うつ病などの精神疾患に関して、世間ではまだまだ誤解が多く、また知られていないことが沢山あるように思います。そのことがうつの方を増やしている1つの原因になっているとも言えます。誰でも精神を患う可能性はあり、それは自殺にも至る恐い病気です。1人でも多くの方に理解して頂けるよう、医療・福祉・企業側のバランスよい視点を心がけて執筆していきます。

「うつ病からの社会復帰インタビュー:Tさんの事例」

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こんにちは、リヴァの伊藤です。
うつ病の方の社会復帰支援の開始して、おかげさまで1年以上が経過しました。
卒業生は40名以上にもなり、順調な人、そうでない人様々な事例があります。
今回は今月末で、オムソーリ(弊社のトレーニング施設)を卒業する方のインタビューをご紹介したいと思います。


Q.
オムソーリを利用する前はどのような状況でしたか?

A.
うつ病を発症してからは3年ほど経ってましたが、多少波はあったにせよ、ずっと低空飛行の状態でした。
発症のきっかけは職場における仕事の進め方の違いによる人間関係の軋轢ですが、根本的な要因は、自己肯定感がいつも低かったこと、認知(考え方)の偏り、閉鎖的でノンアサーティブ(非主張的)な対人関係が大きかったと思います。

自己肯定感が低いのは、親子関係が主な原因だったと思っています。自己嫌悪に陥ることが多かったですね。

認知の偏りとしては、べき思考(こうすべきだ、等)、白黒思考、過小評価、根拠ない推論が強かったように思います。

対人関係も、相手8・自分2で相手に合わせること、相手からどう思われるかが優先でした。自己主張することは、わがままだと思ってました。


Q.
オムソーリを利用して何がどう変わりましたか?

A.
一番は、自己肯定感をもてたこと。その理由を考えると下記の5つにまとめられると思います。


1)病気を持ちながら、自己肯定してがんばっている他のメンバーの存在
2)物事には必ず二面性があるという考え方
3)自分には高いハードルを課していた、理想像が高すぎて、出来ない自分を否定する癖をやめた
4)うつ病である
自分を当たり前のように受け入れてくれる環境
5)プログラムを通して見えた自分の個性や強み

利用する前までは、うつになってしまった自分もこれまでの自分の人生もうけれることが出来なかったのですが、上記のようなことやカウンセリング等を通じて、自分を少しずつ受け入れていくことが出来たように思います。

今は、うつになりながらも良く頑張ってきたなと、
昔から生きづらさを抱えながらとても不器用だったけれど、がんばって生きてきたなと思えます。


他にも変わったことはたくさんあります。
認知の偏りも、認知行動療法を通じて自分の認知の偏りと自動思考のパターンが見えました。否定的な考えが浮かんだ時に、本当にそうか?と反証的に振り返る癖がつくようになりました。

対人関係についても、自分の感情を大切にしてよりこと、人にはその権利があること等、アサーションの考えを学んだことで以前よりも自分の感情を素直に表現出来るようになってきていると思います。自分に自信がなく、相手に拒絶されたり嫌われたりすることが恐くて自己開示も出来てこなかったけど、大切な人たちにはオープンにしていく勇気を持ちたいと思っています。


Q.
今後の課題は何かありますか?

A.
一人で何とかしよう、相手の一面だけ見て決めつけてしまう、という傾向がまだあります。辛い状況で一人で抱え込むのは、相手に迷惑をかけたくないというだけではなく、とことん納得するまで考えて答えを出したい気持ちが強く、そこに他の方の意見を入れたくないって思いが強いのだと思います。
また一面だけみて、相手を判断してしまうのもこれまでも課題でした。心を開けば相手との状況も変わる可能性があると思いますので、決めつけるのではなく、いろいろな角度から物事を検証することを心がけていきたいと思います。

 

Q.
うつ病に対して思うこと

A.
うつ病になったということは、心がSOSを出したわけですから、これまでの生き方ではダメだとさらに強く思いました。カウンセリングやこういった施設を通じて自分と向き合い、歪んだ認知という現実を突きつけられることはかなり苦痛でした。途中で何度も投げ出したくなりました。しかし、オムソーリのプログラムや他のメンバーの存在、カウンセリング等を継続することで見方や考え方が徐々に変えていくことが出来、どんどん楽になっていきました。1年半前にカウンセリングを始めた時、どうなりたいか?とカウンセラーから聞かれて、ポンと出てきた言葉が「自由になりたい」という言葉でした。とても窮屈に生きていたのだと思います。いまは、私は私のままでいいのだと、誰かにとか世間にとか合わせて生きていかなくてもいいのだと思うようになり、自由になれたと思います。


自分らしく生きていくために一番大切な気持ちを、うつ病で苦しんだことで手に入れることが出来ました

まだ少し抵抗がありつつも、今はうつ病になったことに感謝しております。
これからも自分という素材と付き合いながら自分の気持ちに素直に、日常を大切にして生きていきたいと思います。


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一人で悩み頑張るのではなく、皆で力を合わせて復帰を目指す。
Tさんも、復帰カリキュラム以上に同じ施設に通った仲間とのコミュニティの力が最も大きな力となった、と仰ってました。


弊社の施設と同じように、うつ病の方を対象にした復帰施設(リワーク施設)というのは
1)メンタルクリニック系でのデイケア
2)上野にある障害者職業センター等の行政系
3)MDAジャパンなどのNPO

など、まだまだ数は少ないですがいくつかあります。
うつ病で休職中や就職活動中の方は、まずは主治医にご相談してみるとよいと思います。


最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。

インタービューの公開を快く承諾頂いたTさんにも心より感謝申し上げます!

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