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Top営業も成績上がらない営業も実は“紙一重” どうやったら埋まるかを綴ります。

(030)世界市場不安の連鎖が貴方の営業案件にどういう影響が出てくるか?注視しましょう。

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003話で部下の営業案件に危機が起こった時貴方ならどうしますか?
を書きました。
例題として、サウジの減産放棄が引き金でWTI原油価格が急落し世界規模で逆オイルショックが起こっている⇒世界でLNG(液化天然ガス)開発関連ビジネスに食い込んでいる日本企業への打撃が懸念される中でこんな時の営業の対応について触れました。
今朝8月23日日経新聞朝刊一面に「世界市場不安の連鎖」という記事が報じられました。
中国経済の変調+資源安+米国金融緩和の打ち止め(金利上げを目前)で新興国に投下されていた莫大な資金の安全資産への巻き戻しが始まっている!!という記事です。アジアを中心とする新興国は世界からの資金で近代化が進んで来た訳です。
金融市場のマクロ分析に優れた増田経済研究所の松川編集長によると、
発端は中国の人民元切り下げと、新興経済国家の通貨安競争(あるいは、通貨暴落懸念)の懸念、そして各国に投資しているマネーが、為替差損が膨大に膨れ上がることを恐れ、あいついで逃げ出しているということが問題を増幅して
先進国の株売りは、この損失補填のための原資に準備されている売りである。
新興経済国家が相次ぐ通貨暴落懸念に直面し、狼狽したグローバルプレイヤーたちが、マネーを危険地域から脱出させる動きを加速させる結果、新興国の外貨不足が始まることのリスクに対する懸念との見方です。

経済というのは人間の心理のウネリだ、、ということがよく言われます。
日本をはじめ世界の株価の滑落は人間の心理を冷やし皆が一斉に身構えることになります。
いまは世界中の市場心理が弱気に傾いたのです。それが消費の手控えにつながります。
今回のことが一時的な懸念で終わるのか?長期に亘る潮流の変化になるのか?
世界規模での注視が始まった、、、ということでしょう。

030話は上場来最高益企業が続出している日本企業を取り巻くグローバル経済環境に大きな懸念が起こって来ました。中産階級人口が増大して品質の良いMade in Japan製品の大きな需要があるアジアに投下されていた莫大の資金が逃げ出したら現地需要に頼っている日本企業の受ける影響は甚大です。
こんな時、貴方の提案商談がどういう影響を受ける可能性があるか?その対応方法についた書きます。

・中小企業経営者はこういう時には敏感にリスクを感じて身構えます。
・大企業経営者は全ての戦略に対してどういう影響が出て来るのか?分析を指示します。
指示を受けた部署は事態が一時的なことなのか?長引くことなのか?
情勢を見極めようとします。
その判断が見えてくるまで大きな投資に対し慎重になります。
その空気はすぐさま社内に広がります。
結果案件検討窓口は、具体的に言われていないにも関わらず暫く様子みよう、、という風に考える傾向があります。

日本企業はROEの改善計画を明確に示すようになり且つ株主還元を重視するようになり外国人投資家が期待を持って日本株を買ってくれる時代です。
企業は業績の下方修正を余儀なくされる事態を避けたいと保守的に考えますから売上・利益に直結しない投資を抑えようとします。

さて、多くの企業の第3四半期にあたる9月に成約を目指している案件が多いものと思います。
今回の経済変調の懸念で少なからず9月成約シナリオに影響が出てくることを念頭におく必要があると思うのです。
筆者のような辛酸を舐めてきた人間は慎重に影響度を調べ何が起こりうるか?予測したくなります。9月の成約が延びる(スリップ)ケースを予測の中に入れ代替え案件も視野に入れます。
営業としてやることは、
1:もう一度中期経営計画など中期計画を読み直して投資案件との因果関係を見直す。
2:お客様社内を歩き情報収集する。
こういう場合案件担当窓口にしかコンタクトポイントがない場合が一番厄介です。
経営企画、財務部門などお客様組織を幅広く歩いて情報収集をして欲しいと思います。大きな商談ほど自然と複数コンタクトポイントになるものです。
3:中小企業の場合は社長に会って情勢を探って欲しいです。
例えばその中小企業がミャンマーの需要に影響受けるとしたら、貴方はミャンマーの情報を収集して社長と会話することです。
インターネットのJETROを目指すDigima(出島)に聞けば現地情報に精通した人を紹介してくれます。
https://www.digima-japan.com/digima.html
外部からの情報を欲しているのは中小企業だけではありません。
これは意外なことですが、日本を代表する大企業の社長であっても外部の人間の話を聞こうとされることを機械メーカーの営業をやっている時知りました。
偉くなればなるほど社内からは良い話しか来ないのです。だから社外の業者からでも本当の話を聞こうとされるのだと思います。
情報収集に力を注いで念には念を入れて商談を確実なものにしたいものです。
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営業とりわけ営業マネジャーは数字に穴を開けっ放し、、では済みません。
何が起こっても代替え案件で大きな未達を避ける努力と工夫が必要なのです。
代替え案件は急に用意できるものではありません。常にリスクを想定して並行的に用意していなければ間に合いません。
このことは長年営業の仕事をやってきて身にしみて思い知ったことです。

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