栗原潔のテクノロジー時評Ver2:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 栗原潔のテクノロジー時評Ver2

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「政府の知的財産戦略本部(本部長・安倍首相)は、音楽や映像を違法コピーした「海賊版」をインターネット上からダウンロードすることを全面的に禁止する著作権法改正に着手する。」との朝日新聞の記事。まだ具体的には何も決まってないようですが、ずいぶんとラジカルな改正案です。

現行の著作権法では違法コピー・コンテンツを配布したり、公開サーバ(含むP2P)にアップロードしたりすると著作権侵害となりますが、所持していたり、ダウンロードするだけでは侵害とはなりません。これでも侵害になってしまうと、たとえば、相手にわざと違法コンテンツを送りつけて罪に陥れるというようなことが可能になってしまうためと聞いたことがあります。

上記のように、著作権規制を厳しくする理由は、「コンテンツ産業を成長分野に育る」ためであるとされています。もちろん、著作権者の保護は大事ですが、結局のところ大事なのは著作物の保護と利用のバランスです。著作権法第1条にも著作権法の目的として、

この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。

と規定されており、著作物の公正な利用が重要であること、および、法律の最終目標は著作権者の権利保護ではなく文化の発展にこそあることが示されています。

大昔に自前のブログで引用したasahi.comの記事(元はASAHIパソコンの記事)「ユーザー置き去りの著作権攻防戦、記事の中身自体は古くなってしまいましたが、その時引用した以下の部分の正当性は変わってないと思います。

日本は、世界で最も厳しい規制を最も早く取り入れ、摘発も最も厳しい国の1つと言える。そのような日本だからこそ、先進的なサービスも世界で最も早く始まる――というのなら理解しやすい。だが現実は逆だ。

ということで、違法コンテンツの取り締まりを厳しくする→正当コンテンツの売り上げが増える→コンテンツ産業が成長するという近視眼的発想での著作権法改正だけは勘弁してもらいたいと思います。

栗原 潔
コメント
mohno 2006/11/26 23:08

表題は同感ですが、まず、
> 違法コンテンツが増える→取締りが厳しくなる
という構図があるんじゃないでしょうか。“バランス”という点では、「侵害」vs「規制」という見方もあります。
喫煙者のマナーが悪くなければ(より正確には、マナーの悪い喫煙者がいなければ)、路上喫煙禁止なんて恥ずかしいルールが不要だというのと、根は同じだと思います。

通りすがり 2006/11/27 02:36

朝日新聞の記事によれば、

> 政府は「世界トップクラスのコンテンツ大国を実現する」
> との方針を掲げ、アニメや映画、ゲーム、音楽、出版など
> のコンテンツ産業の市場規模を、2010年までに15兆円にしたい

という事ですが、著作権を改正すればそうなるものなんでしょうか?
音楽一つにしても「金を出しても、欲しい!&手元に置きたい!」と思える音楽は殆どありません。

流行りの曲にしても、ただ流行ってるだけ。
あちこちで聞こえてくるから、耳ざわりがいいから、まぁいいんでない、そんな「受身で十分」な音楽が多いからCD売れないんじゃないでしょうか。

一曲だけなら買いたいと思う場合はありますが、そのアーティストを丸ごと感じたいと思う事はほとんどないですね。個人的に。

だからアルバムCDが売れず、シングルCDや携帯でのダウンロードが主流になっているんじゃないでしょうか。

シングルCDにしても、その値段が妥当かどうかと聞かれると個人的には「否」と思っていますので、
値段とマーケットのミスマッチも原因の一つかと思います。

20代あたりの世代は、携帯電話会社の支払いが激しいかと思いますので、そのへんも関係あるのかな、とも思ったり。

こちらから能動的に(?)欲しいと思える音楽なりゲームなり、それが本当に少ない。

ゲームにしても、「こんなのに金払ったの?!もったいない…」と、自己嫌悪になってしまうような内容のものも多いですしね。

違法ダウンロードやらコピーやらが減ったら、その分購買意欲が盛り上がるとは思えないです。
それより、もっと国民の生活に直結した、有効な景気対策をしたほうが、購買意欲もあがるのではないでしょうか。

音楽だって、ゲームだって、生活必需品ではないですから、生活や気持ちに余裕がないと、そりゃぁ買いませんよね。

生活や時間や懐に余裕があれば「買ってみるか」という気も起こるんじゃないでしょうか。
音楽とゲームに偏ってしまった感がありますが、通りすがりのたわいのない意見でした。

mohno 2006/11/27 03:32

> 「金を出しても、欲しい!&手元に置きたい!」と思える音楽は殆どありません。
不正に入手せずに済んでいるのであれば問題ないでしょう。また、そうであれば不正入手の方法が規制されたからって関係ないですよね?
「聴くけど」「見るけど」「遊ぶけど」それほどお金を払いたくないということだったら論外でしょう。

通りすがり 2006/11/27 11:02

> 不正に入手せずに済んでいるのであれば問題ないでしょう。
> また、そうであれば不正入手の方法が規制されたからって関係ないですよね?

mohnoさんのご意見に対してのコメントではないので、mohnoさんからコメント頂いた事自体ちょっと驚きですが…^^;;

それはさておき、私、不正入手云々というお話しはしてないと思うのですが???
「市場規模を、2010年までに15兆円にしたい」という事が目的であるならば、今回の著作権法
改正はあまり意味がないのでは?という事です。
逆に言うならば、今の市場規模というか消費者の購買力が弱い、と思うならばもっと別な観点も必要じゃないでしょうか、というだけの事です。
これで、なぜ不正入手云々という観点でコメントを頂いたのかちょっと理解に苦しみます。
また、mohnoさんのお書きになった文章は、読みようによっては私が不正入手をしていると決め付けた上での内容にも読めますね。あまり気分が良いものではありません :-<

beatnik 2006/11/27 18:36

iPod/iTunesがNo.1になった理由を未だに理解出来ていないんですね。
YouTubeとメディアの繋がり方を見ても、日本は10年遅れてますね。

allen 2006/11/27 18:47

海賊版を取り締まるのは至極まっとうな行為です。iPod/iTunesがメジャーになったのは、海賊版がダウンロードできるからなのですか?。なぜそこまでして違法ダウンロードを擁護するのでしょう?。なにかやましいことでもあるんでしょうかね?

栗原潔 2006/11/27 19:09

iPod/iTunesの考え方: 「違法コピーは多少不増えるかもしれないが、ユーザーに不便を強いるコピープロテクトはやめよう」→爆発的ヒット、結果的に音楽産業も潤う
(過去の)国内メーカーの考え方:「違法コピー許すまじ。コピープロテクトはできるだけ厳重に」→ユーザーの反発、機器は売れない、音楽産業も右肩下がり
YouTubeのケースで言えば...
米国メディア企業の考え方: 「違法コピーけしからん。だが待てよ、これだけ人気があるということはうまくプロモーションに使えるかもしれない。YouTubeと組んで新しいビジネスができるのでは」
日本メディア企業の考え方: 「違法コピーけしからん。日本からのアクセスを禁止させろ!!」
まだ、YouTubeの方は結論が出てませんが、ハルヒのように日本でもうまくプロモーションに活用できたケースもあるようです。

beatnik 2006/11/27 19:22

>海賊版がダウンロードできるからなのですか?。なぜそこまでして違法ダウンロードを擁護するのでしょう?

