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(056)世界の経営者が美意識を鍛える理由

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グローバル企業が「美意識」の養成を重視、動き出していること、
日本経済新聞が人工知能(AI)の普及で「人間にしかない美意思を磨く」ことの重要性、「右脳をいかすデザイン経営」を進める国内企業の事例を10月の中旬頃からフォローし始めたこの機会に、
若い経営トップ(とりわけ戦略系コンサルティング業界、新興ベンチャー業界)の皆さんのヒントになればと思い投稿させてもらうことにしました。

12月5日指揮者の小澤征爾さんがドイツ・グラモフォン・創立120周年スペシャルガラコンサートで復活されるというニュースを知り忘年合を抜け出し
サントリーホールに駆けつけた。

2017年9月8日内田光子さん+サイトウ・キネン・オーケストラによるベートーヴェンピアノ協奏曲を共演して以来、体調を崩し病と闘っていたのでした。
中国生まれ,日本育ちの小澤征爾さんは「東洋人が西洋音楽を理解できるか?」が生涯の追求テーマであり、2000年以来アジアの若い演奏家を育てる「小澤征爾音楽塾」の活動もその一環

聴衆は病と闘いながら挑戦し続ける83歳小澤さんの姿に改めて感銘しご臨席されていた天皇、皇后両陛下と共に復活を祝ったのでした。

ホールを見渡すといつもの通り高齢者が多く、30~50代のビジネスマンの姿は少ない。
組織の中核であるこの年代は多忙で音楽会や美術館に出かける時間がない、またチケットも高い、筆者もその年代同じであった。

演奏を聴きながら、ふと気がつくと山口周さんの著書
世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?に想いが行ってたのです。

山口さんの問題意識と提言;
グローバル企業が「美意識」の養成を重要視し始めている
「偏差値は高いが美意識は低い」という今日の日本のエリート組織への提言です。

組織における意思決定過程で起こる現象ついて;
意思決定のタイプ;(貴方の組織を想像してみてください)
・サイエンス 様々な情報を分析した結果このような意思決定をした
・クラフト  過去の失敗経験をふまえた結果このような意思決定をした
・アート   なんとなくフワッとこれがいいかなと思って意思決定した

説明責任が重視される社会
なぜそのようにしたか?ということを後でキチンと説明できることを重視する風潮が強まっている社会に於いて、ともすると企業運営の軸足は「論理」に偏りがちになる
「分析」「論理」「理性」を軸足をおいた経営(サイエンス)が優位になるというのです。
アートとサイエンスを横に並べればアートはサイエンスとクラフトに劣後することになる。

一方、サイエンスとクラフトを軸足においてに説明責任を過剰に重視すれば天才・異才を組織に抱える余裕は失われ組織は論理的かつ理性的な説明ができることに注力することになる
結局の所、サイエンスとクラフトに意思決定の重心が寄ってしまう。

巨大な「自己実現欲求の市場」に向かっている今日、それでいいのか?という問題提起
全地球的な経済発展の結果、世界に巨大な「自己実現欲求の市場」が登場
自己実現欲求市場とは、
「アップル製品を使っている私」⇒アップル社がデザイン経営を取り込んで自己実現欲求を引き出した分かり易い一例
デザイン経営とは、製品の形や色を意味するのではなく製品を市場に送り込む際、社会にどんなインパクトを創り出していくかを戦略的に考えて動くと言う意味。

問題提起:
乾いた計算を基になされる経営から「人をワクワクさせるようなVision」や「人の創造性を大きく開花」させるようなイノベーションは生まれない!!
サイエンス
中心の発想では市場変化に対処できない
企業や社会が持つ基礎体力としての「美意識」が重要な競争資源として浮かび上がっているのである。
サイエンス中心の付加価値を立脚点とする競争にアートを取り込み
機能的な利便性や価格競争力よりも情緒面の競争へシフトすべきと指摘。
具体的には;
客観的な市場という外部のモノサシ(生産性、効率性を追求)から「美意識」という主観的な内部のモノサシへの判断基準の転換だと。
転換すべき内部のモノサシとは;
・真=直感
・善=倫理・道徳
 (速いテンポで変化するなかで、法律やシステムが追い付かないとき
  倫理や道徳の観点での経営判断が求められる)
・美=審美・感性

意思決定を行うリーダーの個人的な美意識や感性が発動されず、
後で責められた際に言い訳ができるかどうか?
という観点に沿って意思決定がなされるのであれば、これはリーダーシップの放棄でしかない!! と指摘

ではどうしたら美意識=「真・善・美」が鍛えられるか?
山口さんは、見て感じて、言葉にする訓練が大事だと指摘している
詳細は著書の212ページを読んで欲しい
筆者の場合はクラシック音楽を聴くことで直観力と予測する力を鍛えることができることを知った。作曲家が抱いた感情を想像しながら次に続く流れ、音、テンポを想像する訓練は楽しく有効だと思っています。
2015年2月5日投稿(011)「先を読む力」を音楽で訓練するのも楽しい!を参考にしていただければ

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経済同友会の小林代表幹事は;
日本企業のデジタル化は世界の3周遅れ,
人工知能(AI)の助けを借りてイノベーションを生む、、という思考が重要で人材育成が急務だ!!と指摘
筆者はAIでは担えない人間中心のアプローチ「人間の直観力の育成」を忘れてはいけないポイントだと思う。
前後左右の情勢から行く末を読み取る直観力は観察力から生まれるもので全体を直感的に捉える感性です。
それには芸術に親しみ身に付けていくことも一方法ではないかとで思うのです。
働き方改革が進む今日、若い世代も音楽や美術を鑑賞する時間が持てる時代になろうとしています。
東京の森美術館は22時まで開いていて平日の夜遅く仕事帰りに立ち寄り美術鑑賞で創造性を磨こうとするビジネスマンが
増えているそうです。
世の中変化が始まっています!!

参照日経新聞記事;
2018年10月12日朝刊Opinion
2018年10月30日夕刊Bizワザ

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