戦没者に敬意を表することは重要だとしても、それが隣国の方々にどのように思われるか、という感性も必要ではないか?そして、そのような相互に思いやる気持ちこそが「おもてなし」の心にも通じるのではないか?独りよがりの「おもてなし」、積極的平和主義は、決して評価されるとは限らない。

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