私が違法ダウンロードを擁護するとどこに書きましたか? 通りすがりさんではないですが、私が海賊版のダウンロードをしていると決めつけているのは不愉快きわまりないですね。

私はiPod/iTunesがメジャーになったのは、著作権と値段を含めた利用者の使い勝手(違法コピーではないので勘違いしないように)のバランスが良いからだと私は思っています。
iTunesが来るまでダウンロード販売が鳴かず飛ばずだったのは、使いにくい & 高いからなのは明白ですよね。業界が昔のやり方が良いと思って居るんであれば、iTunes につられて値下げする必要もないし、コピー回数の制限緩和だってしなくて良いわけですが、やっているわけですよね。推して知るべしじゃないですか。

メディアがYouTubeを積極的に利用することでCM等の露出を上げられるわけですから、メディアにとっても広告料を得る新しいモデルになり得ますからね。確かに、日本の著作権の仕組みだと簡単に応用するのは難しいとは思いますが...

allen 2006/11/27 19:25

私もハルヒのファンですが(笑)、製作側は、YouTubeでプロモーションしようと事前に思っていたわけではないと思いますよ。ファンがYouTubeに違法アップロードしたものが閲覧されて、たまたまブームになった、という結果論なわけで。ハルヒの製作を担当した京都アニメーションという製作会社は、繊細で非常に凝った絵作りで知られるわけで、ハルヒも細部まで行き届いた作画ですが、製作スタッフは、あんな画質の悪い小さな画面で見られることを想定して、アニメを作っていたのでしょうか?。私がクリエイターなら、あんな画質では見て欲しくないですね。

beatnik 2006/11/27 19:29

あっ、栗原さんに先に書かれてしまいましたね。YouTubeは既存の違法コンテンツの問題がありますが、Napster同様、最終的には新しいコンテンツビジネスになるんだと思います。

allen 2006/11/27 19:29

beatnikさん
>メディアにとっても広告料を得る新しいモデルになり得ますからね。
現実問題として、YouTubeは著作権者に正当な対価は支払っていないでしょう?。YouTubeもそれが分かっているからこそ、抗議に対して削除に応じているわけで。現状のままでは、YouTubeへのタダ乗り批判は免れないと思いますね。

mohno 2006/11/27 19:40

iPod/iTunes って、一応プロテクト(DRM、FairPlay)ありますよね。それに、普及したのはプロテクトがないからではなく、「価格」や「デザイン」といった要素が大きいのでは? 「着うた」の普及を見ても DRM の差異がそんなに影響しているとは思えないんですが。
海賊版の規制が「正規利用」に影響を及ぼすことは大きな問題ですが(それが“ラジカル”という表現なんだと思いますが)、海賊版を規制すること自体には何も問題ないと思いますね。
あと、
> 金を出しても欲しいと思える音楽がない
これはまったく同意できないです。私にはありますし、そういうものに対価を支払っています。

allen 2006/11/27 19:57

 iPod/iTunesが成功した理由は、iTunesというインターフェースに優れ、非常に使いやすいソフトと、小型軽量でおしゃれなiPodという魅力的なハード、ソフトとハードの両方をトータルのパッケージとして提供したことにあり、著作権うんぬんではないと思います。(ソニーもiPod/iTunes以前からネットワークウオーマンなどの取り組みがあり、それなりに優れたハードだったとは思いますが、いかんせん、楽曲管理転送ソフトの出来が悪かった)
 著作権の話になると、すぐにiPod/iTunesの例を出す人がいますが、アップルもDRMを採用していることから分かるように、現状の著作権の枠組みを壊そうとしているわけではないのです。

通りすがり 2006/11/27 20:16

> これはまったく同意できないです。
> 私にはありますし、そういうものに対価を支払っています。

「金を出しても欲しいと思える音楽がない」
この部分は、あくまで私個人の立場からの見解ですね。
個人的な見解なんですけれども、こと音楽に関していえば、昔に比べ「欲しい」と思える物が殆どない、というのが私の現状です。音楽的な良い・悪いは別にしても、支払う対価と得る物のミスマッチが、私の場合には発生しています。
で「旧来からの音楽業界の衰退(?)」を考えるに、私だけでなくこの「ミスマッチ」を感じている人も多いのではないかと思うわけです。
そのミスマッチの要因が音楽的な物なのか、価格的な物なのか、それとも別な物なのか、それは人それぞれ違うでしょうし、複合的な要因である事も十分考えられるかと思います。
生活の質も、余暇も、スタイルも、懐具合も千差万別になり、またどんどん変化していく中「著作権法を改正=市場規模が拡大」という単純な構図にはならないと思うわけです。
本当に市場規模の拡大を望むのであれば、もっと他のアプローチの仕方があるのではないかと思うわけです。

beatnik 2006/11/27 20:36

>アップルもDRMを採用していることから分かるように、現状の著作権の枠組みを壊そうとしているわけではないのです。

iPod/iTunes愛好家==DRM反対派と決めつけているようですね。

"使い勝手"はallenさんの言うパッケージの重要な要素です。私はiPod/iTunesのDRMは最も"使い勝手"のバランスが良いと思ってます。逆にプレーヤーがappleに限られるのが唯一の弱点でしょ(大きな問題ではないですが)

仮想ですが、例えば、一度プレーヤーに転送した曲は、再度PCに戻さない限りPCで視聴出来ないとしても使いやすいと思います(またはその逆)? どんなに管理ソフトウェアが優れていても、嫌ですね。
「近視眼的発想での著作権法改正」で、そんな世界になるのは避けて欲しいと願うばかりです。

mohno 2006/11/27 20:42

> 昔に比べ「欲しい」と思える物が殆どない
それは単に、若い頃に聴いた音楽(の流行)が染み付いているという、ごく一般的な話なのでは? 私もそうですが、自分の親(の世代)が私(の世代)が好きな音楽を気に入ってくれるとは思えません。テレビコマーシャルだって、対象年齢層によっては昔の曲を持ち出してきますよね。
それに、複合的な要因を考えてよいなら、
> 他のアプローチ
“も”考えればよい、ということではないですか?海賊版の規制を考えるべきじゃない、という論点はヘンです。

allen 2006/11/27 21:02

>「近視眼的発想での著作権法改正」で、そんな世界になるのは避けて欲しいと願うばかりです。
ちょっと、被害妄想というか、話が拡散しているようですね。朝日新聞の記事は、海賊版のダウンロードを規制しようという趣旨で、正当な対価を支払ったコンテンツの移動を制限する、という話ではないと思いますが。政府もそこを規制しようとはしてないでしょう?。

