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「いいちこ」ソングが「着うた」で1位!

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はじめまして猪口真です。

まだまだ市場に活気が戻ってきたというには程遠い現状ですが、ここは我々現場の底力を結集して、いっしょにがんばっていきましょう。

 

今回は、第一回の記事ということで、すこし肩のあたりが硬いですが、まずは最近の私にとってのビッグニュースをひとつ。

なんと、坂本冬美の「また君に恋してる」が「レコチョク着うたフル週間ランキング」の3月31~4月6日でついに1位を獲得したらしい。さらに、iTunesストア・総合ソングチャートでも4月6日に歌謡曲ジャンルでは初の1位を獲得したということではないか!

もちろん、おなじみ「いいちこ」のCMソング。

「いいちこ」と言えばここ数年焼酎業界でトップの売り上げを誇る「三和酒類」(焼酎事業が全社の50%以上を占める会社に絞る)。ここのところ4年連続前年割れに陥ってはいるものの、今でも567億余の売り上げを誇る。

焼酎業界は、2008年度の業界全体で、2004年の焼酎ブームを超える過去最高の売り上げを叩きだしたものの、2009年度の決算数字は、三笠フーズの影響や消費の低迷もあって厳しい数字が予想されている。そんな中での今回の快挙は、三和酒類のみならず焼酎業界全体への久しぶりのグッドニュースだ。

三和酒類といえば、500億強の大企業にもかかわらず、宣伝部も商品企画部もないユニークな会社。マーケティングに関しては、アートディレクターの河北秀也氏を30年以上も前に起用し、すべてを一任することで一貫したマーケティングを行ってきた。3億しかなかった売り上げがここまで成長した軌跡は、マーケッターの人たちがこういう仕事をしてみたいと願う代表的な仕事だろう。

 

そして今回の坂本冬美の大ヒット。情感たっぷりのこの曲と「いいちこ」の組み合わせは、ストーリー性バツグンで、まさに情感マーケティングと呼ぶにふさわしい。

当事者もまさか、着うたでの1位を狙ったわけではないだろうが、こうしたストーリー共感は、年代やツールを選ぶものではない。

 

きっと今日もどこかでいい歳したおっさんが、カラオケスナックで「いいちこ」のビンをマイク代わりに「またきみぃにぃ~」と熱唱しているのだろう。

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