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岩盤規制の代表格とは?

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working.jpgのサムネイル画像アベノミクスの3本の矢、つまり「金融政策」「財政政策」「成長戦略」が一旦は功を奏して、異常な円高の是正や株高が進んだところを見ると、一定の成果が上がったと見なすことができます。

ところが、昨秋から新興国、特に中国の経済に勢いが無くなってきたと見なすや否や円安基調は終わりじわじわ円高が進んで、株価も下落を始めました。

これらはすべて中国の変調のせいでしょうか?
一概にはそうとも言えません。近年進んできた外国勢による日本株を取得する勢いが衰えてしまい、取得どころか手離す動きも相まって、株価の下落が始まったのです。

どうして彼らは保有継続や新規取得をしなくなってしまったのでしょうか?
一番の原因は、期待していたほど、第三の矢である「成長戦略」が進まず、特に岩盤規制の撤廃が一向になされないことにいらだちを感じているからです。

それでは岩盤規制には何が含まれているのでしょうか?
代表格は、「雇用規制」だと思います。

中でも最も大きな岩盤である"終身雇用"について、八田氏(アジア成長研究所所長)が参考になる意見を述べていましたのでご紹介したいと思います(日経新聞2015.11.6経済教室より)

「この制度の下では有能でない人も運良く入社しさえすれば、一生居座れる。このため有能な人が中途入社できる席が空かない。結果的に、実社会で優秀なことを示しても、卒業時に大企業に採用されなかった人には中途採用の機会が与えられない。また、会社を出てベンチャー企業を興したい有能な人も、失敗すると年功序列企業に中途入社することが難しい。失敗した時の怖さのために、会社に縛り付けられる。」

「結局、終身雇用制は、他社から有能な人を中途採用することも、自社の社員が転職することも妨げている。」

「企業は優秀な人を常に採用したがっている。有名大学卒でも有能でないことがわかった人を、契約に基づいた条件で解雇できれば、直後に有能な人を雇う。」

「起業を企てる人も、いつでも労働市場に戻れる環境になり、企業から離れやすくなる。さらに中小企業も大企業から人材を獲得しやすくなる。こうして有能な人の労働市場は流動化する。」

「それができていないのは、すでに終身雇用されている人たちの政治力のためだ。」

確かに、一生同じ会社で解雇されることなく安泰で働き続けたい人にとっては、終身雇用制度の撤廃論議は邪魔で仕方ないことだと思う気持ちもよくわかります。

ただし、我が国全体の将来に向けた経済成長、というよりむしろ、他国との熾烈なビジネス戦争を勝ち抜くためには、この制度の存在が非常に重くのしかかっていることも同時によく理解できるはずです。

同氏の指摘は、終身雇用制度があるために、人材の流動性が損なわれてしまい、日本が本来持っている潜在的な能力が十分に発揮されていない、という深刻な問題についてなのです。



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