通りすがり 2006/11/27 21:15

> ごく一般的な話なのでは?
そういう要因もあることはわかっています。

> 海賊版の規制を考えるべきじゃない、という論点はヘンです。

いや、ですからですね。いつ私が「海賊版の規制を考えるべきじゃない」なんて言いました??
ずっと何度も申し上げてますが、そんな事は言っていませんよ? 正直、何度も同じ趣旨を説明する事は疲れますし、失礼ながらこれ以降、私に対するコメントはご遠慮ください。

mohno 2006/11/27 21:31

allen さんも書いていますが「海賊版ダウンロードの規制」が記事の趣旨ですよ。結局、皆さん、「海賊版の規制」には反対じゃないということでよいわけですね?
> 私に対するコメントはご遠慮ください
これにコメントされなければ、私もコメントしません。

栗原潔 2006/11/27 22:12

ちょっと論点がずれてると思います。私はDRM反対だとか、コンテンツ違法コピーOKと言っているわけではないですよ。
著作権制度のポイントは保護と利用のバランス。権利者の保護だけを考えてたら、コンテンツ産業はかえって衰退するのではと言っているのです(これは、今や突飛でも何でもない当たり前の意見でしょう。)
この論点に沿った議論をお願いします。

mohno 2006/11/27 23:18

これは栗原さんに対するコメントですが:-)、その論点でのコメントは最初に書いたとおりです。
補足するなら、「米国メディア企業」に「流行っているなら YouTube でも使え」という考え方はあるかもしれませんが、「YouTube での侵害を無視しよう」という考え方はないでしょうね。
まあ、コンテンツ産業が衰退するような規制なら、そもそも権利者の保護にすらなりません。

栗原潔 2006/11/28 00:22

あらゆる規制は個人の自由とのバランスの問題です。たとえば、違法駐車を厳しく取りしまるべきだからと言って、違法駐車の車を破壊して良いというルールは行き過ぎでしょう。
そういう意味で、アップロードする側だけではなくて、ダウンロードする側も罰しようという規制が検討されていることに危機感を抱かない人がいるというのはちょっと衝撃でした。JASRACの当事者ですら「過激」と考えるYouTubeの日本からのアクセス規制案を「妥当」と考える「超過激派」の人もいるようなので、まあいろんな考え方の人がいるということなのでしょうが。

mohno 2006/11/28 00:43

バランスの悪い方向に向かうようなら、もちろん反対ですよ。たとえば、YouTube の日本からのアクセス規制については反対です。また、不正・合法の区別が付かない状態でダウンロードしたファイルが不正だった場合にまで犯罪者扱いされるようなら断固反対しますね。でも、このエントリの指す記事は、そこまで言及していないですよね。
この記事を読む限り、路上で売られている不正ゲームカートリッジとか、偽ブランド品の購入(違法品と知りつつ行う行為)と同じように、海賊版の意図的な入手を明確に違法扱いしたいという話じゃないかと思いますが、いかがでしょう。

allen 2006/11/28 00:51

>たとえば、違法駐車を厳しく取りしまるべきだからと言って、違法駐車の車を破壊して良いというルールは行き過ぎでしょう。
堂々巡りの議論のような気もしますが、最初から違法駐車しなければ良いだけの話だと思います。違法駐車の車を破壊するという例えもどうかと思います。海賊版のダウンロードは現時点では違法ではないわけですが、迷惑に思う人がいるのも確かです。今回の議論は、いわば「迷惑駐車」を「違法駐車」と位置づけようというもので、個人の自由が奪われるという話ではないと思います。「迷惑駐車をする俺の自由が奪われる」と主張する人もあるでしょうが、そういう人がどんどん増えていくと、車社会というのは成り立たなくなりますよね。

栗原潔 2006/11/28 01:10

>mohnoさん
細かい話しになりますが、何で海賊版のダウンロードを違法にすることが問題視されているかというと、そもそも今ダウンロードが合法であるとされている根拠が著作権法30条の私的複製権にあるからなんですよ。
つまりダウンロードを違法にするということは私的複製権の制限につながるということで憂慮する識者がが多いわけです。たとえば、去年の話ですが、 http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0506/01/news031.html を参照。

栗原潔 2006/11/28 01:17

それから、不正ゲームカートリッジや偽ブランド品の購入も個人使用を目的とする限り違法ではないですね(道義的にはほめられませんが)。一般に、譲渡する側が罰せられるのは当然として、譲渡される側が罰せられるのは覚醒剤等の相当に反社会的な物に限定すべきと思います。

だむ 2006/11/28 01:27

まあ要するに、政府は日本のコンテンツ産業を壊滅させたいって事じゃないのかね。

欲の皮の突っ張った中間搾取団体の言いなりになったあげく、その中間搾取すら出来なくなるってのは昔話に良くありそうな展開ですな。

mohno 2006/11/28 01:38

情報ありがとうございます。そのリンク先にある
> 短絡的な規制は反対
というのは同感です。いいから何でも規制しちまえと思っているわけではないですし、かつての「還流CD」の件もありますから、文化庁(今回は知的財産戦略本部だそうですが)に全幅の信頼を置いているわけではありません。
ただ、最初のエントリに書いたとおり、海賊版が増えているからこそ、規制の話が出てきているのだと思います。「バランス」というなら、権利侵害が増えているのに、規制がないままで、権利者に不利になる一方でバランスを欠きます。仮に「著作権(あるいは知財)に関する利用者の認知度は向上しており、不正利用が減っている(せめて増えない)のに、規制を強化するのは暴挙だ」ということであれば、おっしゃるとおりなんですが、現実はそうではないですよね。
著作権に限りませんが、本来規制なんて「無い方がいい」に決まっています。でも、網の目がくぐるヤツが出てくるので、新たな法律が作られます。最初のエントリに書いたとおり、マナーの悪い喫煙者がいるから路上喫煙が規制されてしまうのと同じようなものだと思います。どちらかというと、「利用者の権利を守り、自由が規制されないよう、海賊版に手を出すのはやめよう」と呼びかけるべきではないでしょうか。

mohno 2006/11/28 01:47

> 不正ゲームカートリッジや偽ブランド品の購入も個人使用を目的とする限り違法ではない
失礼しました。
不正ゲームカートリッジもそうですか。著作権侵害になると調べたつもりでした。
偽ブランド品は海外から持ち込んだ場合について、この件と同じように知的財産戦略本部で検討されたようですね。あとで気付きました。
ちなみに、フランスなどでは所有も違法のようですね。

栗原潔 2006/11/28 08:45

補足しておくと、プログラムの著作物は、購入時に海賊版であることを知っており、かつ業務上の使用であれば、使用しただけでも著作権侵害となります。ソフトウェアは他の著作物と比較してやや保護が強くなっているわけです。
要は、保護と利用のバランスは絶対的に正しいポイントがあるというのではなく、状況に応じて臨機応変に変えるべきものということです。とは言え、過剰に保護の側にバランスを持っていくのはよろしくないでしょう(個人の権利を侵害するという点と、かえって産業・文化の発達が阻害されるという二重の意味でよろしくない)。
ところで、他のブログなどを見てみると、今回の海賊版コンテンツのダウンロードの違法化については慎重論が多いようなので、そういう点では安心しました。

