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書評:ITマネジャーじゃなくてもオススメ!!「現場で実践!若手を育てる47のテクニック」

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こんにちは、今回もお読みいただきありがとうございます。

さて、前回に引き続き、リーダーシップに関する書籍のレビューをしたいと思います。




  • 部下を持つ社会人なら誰にでもオススメしたい本です
    ITマネジャーのための・・・とありますが、ときおりIT関係者ならではの用語が登場する程度で、実際にはほとんどのマネジャー/係長~課長級に当てはまるような内容の書籍になっています。

    本書の何よりの特徴は「非常に具体的な手法が書かれている」ことです。たとえば「メールの書き方を教える」ということや「ノートのとり方を教える」ということなど。「そんなことまで教えないといかんのか!?」と一瞬思ってしまいますが、何年も職場にいて何千通とメールを書き続けていると当たり前のようになってしまっている「作法」を新入社員は知らないわけです。「そんなことまで」というのを具体的に掘り下げてくれている点で、本書は新入社員と管理職との意識ギャップを結果的に指摘してくれているような気がします。

    一つ一つの手法は目新しいわけではありません。誰でも実践できる内容だと思います。だからこそ、「自分自身が部下のためにどれだけ実践できているか?」を省みること、それから前述のような「どこまで丁寧に教えるべきか?」を考えることができる本です。

  • 本書は「やり方」を示す本ですが・・・
    人材を育てられる人間になるために、僕自身は3つのレイヤーで自分を省みるようにしています。
  1. どのようにすべきか・・・「やり方」
    たとえば、ホウレンソウを徹底するためにノートを持たせましょう、とか、メールの文章はこのように書くようにさせましょう・・・とか、本書の内容はおもにこの「やり方」に照準があたっているような気がします。

    一言で人材育成といっても、何をどうすりゃいいの?という状態の新任マネジャーや、自分の育て方が最近の若者にマッチしない気がする・・・というようなベテラン管理職の方にも、教唆にとんだ内容になっていると思います。

    ただ、表面的に「やり方」を再現してもうまくいくわけではないでしょう。「あの上司の言うことは正論だが、どうも従う気持ちになれない・・・」そんな思いになった人は少なくないはずです。だからこそ、「やり方」の前提として「考え方」や「あり方」を磨き上げる必要があるんだと思います。

  2. どんな考え方に立脚すべきか・・・「考え方」
    そもそも、人材育成とはどういう枠組みを持っているのか。それを整理する概念も持っておきたいと思っています。部下と一緒にPDCAサイクルをまわそうとか、目標設定は「本人の希望」「組織としての要求水準」をどうやってすり合わせようか、とか・・・実際に部下と接する前に、考えるべきことはたくさんあるだろうと思います。

    本書の場合は「考え方」自体の説明にはあまりページを割いていません。しかし章立てやChapter1の「若手育成の意義」などを見る限りでは、非常にしっかりとした考え方の上に載った「やり方」を教えてくれているという印象を持っています。

  3. どのように「在る」べきか・・・「在り方」
    「考え方」よりも根本的な次元が、この「在り方」です。
    私たちは何のために人材育成をするのか・・・。人によっては「それが自分自身の人事考課に影響するから、仕方なくやる」という人もいるでしょう。あるいは「人を育てるのは大事だが、自分が嫌われ者にはなりたくない」という思いの方も多いはずです。

    でも理想的な人材育成の姿は、部下自身の成長を心の底から願っている状態で行うことだという気がします。しかし、その境地にたどり着くのは必ずしも簡単ではないだろうと思います(ちなみに前回の記事では部下に対して「鬼」となるべきことを提唱する本を紹介しましたが、あれも「良い人間だと思われ続けたい」という安易な在り方に警鐘を鳴らす本だったわけです)。

    そういう根本的な状態について、自問自答をしながら少しずつでも陶冶していきたいと思います。

    こういった部分を磨くには、本書を読んで実践して、考えて考えて・・・というプロセスと同時に、それこそ松下幸之助さん、稲盛和夫さん、あるいはドラッカーの「人を動かす」といったような名著にあたることが必要だったりするんだろうと思います。


●余談をかねて

私が以前受けた上司からのフィードバックです(守秘義務があるので一部加工しています)
「先週まーやんに説教した後から、ずーっと考えて、もしかしたら・・・と思ったんだけど、まーやんはクライアントのことを、寝ても覚めても考えたりしてないんじゃないのかな?もちろん業務時間の外側でどう過ごすかは自由だし、まーやんが多方面で色々な取り組みをしているのは知っているから、それを犠牲にしろとは言わないけど、空いている時間があるんだったら少しでも、クライアントが何に悩んでいたかとか、プロジェクトをもう少し上手に進めるための工夫とか、考えてみるようにしたほうがいいんじゃないかと思う。日曜日の夕方くらいに向こう一週間のことを考えるとか、そういう時間を少し持つと、クライアントを愛せるようになるんじゃないかな」

・・・このフィードバックで僕が何より感動したのは「ずーっと考えて」という部分でした。

実はこのフィードバックをもらう前、この上司からはクライアントとの会議の進め方について、「ああいうときは●●さんを先に発言させないと・・・」「資料の事前チェックは余裕を持ってやらないとダメだよ」「てにをはの誤植を軽視するな」など、たくさんの小言をもらって疲弊していたのです(恥ずかしながら)。

しかし、1週間後に時間をとって面談したときに「あの後、ずーっと考えてたんだけど・・・」と言われたとき、ああそうか、この人はそんなにも本気で僕の成長のために時間と労力をつぎ込んでくれているのか・・・と思ったのです。そして、そう思ったからこそ、言われたことを少しでも実践してみよう。僕はそういう気持ちになったんだと思います。

本書を実践しながら、上記3つのレイヤーを自問自答していくことで、僕もまた部下に慕われるだけの人間に、一歩ずつ近づいていこうと思います。
Comment(2)

コメント

田中淳子と申します。本の紹介をしていただき、ありがとうございました。気になる箇所を気になるときに読んでいただければ、と思い、項目ごとにできるだけ独立して作成しました。些細な話ではあっても、実話に基づいているので、現場の匂いが少しでも感じとっていただけていればうれしい限りです。

田中淳子さん、コメントをお寄せいただきありがとうございます。

確かに一つ一つの章立て、項目立ては「つまみ食い」的に必要なところだけ読むのにはとても良いですね。人材の育成というのは一度読めば身につくものというわけではなく、何度も反復していく過程で身についていくものなのだろうと思いますし、そういう点では何度も読み返すことを想定して、気になる箇所にアクセスしやすいつくりになっているのはとても良いと思います。

私もプロマネの立場として色々と勉強になりました。良書をありがとうございます。

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