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技術で勝って、商売で負けていませんか?

逞しくなった個人としてのプレイヤー

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olympic.jpg間もなく終焉を迎えるリオ五輪ですが、筆者もニュースのダイジェスト版とはいえ主要な競技を動画で見てきた開催期間でした。

この中で持った思いが、我々国民も国際舞台でずいぶんと逞しく強くなってきたなあ、という感想です。

銀メダルの倍もある金メダルの多さは、最後のファイナル決勝戦で勝負強さを発揮して多くの選手が勝って優勝をしたことを表しているのと、銅メダルの多さは20年の東京オリンピックに向けた選手層の厚さを実感させてくれます。

昔から日本人は、特にスポーツなどの大舞台では本来持っている実力を発揮することができずに、敗退していくケースが多いと言われたものです。

ところが近年の同大舞台の場ではどうでしょう、見事に期待通りの結果を出してみせる選手が増えてきたようにも感じているのは筆者だけでしょうか?

メダルを獲得した場合の国の協会からの報奨金は、他国に比べて決して多い方ではないと思うのですが、金額の多少よりも名誉やプライドをモチベーションにして、きっちりと結果を出してみせるあたりが成熟した国の国民性を思わせてくれるのです。

さらに見逃せないのが、練習を含めた準備段階時点での抜かりのなさです。
科学トレーニングを効果的に取り入れ、ウエアからシューズまで製造メーカーと二人三脚で開発を進め、コーチ陣ではたとえライバル国だろうが躊躇することなく実績重視で外国人を招聘し、肉体だけではなくメンタル面まで含めて総合的にサポートをしていくという、分厚い補助には頭が下がります。

ただし、これだけ恵まれた現代の練習環境を差し引いても、個人の活躍ぶりには目を見張るものを感じています。

躍進の一番の要因は、ひょっとしたら目標設定の明確さ、高さがあるのかもしれません。
精神面での貢献ですが、モチベーションを高く維持するための将来設計を現代っ子らしく堅実に描いている、ということです。

背格好が昔より大きくなった訳でも、パワーが増した訳でもない小柄な国民ですが、精神面ではずいぶんと大人になったという分析です。
世界の舞台で気後れしないということです。

もちろん、近年の若者に対する海外への渡航(主に仕事で)に対する希望の有無では、良い調査結果が出ていないことは十分承知していますが、案外どっこい、ちゃっかり者の若年層が増えているのでは、というのが筆者の見立てです。


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