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若年層に対してこそ支援を

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part-time-job.jpgどうしても政府が考える生活支援は、高齢者が対象になりがちです。もちろんこうした人たちで支援を求めている人が多く、体力的にも働くことができなくなってきているから尚更です。

選挙時の熱心な支持層である彼らを守ってあげることが政権維持上も重要である点も理解できます。

そうした時にどうしても後回しになってしまうのが若年層であることは、これまでの政策立案実施を見てきてもわかる通りです。

実は国の将来を考えると本当に支援を強化すべきなのが、若年層に対してであることはまだあまり理解されていませんが、年末の日経新聞(経済教室)誌面で小原大阪大学准教授が説得力のある論理を展開していましたのでご紹介したいと思います。

「貧しい世帯の若者ほど労働力状態にいられない確率が高い。豊かではない家計の子供の方が働く意欲を失っており、労働力として市場に参加していない。」

「10年の国勢調査によれば、34歳未満の未婚者のうち、学生や家内労働者を除いた非労働力人口は22万人近く存在する。30〜34歳の男性ではこの年齢層全体の2.6%にのぼり、同じ年齢層の女性の1.8%よりも高い。」

「所得に基づいて一律に政策を実施することは難しい。低所得でも、資産があり十分な消費水準を保つ人もいるからだ。消費水準が低いという事実を確認することで、初めて本当に支援すべき人が判別できる。」

「日本では積極的な雇用政策に使われている費用は国際的にみて極めて少ない。若年層の非労働力化に今から対処しておかなければ、人的資本が蓄積されず、将来の日本の生産性の低下と社会保障費の増加という大きなコストとなって社会に跳ね返ってくる。」

「働きたがらなかった若者が30代後半になって働きたいといっても、その時に就業できる確率は若い時よりも低い。そして、そうした若者がいずれ生活できなくなった場合には社会保障給付が必要になる。」

「高齢層は貧困率が高く、格差が大きい。高齢人口が増えているのだから、高齢貧困層への対策が必要なことは間違いない。しかしながら、日本で貧困率が高まり格差が拡大しているのは若年層である。そしてその状況は彼らの労働の問題と深い関係がある。」

「人口が減少している若者の声は社会には届きにくい。だからこそ、真に困窮している若年層の貧困の実態に目を向け、彼らが若いうちに手を打つことが必要とされている。」

以上のような内容のすべてが重要であり、准教授の指摘は的を得ているものです。
確かに現在は完全雇用に近い状態であり、誰もが贅沢を言わなければすぐにでも職を得ることができる、とも言われていますが、これもいつまで続くかわかりません。筆者は2020年の東京五輪までだと予測しています。

その時になっても仕事をせずに社会からはぐれてしまっている若年層が何万人いるかで、ポスト五輪時代に我が国がどれだけ国力を維持できているのかが決まってくるのかもしれません。

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