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柳家小三治師匠、人間国宝に

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噺家の柳家小三治師匠が人間国宝に認定されることが決まりました。久しぶりのビッグニュースに多くの落語ファンが喜びの声をSNS上にあげています。

私も感慨一入です。落語好きになったきっかけは、小三治師匠の落語と出会ったからと言っても過言ではありません。高校生の頃、古文の宿題で百人一首を暗唱するというものがあり、それを覚えている頃、何気なくテレビで見た落語「千早振る」。(昔は、結構テレビで落語が流れてましたよねえ)これは、子供に業平の和歌の意味を聞かれた親が知ったかぶりの隠居にその訳を聞きに行き、まったく違った作り話を聞かされる有名な落語ですが、ちょうど覚えたてでその歌の意味を知っていた自分には、あまりに可笑しくてしょうがありませんでした。
へえ、落語って面白いと思い、さて聞きに行こうと思った時、テレビで見た噺家さんの名前は覚えていないし、誰がいいかなと迷っていたところ、そう言えば昔テレビドラマの「3年B組貫八先生」に出ていたおじさん、「クイズ ヒントでピント」にも出ていて落語家って言ってたなあということを思い出し、失礼ながら「この人でいいや」と小三治さんの名前を見つけると寄席や落語会に通い始めたのがきっかけでした。当時は、今のようにチケットが即日完売、寄席も満員というほどではなかったので、小三治師匠の高座をかぶりつきでよく拝見しました。鈴本演芸場の余一会での独演会は結構通いましたねえ。

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不純な動機で聞き始めた小三治師匠の落語ですが、これが面白い、面白い。すぐに虜になってしまいました。私のブログのタイトルにもなっている「厩火事」や、「居残り左平次」、「死神」、「味噌蔵」、「三軒長屋」、「芝浜」、「睨み返し」、「猫の災難」、「備前徳利」、「粗忽の釘」、「野ざらし」、「小言念仏」、「大工調べ」などなどほとんどの落語の最初の一回が小三治師匠の落語だったので、今でもとてもその印象が強く、ついつい若手の落語と比べてしまいます。

有名な長いまくらも楽しいですが、やはり人間の滑稽さを時に切なく、時に残酷に、でも憎めないほど愛らしく、柳家らしい人間の日常の普遍性を面白可笑しく描写する落語は絶品です。多くの人が小三治師匠の落語に惹かれていくのは納得です。落語の世界の素晴らしさを教えてくれたのは、小三治師匠でしたねえ。

最近は、これからの落語界を担うであろう若手の落語会に行く方がめっきり多くなりましたが、久しぶりの落語界からの人間国宝の認定に、さらに落語ファンが広がっていくことを願います。でも、これでまた小三治師匠の落語会のチケットは、取りにくくなってしまいますね。

小三治師匠、人間国宝認定おめでとうございます。

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