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 セールスジャパンの経営を始め、様々な事業活動に携わるマイク丹治が、日々仕事を通じて感じていることをつづります。国際舞台での活動も多いので、日本の政治・社会・産業の課題などについて、グローバルな視点から、コメントしていきたいと考えています。

受け身は止めてもっと主体的に!

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いつも文句ばかり言っているようで気が引けるが、今回もちょっと文句を垂れます。

消費税増税が決まり、マスコミが様々な報道をしていますが、「消費税が上がるとどうなるか?」「法人減税で給料は上がるのか?」など、受け身の発想ばかりのような気がします。

消費税増税が景気の腰を折るのではという心配と、一方で財政赤字をこれ以上膨らまないように止めるということが、消費税の課題のポイントですが、いずれにしても増税が決まった以上、「どうなる」ではなく、「どうする」が重要だと考えます。

法人減税があったとしても、それが即座に従業員への配分の増加につながるとは思えない以上、当面は価格の上昇を念頭に支出の安定的な低減と、所得増加策(つまり転職とかアルバイトとか、その他の増収の手段)を考えるしかないと思われます。

増税前の駆け込みの買い物は、もちろん必ず買う必要があるものであれば、少しでも安い方が良いとの発想は分かりますが、あくまで対症療法。却って無駄な出費にならないように気をつける方がよさそうです。

それよりは、今後も日本の産業が高成長に移行するとは考えにくいこと、引き続き高齢化などを原因として財政構造が急に好転するとも考えられないこと、などを念頭におけば、現状確保できている生活水準は、今の仕事や生活拠点などを念頭におけば、これ以上良くなる可能性はあまり高くない、ということを念頭に置いて、人生設計を見直すべきではないかと思うのです。

アメリカの財政の壁の問題が深刻になってきています。ここにおいても、「こんな状態でアメリカは日本を守ってくれるのか?」などという受け身の発想が目立ちます。確かに、米国のこの問題は一時的なものかもしれませんが、米国経済だって、そんなに成長を続けるとは言えないと思われます。

一方で、中国などの台頭も考えれば、どこまで日本の防衛や世界の平和を米国に依存出来るかは、大きな課題です。もちろんだからと言って、即座に何かできるわけではないですが、もう少し長期的な視野に立って、世界平和に貢献しつつ、わが国の国民の命を守るために、何が必要でどうすれば良いか、ということを、主体的に考えるべきではないでしょうか?

いつも指摘している原発問題一つとっても、汚染水対策などという現象面にとらわれ、そもそも何が起きているかという根本的な問題に目が向かないのは、わが国の文化的な大きな欠陥のように感じます。

現象に対する対症療法ではなく、誰かに依存した形ではなく、問題の本質を理解し、その根本的な解決策を主体的に考える、そういう対応が今こそ求められていると思います。このことは消費税増税への個人に対応だけではなく、そもそも産業界のこれからの生き残りについても言えることではないでしょうか?

価格競争だけに注力して生産拠点の海外移転を続けることが、本当に事業、産業、経済にとって好ましいのか?今一度ビジネスモデルの中核を考え直すべき時に来ているように思えてなりません。

 

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