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弁護士の福井健索先生が書かれた『著作権とは何か』(集英社新書)、著作権制度の入門書としてお勧めです。著者ご本人があとがきでも書かれているように網羅性という点では不十分なところがありますが、アイデアと表現の境目や模倣とオリジナルの境目の曖昧さ、私的複製、パロディ、引用等々、今日の著作権制度において論点になりやすいところが、日米の事例を交えて説明されており、大変わかりやすい本です。
著作権制度について勉強したい方は、この本と中山信弘先生の『マルチメディアと著作権』(岩波新書)あたりを読まれてから、本格的な教科書(たとえば、『著作権概説』(田村善之)、『著作権法概説』(半田正夫)、『著作権法詳説』(三山裕三)等々)に進まれるとよいのではないかと思います。
で、『著作権とは何か』の話にもどりますが、大変興味深い著者の意見として「著作権というシステムそのものが全世界規模の壮大な実験と思うのです」という部分があります。すなわち、今日の著作権制度が本当にベストなものとは限らない。この制度を続けることによって文化の発展がかえって阻害されていることがわかったのであれば、著作権制度を根本から見直すべきだとおっしゃっているわけです。全くの賛成です。
もちろん、「悪法も法」ですから、制度に問題があるからと言って今ある法律を守らなくてよいというのではありません。しかし、これは「今の制度は悪法だ」と発言してはいけないということではないですし、悪法だとわかったら迅速に(場合によっては根本的に)変革してくべきものが著作権制度だと思うわけです。
将来的に「人を殺してはいけない」というルールが根本的に変わるということは現実的にはないでしょう。生存権は人間の根本的権利であるからです。しかし、著作権制度は人工的な制度、いわば、スポーツのルールみたいなものですから、問題があることがわかればどしどし変えていくべきものであると思います。
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