半日庵 2006/11/28 13:35

Wikipedia検閲のコメントにも書きましたが、海賊版が多いから関連する行為を禁止しろというのは、あまりに幼稚な発想だと思います。
ビジネスで考えるなら、海賊版が多いことを利用して儲けることを考えるべきでしょう。もちろん、合法的にですよ。すでに例が出ていますが宣伝に利用して周辺権利(グッズなど)で儲けるという方法もあります。
クリエーターの利益を守るという発想ではないのでしょうね。既得権益を守りたいだけな気がします。

mohno 2006/11/28 22:15

> 個人の権利を侵害
う~ん、「海賊版をダウンロードする権利」が侵害されて何が問題なんでしょうね。
困る人、います? :-p
> 既得権益を守りたい
「既得権を守る」=「悪」という発想が安易だと思いますね。みんな、“他人の”既得権は軽視するんですよねぇ。

allen 2006/11/28 22:47

あるネットラジオより
女性声優「アニメファンのブログとか結構見るんですけど、みんな被害妄想っぽいですよね。はっきり言って作っている人とか、メーカーの人は、そんな搾り取ろうとか思ってないから(笑)」
プロデューサー「あっはっはっ(爆笑)」
女性声優「まっとうな商売をしようっていうか、作ったものに対してお金払って見てもらって、楽しんでもらおうと思っているだけなのに。みんな、すぐ『なんとか商法』とかね。すごく被害者っぽいから、普通に楽しんでくれればいいのになあ、と」
プロデューサー「金のない奴ほど、そういうこと言うんだよ。金を落とさないやつほど(笑)」

allen 2006/11/28 23:01

オルタナティブ・ブログでは、このエントリーのほかに
ここまでパクるか!中国版mixi
http://blogs.itmedia.co.jp/infra/2006/11/mixi_824d.html
のエントリーが話題となってます。そこに寄せられたコメントは、けしからんという意見が大勢ですね。トラックバック先を見ても、中国に大して厳しい意見が多いですよね。これに限らず、2ちゃんねるなどでは、中国、韓国が日本の著作権を侵害するような行為があると、こてんぱんに叩かれますよね。しかし、こちらのエントリーでは、「海賊版をダウンロードするのは個人の自由」と受け止められるような趣旨のコメントがあるように思います。この差は何でしょう。海賊版をダウンロードするという「既得権」を守りたいのでしょうかね?

栗原潔 2006/11/29 01:26

>>mohnoさん
個人の権利とは著作権法30条に定められた私的複製の権利のことです。いかなるケースでも法律に定められた権利が制限される改正が行なわれる時は慎重になるのは当然でしょう。
また、カナダの事例ですが、P2Pでのダウンロードは(仮に違法ファイルのダウンロードであっても)合法との判断がされています。http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20062809,00.htm

mohno 2006/11/29 03:05

かみ合いませんねぇ。
まず、栗原さんは「海賊版のダウンロード」が現行法で認められた「権利」であり、これは保護すべきとお考えである、ということですか? そうである場合、他に賛同される方はいらっしゃいますか? (名乗る人がいたら驚くけど:-p)
たとえば、「海賊版のダウンロードを取り締まろうとするあまり、著作権法三十条に“明記”されている、私的複製の権利まで脅かされるようでは困る、そうならないように改正は慎重に行うべき」であればわかるんですけどね。そもそも「法改正に慎重を期すな」と言う人はいないと思います。
どうも海賊版の増加という事実を無視して、「改正を考えること自体」を否定されているように読めるのですが、どうでしょう。
ちなみに、著作権法三十条の二には「第百二十条の二第一号及び第二号において同じ。)により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、その事実を知りながら行う場合」は例外扱いとなっていますね(第百二十条はいわゆるプロテクト外し)。海賊版をダウンロードした人が「プロテクトを外した事実を知りながら行った」ことを証明する方法が(たぶん)ないので、現行法で適用が可能かどうかはわかりませんし、だからこそ改正案の話が出てきているんでしょうが、この条文の意図するところは「海賊版にまで権利を認めないよ」ということではないでしょうか。
「海賊版のダウンロードが規制されたら、きっと次は私的複製まで規制されるようになるぞ」という“妄想”があって、その“妄想”に反対意見を出しているように見えてしまうんですよね。
あと、リンク先のカナダの事例は、記事中でも指摘されているとおり、判例ではなく著作権監督機関の見解となっていますね。それに3年前ですね。
(自分でエントリ書くほうがいい気がしてきた・・・)

栗原潔 2006/11/29 09:19

>「海賊版のダウンロード」が現行法で認められた「権利」であり、
>これは保護すべきとお考えである、ということですか? 
>そうである場合、他に賛同される方はいらっしゃいますか?
> (名乗る人がいたら驚くけど:-p)
つカナダの著作権監督機関
つ道垣内正人氏(東京大学教授)
正確に言えば、個人利用のための(海賊版のダウンロードも含めた)ダウンロードは、著作権法30条で認められた権利なのはほぼ疑義がありません。法律がおかしいから変えろという意見は当然ありですが、本当にそれが最適な方法なの?ということを私は問題提起しているわけです。

話ちょっと変わりますが、
たとえば、共謀罪の是非の議論をしていたとします。個人の人権、運用上の難しさ、公共の利益のバランスを考えて、共謀罪制定もやむなしという結論に至るのはありですが、「悪事を準備してる奴らを保護する必要はないので共謀罪全然OK。反対してる奴等は何か悪巧みでもしてるのだろう」とするのは正直短絡的すぎる思考形態と思います。

半日庵 2006/11/29 13:45

>「海賊版のダウンロード」が現行法で認められた「権利」であり、
>これは保護すべきとお考えである、ということですか?
>そうである場合、他に賛同される方はいらっしゃいますか?
私は守るべきだと考えます。海賊版は作る奴が悪いのであって、使う自由はあると思っています。まあ、限度問題なんですが、現在の著作権法は割とバランスが取れていると思います。
重要なのはクリエータ(著作物を作った人)が創作活動を健全に続けていけることです。周辺ビジネスで儲けてる人のことは考える必要はないと思います。
たとえ海賊版であっても私的であれば自由に使えることはクリエータにとってマイナスなことばかりとは限りません。プラスの部分を上手く利用することでクリエータの利益にする方法はいろいろあるはずです。すでに具体例も出ていますね。安易に禁止にしてしまうとその道も閉ざされてしまい、現在よりクリエータにとって悪くなる可能性も考えられます。そして私は海賊版のダウンロード禁止はクリエータにはマイナスが大だと考えます。

