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お客様や部下への接し方を、自分の大切な守るべき人(幼児や高齢者など)に置き換えて考えれば、サービスやリスク回避のためにできることは、まだまだあると思います。コンシェルジュ的発想で「おもてなし」を中心に、気づきを綴ります。

固定観念を取り払う

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昨日コンビニに行った際に、常温のお水とお茶を売っていることに気付きました。

「あぁ、そうだよね、あった方がいいよね」

冷蔵庫も保温器も不要なので、手間もお金もかからないし、
簡単なことなのに、どうして今まで気付かなかったのでしょう。
これまでは、ケース売りの大型店でもない限り、
常温の飲み物の取り扱いはありませんでした

20130822 070.JPGのサムネール画像

普通に陳列しただけであれば、私は気付かずに通り過ぎていたでしょう。
でも、このようなPOPで用途を示すことによって、

・薬を飲みたい人
・バッグを濡らさずに持ち歩きたい人
・体を冷やしたくない人

という明確なターゲットにアプローチすることができます。
また、ターゲットでなくても、これが『要望への対応』であることに、
好感を持ってくれるお客様がいるかも知れません。

夏には「冷たいもの」という固定観念

以前は、電車もスーパーも映画館もどこに行っても、
エアコンが必要以上に効いていて寒いくらいでした。
それで、温かいものが飲みたいと思うことがありましたが、
コンビニも自動販売機も、夏場は冷たい飲み物しか取り扱いがありませんでした

そして、それは仕方がないことなのだという、
『先入観や固定観念によるあきらめ』によって
私は『意見や要望』として声に出すことは考えませんでした。

・夏はみんなが冷たい飲み物を欲しがる
・夏に温かいものを欲しがっているのは、自分だけかも知れない
・企業は、少数の人のために手間やお金は掛けたくないはず
・ひとつの自動販売機の中で冷たいものと温かいものを取り扱うのは、
 技術的に難しいことで、電力消費も増えるのかも知れない

と、このように勝手に推察してあきらめていたのです。

販売側では、

・加温用に作られた商品が少ない
・加温商品は品質管理が必要
・冷温同時稼働の自販機が必要

などの事情もあったかも知れません。

「温かいもの」 「凍っているもの」 そして「常温」

でもやがて、コンビニの店内には保温器が置かれ、
自動販売機には冷温両用の機種ができて、
夏場でも温かい飲み物が買えるようになりました。

その後コンビニでは、冷凍した水やお茶も並ぶようになりましたし、
アイスクリームの自動販売機も登場しました。

これにより「冷凍」「冷たい」「温かい」を選べるようになって、
すべてが揃ったように感じたのですが、
しかし、ここにはまだ隠れた需要が埋もれていました。

それが「なにもしない」=「常温」だったのです。

コンビニや自動販売機で買う時は、今すぐに飲みたい状況があると思われます。
でも子供や高齢者には、冷たすぎるものや熱すぎるものは買ってすぐには与えにくく、
購入者は「ちょうど良い温度になるまで少し待ってから」という防衛策を、
無意識のうちに取っていたはずなのです。

また、夏は温度差によって冷たいものには水滴が付くので、
これがバッグの中を濡らしてしまうことがありました。
冷たいものを持ち歩くには、
保冷保温袋や、専用のジッパー付きのタオルハンカチを使用するなどして、
何かしらの対応をしなくてはなりませんでした。

消費者がこれまで「仕方ないよね」と諦めてきたことは、たくさんあると思います。
「こうだったらいいのに」という要望は、
もしかしたら、自分だけでなく多くの人の要望であるかも知れず、
企業にとっては、新商品開発のヒントになるかも知れません。
すぐに実現できないことの方が多いでしょうけれど、
声に出さないとわからないことばかりです。

今後は、コンビニ店内だけでなく、自動販売機でも、
常温の選択ができるようになるかも知れませんね。

今回、どのくらいの数の要望があって、実現に至ったのかわかりませんが、
仮にお客様からのご要望がなかったとしたら、
常温商品の取り扱いのアイデアが生まれる可能性はなかったのでしょうか。

試しに「アイデア生産工場」で、『飲み物』と入力してみました。

【変更】飲み物の売り場を変えたら・・・ 
【縮小】飲み物のターゲットを狭めたら・・・
【逆転】飲み物の常識を否定したら・・・

「常温」のヒントは、このあたりから拾えたのかも知れません。

 

 

お客様の埋もれている要望も、「見える化」しませんか?

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