ネコの時間:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) ネコの時間

ネットベンチャー経営の合間に、感じたこと、考えたことをダラダラ書きます

« 2006年2月17日

2006年2月21日の投稿

2006年2月23日 »

ユーザーの情報ニーズについて、前回書きましたが、その関連です。他社のサービスで、検索履歴や購買履歴を分析し、傾向値をとり、それを加味して、検索結果表示や類似サービスのレコメンデイションを行うものがあります。

便利なサービスだと思います。しかし、危険な一面もあるのではないかと懸念します。

アンコンシャスな情報ニーズが膨大にあり、それと比すと小さなコンシャスな情報ニーズがあるというのが、人間の脳の中身だろうと思います。そのコンシャスな情報ニーズのうち、非常に限定的であると思われる過去の検索結果をとり、有意と思われる傾向値を把握し、検索結果に反映するので、ユーザー個人の非常に限定的な特徴を先鋭化させる結果になるような気がするのです。

例えば、アダルトサイト検索にご造詣の深い方は、帽子というキーワードを入力すると、帽子をかぶったシドケナイ女性の情報が、靴下と入れると靴下をはいたシドケナイ女性の情報、F1と入れるとシドケナイレースクイーンの情報が表示される…ことになりかねない?と思うわけです。(シドケナイという単語を初めて文章で使ったのですが、語感が凄いっすね。ちなみに、「し」を「あ」に変えると、「あどけない」になって、全然違う意味になるのは、日本語の難しさですねえ…と全然違うところで感心しました)

以前、僕は、経営学の専門書とスラムダンクの最終刊を書籍ECサイトで注文したところ、次回に推薦された本は「スラムダンクの経営学」でした。(勿論、興味ゼロ)

勿論、上述例は、かなり極端なので、通常は役に立つのかもしれません。

申し上げたいのは、人間の知的活動は、未知の領域の知識を、蓄積した様々な情報と複雑な結びつけを行い、発展していく(海馬の活動ですね)ものだということです。前述のようなサービスへの依存をすると、この海馬の働きを鈍化させていくということになりはしないか…と思うのです。

新聞の凄いところは、見開きで、色々な事象(能動的には、取得しようとしない情報カテゴリーであっても)に目が留まり、全く新しい思索・思考を生み出すところではないかと思います。統計的手法で、認識された傾向値を反映させることは、それ以外のその個人の興味特性を無視する上で成立するので、こういったサービスを慢性的に利用すると、非常に知的広がりのない人間を創り出しそうな気がするのです。

杞憂であれば、いいのですが、自分の子供たちを見ていて、ある領域に関しては詳しいが、その他に関しては、幼児並みの知識であることを感じるところもあり、非常に懸念するわけです。歪んだ知識体系を有することは、「自分らしさ」とか「個性」ではなく、単に常識の欠如と思うものですから…

lonesome

« 2006年2月17日

2006年2月21日の投稿

2006年2月23日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

金田直之

金田直之

株式会社ニューズウォッチ社長。ニューズウォッチは、独自の自然言語処理技術をもとに、法人向けニュース、サイト内検索ASPのトップランナーであり、最近では、運営サイトであるフレッシュアイでnewswatch@fresheyeというユニークなニュースサービスも行っている

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のコメント
カレンダー
2011年3月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
lonesome
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