神ならぬ人間は全てを正しく判断できるわけではないことをもっと自覚すべきだと思います。事後に判断した場合正しくできることでもその場で正しく判断できるとは限りません。間違った判断の結果非のない人の権利が犯されることはあってはいけません。

mohno 2006/11/29 21:57

驚きますね。「“かいぞくばん”のだうんろーど」ですよ。
共謀罪は議論してませんが、一応コメントしておくと、共謀罪には反対です。たとえば、悪事を議論したところで「行為」があるまでは「犯罪を思いとどまる」という余地がありますからね。実行しなくて罰する法律として凶器準備集合罪などはありますが、これは凶器まで準備していたら思いとどまる可能性は低い。むしろ行為を未然に防ぐ方が人々の利益だと判断されているものと理解しています。その点では著作権での「侵害行為」は「ダウンロードした時点」ではなく「視聴した時点」で考えるべきといった「慎重な議論」はあってよいでしょう。まあ、ダウンロードして視聴を思いとどまる人はいないと思うけど:-p
さて、道垣内正人氏の意見が何なのかわからないですが、元々海賊版という著作権者の許可を受けないで、かつ私的な範囲を超えて複製する行為は認められていません。法律が万能で海賊版の作成(アップロード)が一切行われなければ、利用(ダウンロード)行為もないわけですが、現実はそうではありません。
ネットワークがない時代には、個人の範囲を超えた不許可複製については供給側を規制することで抑止力はあったと思います。利用者は誰かから直接受け取るわけで、供給側を特定できるからです。パソコン通信のような ID で管理されていた時代も、ある程度は抑止力を持っていたでしょう。ところが、インターネットが普及し、ブロードバンドが当たり前になり、特別な技量を必要とせず匿名で海賊版をアップロードができるようになった今、供給側への対策だけは有名無実になってしまう。だから、ダウンロード側への対策という考えになっているんじゃないですかね。
「法律がおかしい」のではなく、「法律が時代に合わなくなってきた」ので、変えることを考えよう、ということですよね。時代の流れて世情が変わり、法律が時代に合わなくなるのは普通のことで、それが条文の解釈が変わるのか、条文そのものを改正するのかはともかく、無思慮に個人の権利だから規制するなというのは、やっぱり納得できないですね。
> 他のブログではダウンロードの違法化に慎重論が多い
「関連する権利への悪影響」ではなく「海賊版のダウンロードという権利を守りたい」という意見が多いのだとはにわかには信じられませんが、そうだとしたら、いったい既得権にしがみついているのは誰なんでしょうね。
そもそも、途中で引用された「米国メディア企業」が「海賊版のダウンロードを個人の権利として守るべき」と考えていると思います? 今年の6月にアメリカで映画を見たときには「インターネットで公開されている海賊版に手を出すな」というようなプロモーション映像が流れていましたけどね。流行っているサイトを利用することと、海賊版(のダウンロード)を認めるということは、まったく別のことです。
当たり前ですが、たとえば安易に「プロテクトが外された複製を禁じてしまう」と、ほんとうに個人的な複製行為まで影響するでしょうから、そういうことへの「慎重な配慮」は必要だと思います。それこそ、あくまで供給側の取り締まりを強化すべきだということになると、ISP が個々の接続について詳細な記録を取るよう義務付けられるとか、ヘンな方向に走っちゃう恐れだってあります。まあ、今はこれも“妄想”の範囲でしょうが、還流CD規制と洋楽CDの並行輸入なんて例もありますからね。
あと、誤解はないと思いますが、クリエイティブコモンズのような活動を否定していないですよ。創作者が自由な場所におきたいのであれば、いくらでも置けばいいんです。インターネット・ブロードバンドが普及した今、いままでと違う配信方法にチャレンジすることまで否定してるんじゃありません。
余談ですが、前のコメントで「みんな、“他人の”既得権は軽視するんですよねぇ」と書きましたが、
> 周辺ビジネスで儲けてる人のことは考える必要はない
「知財の専門家」という、まさに創作活動の周辺でビジネスをされている方のブログのコメントで凄いこと書きますね。:-p
やれやれ、いつもの自分のブログへのエントリよりずっと長い^_^;

栗原潔 2006/11/29 22:33

>>mohnoさん
私へのコメントと半日庵さんへのコメントがごっちゃになっていてわかりにくいので、私のポジションをもう一度明確化しておきますと、私的利用のためのダウンロード権は(海賊版をダウンロードしてしまう可能性があったとしても)守るべきという考えです。半日庵さんの意見は「利用」側にバランスがより過ぎだと思います。まあ、世の中には、Richard StallmanのようにDRMにも反対というポジションの人もいるのでひとつの意見としては認めますが。

allen 2006/11/29 22:35

Youtubeを擁護するとき「表現者は、作品をとにかく見てもらいたい」っていう論理使う人がいるけどさ、そういう人って自分で何かを作ったことあるんだろうか?
http://soulwarden.exblog.jp/m2006-10-01#4062523

言わせてもらう。テレビ録画のアップは、どんな理由をつけても犯罪だ。著作権の例外規定にあてはまらない限り。無条件でYoutube褒めてる奴は「ナイス万引き!!」って言ってるのと変わりはしない。
http://soulwarden.exblog.jp/m2006-07-01#3379529

栗原潔 2006/11/29 22:40

もう1点補足しておきますが、著作物の保護から利用にバランスを移せというのは、ユーザーの利益のためにコンテンツ企業側(クリエーター側)が泣けと言っているのではないですよ。コンテンツ・ビジネスはゼロサム・ゲームではないのです。利用の側にバランスを移すことで、結果的にコンテンツ提供側も潤う可能性が高いでしょう。このエントリーの主旨は、最後のAsahiパソコンの引用部分にあるということをご理解下さい。
===
日本は、世界で最も厳しい規制を最も早く取り入れ、摘発も最も厳しい国の1つと言える。そのような日本だからこそ、先進的なサービスも世界で最も早く始まる――というのなら理解しやすい。だが現実は逆だ。
===

mohno 2006/11/29 22:43

余談以外は栗原さんへのコメントです。
要するに「個人の既得権なので守るべき」ということですね? 凶器準備集合罪ができるまでは「凶器を準備して集まる権利」があったんだと思いますが。
考えを変える材料も、幼稚だと揶揄される理由も、まったくわからないですね。
というのが「私のポジション」です。

mohno 2006/11/29 22:50

先に書いたとおり、補足されたことは「海賊版をダウンロードする権利」とは別の話ではないですかね。コンテンツ供給者に「金を貰うまで見せない」ビジネスだけじゃない、と意見することは別に否定しないですよ。コンテンツ供給者が認めた時点で、それは「海賊版」ではなくなるのだから。
引用部分については、以下のとおり質問しています。
> 「米国メディア企業」が「海賊版のダウンロードを個人の権利として守るべき」と考えていると思います?

allen 2006/11/29 23:03

海賊版のダウンロードを認めることが、クリエイターの利益に通じるという論理構成は、私もどう考えても理解できません。「違法ダウンロード既得権者」は口を開けば、クリエイターのためとおっしゃってますが、それでは、以下のような現場のクリエイターの言葉をどう考えるんでしょう?。
以下、あるネットラジオより
監督「ネットに何が転がっているんですか?...ああ、MP3か何かで上げるやつですか。あれ、軽はずみにやられると困りますよね」
プロデューサー「お前らはいいかもしれないけど、作家はそれで死活問題なんだから。いい加減にしろって」
監督「まじめにお金出して買ってる人が、かわいそうですよね。で、こういうタダで転がっているのを落とすから、(パッケージの)値段が上がっちゃうとか、そういうことになるんですよね」

栗原潔 2006/11/29 23:14

> 「米国メディア企業」が「海賊版のダウンロードを個人の権利として守るべき」と考えていると思います?

