オルタナティブ・ブログ > ラッキーFPの“ついてる”はなし >

時事ネタ、マーケットや経済の話を、ファイナンシャルプランナーの視点で難しい話もなるべく専門用語を使わずにできるだけわかりやすく解説します。ときどき、思いついたこともそのまま書くこともあります。よろしくお付き合いください。

ヨーロッパ問題は茶番でしたね

»
 今週、ヨーロッパでは昨年12月に続いての大規模な量的緩和を行います。3年物の国債を担保に、資金供給するもので、前回の借入れで、新たに域内の国債を買ったものも新たな担保になります。担保は国債以外でもいいとなっています。貸付債権でもいいですし、それこそ「BBB」格でも構わないというのですから大盤振る舞いです。前回以上に借りたいという金融機関が増えているようです。

 ヨーロッパ問題はこれで大方終息に向かうでしょう。そもそも、この量的緩和は、アメリカがリーマンショック後の立て直しに用いていた手法で、ヨーロッパも早くから資金供給していればこんなに事態が長引かなかったのですが、故意と思えるほど、だらだらと引き延ばしていたような感じです。その間、アメリカ国債は大量に買われました。アメリカは、サブプライムローン問題などの世界経済低迷の根幹であったにもかかわらず、ヨーロッパ不安から、アメリカ国債入札はことごとく成功を収めました。

 当のヨーロッパでは、ユーロ安のおかげで、ドイツの貿易は拡大し、空前の好景気をもたらしました。量的緩和でインフレというあおりを食った新興国も、なんとか利下げで落ち着きかけてはいますが、日米欧の世界三大経済圏の量的緩和で、 年末には利上げするかもという噂も出るようになってきました。

 ようは茶番劇だったのでしょう。リーマン後と言われる、あれだけの世界的経済低迷から立ち直るには、いったん壊して這い上がるという荒業が必要だったのでしょうか。通貨不安と言われましたが、結局は債券バブルを誘発して、国家財政を建てなおしたのかもしれません。 恐ろしいですね。世界を巻き込んだ、トップによる茶番劇のあおりを、きっとここなら大丈夫ということで、スイスや日本に、通貨高の役をさせたのかもしれません。

 もういいでしょうと言わんばかりに、黄門様の印籠(量的緩和)でをだして、すべてが終わるということですね。結局は、ヨーロッパは全然危機ではなく、単なる危ないという演出だったのかもしれません。本当の危機は、世界経済大国日本にあるのだと指摘する専門家もいます。円売りはその助長なのかもしれません。円売りは、次なる新たなステージなのかもしれません。

 ただ、このままヨーロッパが素直に復活というわけにはいきません、次に待っているのは東欧危機です。かつて、アメリカが中南米問題で困窮したように、ユーロに加盟していない東欧が新たな火種となり、こちらは、さすがに茶番とはいかないようです。日本の失われた10年のように、長期低迷を余儀なくされることになるのかもしれません。新たなる主役、日本と東欧...経済はまさに複雑ですよね。

  3月10日、東京でセミナーを行います。少人数の勉強会のようなものです為替の転換確定のようです。まさに相場の潮目は変わりました。今までのヨーロッパ問題を簡単に検証し、世界経済の本質を見て、そしてこれからの円安トレンドをどう捕まえるかを考えます。
 テーマは、今年のマーケット転換のチャンスをつかもうというのと、日本債券売りに今からどう対処するのかとうライフプランの話も付け加えます。
 セミナーのコンセプトは「知識は将来を守り、知恵は未来を切り開く」です。知っている知らないではこれから大きく変わってきますよ。詳しくはこちら
Comment(0)