オルタナティブ・ブログ > 大塚秀樹の“マーケティングマインド”の醸成 >

技術で勝って、商売で負けていませんか?

大前研一氏によるアローラ氏への疑義

»

nikesh_arora.jpgソフトバンクの次期社長に孫正義現社長から指名されたニケシュ・アローラ氏は、前職であるグーグルの営業・マーケティング・提携戦略の最高責任者として知名度や実績を上げてきた人物です。

昨年6月に、ソフトバンク代表取締役副社長およびヤフー取締役会長に就任したことも記憶に新しいところで、さらにはむしろ15年3月末までの半年間で総額165億5600万円の報酬を得ていたことが公になったことにより、垂涎の眼差しを受けて一気に知られるところとなったのでした。

ただ筆者には、ある著名知識人によるアローラ氏への疑いの意見の方も気になりましたので、今回ご紹介します。

大前研一氏の意見のことで、昨年8月28日のメルマガの記事がそうです。
「先日、ニケシュ・アローラ副社長が約600億円で自社株を購入すると発表しましたが、これも怪しい動きです。」

「同氏は『コミットメント示す』とのことですが、私に言わせれば、そもそも600億円の資金はどこから出てきたのか?不思議です。」

「アローラ氏がサインアップボーナスのような形でソフトバンクから650億円の報酬をもらい、そのうち600億円を使ったという説明のようですが、日本の税制では650億円のうち手元に残るのは半分以下です。資金の出処が何とも不透明です。」

「さらに言えば、アローラ氏は『無限の信頼』などと言っていますが、私が知るこういうタイプの人は、取締役をやめたらさっさと持ち株を売ってしまいます。」

「アローラ氏が株を売る動きを見せていないかを監視するほうがよほど重要かも知れません。」

以上のような文面ですが、私にとっては大前氏の辛口の指摘でした。
当然、アローラ氏のことは何も私は詳しく知りませんが、孫氏があれだけ高く評価した人物なので、グーグルでの経歴も手伝ってただ者ではないことだけは確かなようです。

アジア地域等の有望なベンチャー企業を見出して買収するなど、早くも手腕を発揮しているようですが、この先1年くらいはアローラ氏のお手並みを拝見したいと思っています。

特に買収した企業がソフトバンクの企業価値をどう高めてくれるのか、という視点で見ていきたいと考えています。

Comment(0)