「米国メディア企業」はそうは考えてないでしょうね。消費者団体、法曹関係者でそう考えている人は多いと思います。
フランスでは私的利用である限りP2Pからのダウンロード(さらにはアップロードまでも!!)合法と判断されているようです
http://www.theregister.co.uk/2006/02/08/france_legalises_p2p/
当然ながらコンテンツ企業は泣き寝入りではなく、何らかの形で対価が還流する仕組みも同時検討されているようです(日本で言えば、貸レコードとかデジタル録音機器の補償金のような考え方です)。


mohno 2006/11/30 01:38

> 「米国メディア企業」はそうは考えてないでしょうね。
であれば、この流れで「米国メディア企業の考え方」を持ち出すのは不適切だったと思いますね。
繰り返しますが、コンテンツ供給側がいろんなビジネスモデルのこと“も”考えろというのはいいんですよ。民放テレビのように広告モデルを取り入れるとか、見てもらうことがお金を生み出すような仕組みがあるだろうとか。利用者は選択すればいいんですから。
でも、私が問題にしているのは「海賊版」=「著作権者の許諾を得ない複製」です。“私的”というのは“金銭が絡まない”と等価ではないでしょう。著作権法第三十条には「個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内」と明記されています。私的な複製は、この範囲に限るべきだというのが著作権法の意図するところだと思います。
> 消費者団体、法曹関係者でそう考えている人は多い
個人的にその手の知り合いがいないので、あえてステレオタイプで考えると、米国では自己と他者の双方の権利を考えると思いますね。むしろ、著作権にうるさいのが米国であり、だからこそ(企業が安心して)「先進的なサービスを始まる」という見方もできるんじゃないですかね。もっとも、現実には「i-mode」とか「着うた」とか「ADSL」とか、日本の方が先行したサービスは色々あると思います。
> フランスの判断
驚きですね。非商用であれば、P2P に限らず見知らぬ誰かに複製を渡すことが認められたということでしょうか。さすがは iTunes DRM公開法を提案した国ですね(これは撤回されたけど)。ベルヌ条約を批准した国とは思えない判決で、私は支持しません、というポジションです。それより、こんなカタチで補償金を「余分に」払わねばならなくなるのだとしたら、私からすれば、はなはだ迷惑な話です。
しかし、補償金制度なんて機能するんでしょうかね。技術が進歩して P2P で高画質コンテンツが流通するようになったら、この判断を後悔する気がしますね。

mohno 2006/11/30 01:45

それにしても、「海賊版ダウンロード」を肯定する人がそんなに多いなら、かえって「野放しを防ぐために、規制する法律が必要」という意見を後押しするような気がしますね。

半日庵 2006/11/30 23:58

mohnoさんは、「海賊版ダウンロード」を規制すべきと主張しているのは、それが悪いことと感じているからだと思います。主張を聞いていると盗品を使うことが許されるわけないだろうという感じです。まあ、気持ちは分かりますが、法には精神という目的があります。

著作権法は著作物を作る人が引き続き創作活動を継続できるようにするのが大きな目的だと私は考えています。そのためにいろいろな権利を保障しているわけです。安易に禁止すれば創作活動が保障されるのでしょうか。そのあたりのロジックを伺いたいですね。

なぜそんなことを言うかといいますと、CDなど音楽業界など規制に熱心な業界、アメリカンコミックのように規制に熱心な会社、みな商売としては下降ぎみな上に、それぞれのクリエータに報いいている 部分も少なく感じるからです。

mohno 2006/12/01 01:25

> 盗品
盗品は、それと知らずに購入したとしても、返却後義務があるのはご存知ですよね?
> 法の精神
これではわかりません。著作権法の第一条(目的)には「この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。」とありますが、私には「海賊版のダウンロード」を認めるべきという精神は読み取れません。行間ではなく客観的に明文化された「精神」が書かれているのであれば教えてください。
> 安易に禁止すれば創作活動が保障される
禁止しなくても保障されるという保証はどこにあるのでしょうか。
> 規制に熱心な会社、みな商売としては下降ぎみ
過剰な規制が嫌われるのは当然だと思いますね。たとえば、私はCCCDは買いません。私的な複製が制限されますからね。しかし、海賊版の規制が過剰だとは思いません。
また、商売が下降気味の会社は、技術的な規制だけでは追いつかないほど不正が蔓延しているのだと主張するかもしれませんね。

mohno 2006/12/03 02:55

私のエントリへのコメントを見る限り「海賊版ダウンロードを保護すべき個人の権利」と思う人はほとんどいないようで、この点では安心です。
さて、栗原さんへの質問ですが、
> (米国の)消費者団体、法曹関係者でそう考えている人は多い
という点について、「個人の規制が過剰になってはいけない」ではなく、「海賊版ダウンロードを保護すべき個人の権利」という明確に主張されている情報や文献などがあったら教えていただけないでしょうか。とくに「中にはそういう人もいる」のではなく、「多い」ことを示すものがあるかどうか興味深いです。
> Richard StallmanのようにDRMにも反対というポジションの人もいる
という表現がありましたが、Richard Stallman はフリー(自由な)ソフトウェアの世界を自ら作り出したい、あるいは広めたいと思っているのであって、海賊版によってそれを実現しようとは考えていないと思います。もしそうなら、自らフリーソフトウェアを作り出す必要はありません。
海賊版の利用を肯定してしまうと、かえって自由なソフトウェア(あるいはコンテンツ)を目指す創作者の活動を阻害する要因になりかねないので、米国だからといって海賊版を肯定するような意見が「多い」とはにわかには信じがたいのです。

栗原潔 2006/12/03 11:00

米国ではないですが、フランス、カナダではダウンロードは私的複製なので合法という一応の結論が出ているのは先に書いた通りです。米国の消費者団体では、www.eff.orgが代表的です。EFFはレッシグも支援を表明しており、怪しげな団体ではありません。
そもそも、「私的複製たるダウンロードを(著作者の許諾なしに著作物をダウンロードしてしまう可能性ゆえに)禁止されない権利」というのを「海賊版をダウンロードする権利」と言い換えるので話が収束しないのです。

mohno 2006/12/03 23:11

そんな「言い換え」はしていません。というより、
> 「私的複製たるダウンロードを(著作者の許諾なしに著作物をダウンロードしてしまう可能性ゆえに)禁止されない権利」
> 「海賊版をダウンロードする権利」
この2つは言い換えできる等価な表現ではありません。前者が守られるのは当然だと思いますが、そういう話をされているのでしょうか。YouTube に海賊版があるからといって、YouTube へのアクセスを禁止しろという話なら私も反対します。前に、
> 「海賊版のダウンロードを取り締まろうとするあまり、著作権法三十条に“明記”されている、私的複製の権利まで脅かされるようでは困る、そうならないように改正は慎重に行うべき」であればわかる
と書いたとおりです。
私が論じているのは、あくまで「海賊版のダウンロード」です。上記の2つの表現は条文的に区別しようがないという技術的な話をされているのでしょうか。フランス・カナダの法律的な判断は理解します。日本も同じように合法とみなされているのですよね? そして、現行法で取り締まれないから改正が必要と思われているのですよね?
もちろん、上記の2種類を条文で区別できないなら見送るべきです。それは「違法にアップロードされた映画をダウンロードして見る権利を守るため」ではなく、「私的複製たるダウンロードを制約しないため」ですよね?
私は、この問題は、
http://blogs.itmedia.co.jp/kurikiyo/2006/08/post_29ee.html
に書かれている「ルールの裏をかいてうまいことやってる人が増えるとルールそのものがすぐに変えられてしまう」という話と同じだと思っています。
ちなみに、このエントリに出てくる貸しレコード(レンタルCD)も、日本が“先行”したビジネスですよね。アメリカで見たことないです(それとも実はあるのでしょうか?) こんなものを認めているから CCCD なんて厄介なものが出てきたんじゃないかという気もします。

栗原潔 2006/12/04 00:24

今までの議論、法の解釈論の話と立法論の話がごっちゃになっていると思います。

まず解釈論(現行の法律がどうなっているか)の話をします。著作権法30条では私的使用目的のための著作物を複製できる(=著作権者の著作権は及ばない)と規定されてますので、その著作物が元々著作権者の許諾なしに複写されたものであろうがなかろうが複製できます。私的使用目的のためのネットからのダウンロードはこの私的複製に該当するというのが多数説であり、解釈論としては「海賊版をダウンロードする権利がある」(海賊版をダウンロードしても私的使用目的である限り他から干渉されない)ということになります。なお、亀レスになりますが、「凶器準備集合罪ができるまでは「凶器を準備して集まる権利」があった」というたとえは見当外れです。「国民は凶器を準備して集まることができる」と規定した法律はないからです。
なお、ダウンロードした著作物を人に譲渡したり、業務上使ったり、アップロードすることは著作権侵害となります。アップロードが著作権侵害となるのは、日本の法律では送信可能化権という支分権が規定されているので、これについては疑義がありません。P2Pの場合はダウンロードしたものが自動的にアップロードの対象になりますので、P2Pユーザーは著作権侵害行為をしていると判断されてもしかたないでしょう。
また、加仏ではダウンロードは合法との判断が一応出ております(仏はアップロードも合法との判断)。海外の著作権法は、あんまり詳しくないですが、EUの著作権法では、著作権者に金銭的見返りがあれば私的複製を認めるという規定になっているようです。

次に立法論(法律をどう改定すべきか)という議論(消費者は海賊版をダウンロードする権利を有するべきなのか)ですが、これは著作物の保護と利用のバランスをどうすべきかという話ですから、答が一義に決まるわけではありません。私は、著作権者の許諾なしに著作物をダウンロードすることを侵害行為とすることには反対です。理由は、1)法律に明確に定められた消費者の権利の保護(既得権と呼ぶなら呼んでも結構です)、2) 著作権者の許諾があるかないか、善意か悪意か等の現実的な判断が困難(「運用でカバーすればよい」という考え方は刑事罰もある法律においてはあまりにも危険と考えます)、 3)憲法で定められた通信の秘密保護との兼ね合い、4)これ以上保護を強めるとかえって日本のコンテンツ産業が衰退する可能性が高い、5)規制を強めても結局抜け道を作られてしまい効果がない可能性が高いということです。保護を強めるよりも、利用を促進して金を儲ける仕組みを考えるべきと考えます。
もちろん、立場によってもっと保護を強めろと言う人がいることは否定しません。mohnoさんも保護を強めろ派だというだけの話ですよね。もちろん、私のポジションよりもさらに利用側にバランスを向けろという人もいるでしょう。

なお、私の知る限り、アメリカには貸レコード業はありません。なぜなら、CDが十分安いからです。さらに、今はどうかしりませんが安く音楽が聴きたい人向けにはものすごく安い(録音済)ミュージックテープがありますので、CDを借りて録音する必要などないのです。貸しレコード業の存在が許せないのであればCDを安くするのが最善の道だったと思います。

mohno 2006/12/04 01:44

詳細なコメントありがとうございます。
第三十条が海賊版をダウンロードすることが、“抜け道”ではなく“権利”として認められている(多数派解釈)とは意外でした。法改正が求められるわけです。「運用でカバー」について、刑法でも「常習賭博」という表現がありますが、具体的な「常習」の定義はありませんよね。この程度の明確さと融通性を指して書きました。もっとも、通信の秘密を侵さず、現実的に適用することが難しいなら、私も賛成はできないでしょう。
何も変化のない状況で「保護を強めろ」と考えてはいるのではありません。著作権者の権利が損なわれつつあるので、これを回復する手段が必要だと考えているわけです。保護を強め“過ぎる”と産業が衰退するというのは理解しますが(例:農業保護)、有意の保護は必要です。少なくとも海賊版が野放しになる保護では、保護の意味をなしません(例:中国 vs. 米国の著作権)。
ところで、たしかにアメリカで CD は安いですが、ビジネスにならないほどでしょうか。レンタルビデオを1晩1~2ドルで営業しているところがありましたが、同じように CD を1~2ドルで借りられて「私的複製」が認められるなら、ビジネスになるくらいの需要はある気がします。まあ、そんなことを推測してても仕方ないですけど。

mohno 2006/12/04 03:09

余談の補足ですみませんが、最後の件はレンタルCDが米国でビジネスになるとしても、実際にビジネスを始めたら、著作権者団体から訴えられるか、何らかの法規制が加えられて継続できないと思います。そういうことが理解されているので、ビジネスを始めない(始められない)のだと思います。以前、ヤオハンで日本のテレビ番組を無断で録画&レンタルしていたことがありましたが、米国のテレビ番組を組織的に無断で録画&レンタルするなんてことは誰もやらないでしょう(間違いなく著作権者から訴えられます)。少なくとも日本より米国が海賊版に寛容だとは思えません。
日本が厳しい規制を取り入れねばならないのは、日本のメディア企業が一般ユーザーからなめられているからかもしれません。

栗原潔 2006/12/04 10:38

米国のメディア企業も権利意識強いですが、EFFのページ見ればわかるように消費者側も強いですよ。そういう意味では日本よりもバランスが取れているように思えます。著作権とは別の話ですが、米国は再販制度もないですし(米国で再販制度をやったら独禁法違反で告発されるのでは?)。そういう意味では、日本のコンテンツ企業は甘やかされているとも言えます。
それから、仮に著作権者の許諾なしに著作物をダウンロードする行為に著作権の効力が及ぶとした場合(海賊版ダウンロードを違法とした場合)の運用上の問題について書き忘れた点を追加しておきます。著作権は著作物を創作した人に自動的に付与される独占排他権です。ゆえに誰もが著作権者になります。mohnoさんは、レコード会社やテレビ局が一般消費者を訴えるというシナリオしか考えてないように見えますが、たとえば、私が自作のポエムをネット上に流出させて、それにアクセスした人を訴える(少なくともプロバイダーに対してアクセスした人の個人情報を要求する)ことが可能になってしまいます。運用でカバーできるというレベルの話ではありません。訴権があるのはレコード会社とテレビ局のみという規定にでもしますか?

栗原潔 2006/12/04 10:59

レンタルの件で補足します。米国でCDレンタルがないのは、米国著作権法上、レコード会社が貸与の許諾権を販売後も維持しているからのようです。ただし、前述の通り、CDが安いので消費者的にはそれほど不利益はないと思われます。一方、ゲームソフトのレンタルについては米国ではOK、日本ではNGですので、CDレンタル業ができないということを理由にして米国はコンテンツ企業の権利が相対的に強いとは言えないと思います。

mohno 2006/12/04 12:54

> 日本よりもバランスが取れている
この点は同意します。
私も再販制は反対です。某新聞が「既得権批判の記事」と「再販制維持の訴求広告」を同じ日に載せていたのは笑いましたね。みんた他人の権利は軽視して自分の権利は守りたがる :-p
> 誰もが著作者
これは理解しています。私のエントリへのコメントでも指摘されましたが、Linux のように著作権者が許諾しているのに「海賊版」とみなされる条文では困ります。テレビ局も MXTV のように意図的に YouTube に掲載しているものもありますし、映画会社だってプロモーションビデオを載せる可能性はあるでしょう。それらを条文として判別できないという技術的な論点は否定しません。でもこれは「著作権規制を厳しくすることが可能なのか」という命題であり、「厳しくすべきではない」ということではないですよね。
> レンタル
ゲームのレンタルがありましたね。忘れていました。もともと、日本でもレコードもビデオも「個人使用に限定」ということで、これをレンタルすることはメーカー側は認めていなかったと思います。それを貸し本屋か何かの業態をまねてレンタル業をはじめ、“実態に沿った”形で法整備が進んだと理解しています。
米国ではビデオだって貸与の許諾権を維持した上で「レンタルを許諾」しているのですよね? どなたかが書いていたとおり流通量が利益を増大させることが「証明」されているのなら、CD だってレンタルを許諾すればいいわけです。間違いなく流通量は増大します。でも、やらないでしょう。
なぜビデオレンタルがよくて、CD レンタルがダメかというと、1回の視聴で終わるか繰り返し聴くかという違い、つまりビデオはあまりコピーされないだろうけど、CD はコピーされるに決まっている意識があるからではないでしょうか。ゲーム“カートリッジ”だって、普通にはコピーする人はいないでしょうから、レンタルしてもいいでしょう。そういえば、日本では「PC ソフトウェアのレンタル」なんてのもありましたね。そのときにも「嫌なら安くすべきだ」という論理展開がなされていた気がします。この理屈が安くソフトウェアを提供しようというベンダーの芽を摘んでしまうというところまで思いが至らないのですね。
こうして考えると、日本は権利者と利用者のバランスが取れていないというより「ゆがんでいる」のだと思います。
ところで、EFF のサイトですが、そんなに探しまくってはいないのですが、「海賊版を視聴(利用)する権利」に言及したものが見つけられませんでした。DRM や私的複製に関しては、利用者から見た至極まっとうな主張はあったのですが・・・。何か「これを見よ」という記事をご存知でしたら教えてください。

栗原潔 2006/12/04 13:17

http://www.eff.org/share/ ←この辺からごらんになってはいかがでしょうか?

mohno 2006/12/04 20:46

ありがとうございます。なるほど正当な使い道を主張するのに pirated なんて言葉を使うわけないですね。
でも、トップページといくつかのリンクを見る限り、ファイル共有によって著作権者に支払いがされないことを「問題」ととらえて「裁判沙汰で弁護士を潤わせるより、新たな仕組みでアーティストにこそ支払いをもたらそう」という提案をしているように見えます。"Making P2P Legal" という表記からも、現行法での P2P の違法性を認識しているようですし、やっぱり「海賊版の利用」を「守るべきユーザーの権利」と主張しているようには見えないです。
いずれにせよ、このページを見る限り、米国メディア企業は海賊版に寛容ではないですね。

栗原潔 2006/12/04 22:34

EFFは解釈論としてダウンロードは合法としている人々ではなくて、どっちかというと立法論としてP2Pを合法化すべき(必然的にダウンロードも合法化すべき)と言っている人たちでしたね。
では、立法論として米国でダウンロードが合法ととらえられているかというと、米国の法律は基本的に判例法であり、著作権法もfair useの時は著作権者の権利は及ばないとしているだけです。今までのところ、P2Pプロバイダーが有罪になったケースはありますが、ダウンロードだけを理由に著作権法により個人が訴えられたケースはないのではと思います(ちょっと不確か)。
それから、「海賊版」という言葉は印象操作だと思います(朝日新聞の記事(というよりも朝日新聞に情報提供した人)の印象操作かもしれません)。海賊版というと自動的に違法というイメージが生まれるからです。著作権者の許諾のないダウンロードが許されるか?(ダウンロードに著作権者の許諾が必要か?)と言い換えればもっとすっきりするかと思います。
さらに、米国の音楽産業について言えば、海賊版に寛容ではないとはしても、再販制度もないですし、FM局の数も圧倒的に多いですし、ネット・ラジオもあります。少なくとも保護と利用のバランスは、日本の合よりも明らかに利用側に向いているでしょう。

allen 2006/12/04 22:37

>米国メディア企業は海賊版に寛容ではないですね。
次世代DVDの規格策定でも、ハリウッド側から著作権保護について、強い要求があったようですね。
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050927/fox.htm
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20061102/rt016.htm

栗原潔 2006/12/04 22:40

それから、ダウンロードに著作権者の許諾を必要とする立法化に私が反対する理由のもうひとつは、6)受け取った側がそれだけで罪を問われるというパターンはどの知的財産法にもないからです。特許でも商標でも売った方は罰せられますが、買った方は罰せられません。著作権法113条第2項には、「コピー・プロテクトを破ってコピーしたソフトであることを知って入手したソフトを業務上使用するのは侵害」と規定されてますが、これも入手により罰せられるのではなく、業務上の使用により罰せられるのです(逆に言うと私的使用では罰せられません(道徳的な問題は別としてです))。

栗原潔 2006/12/04 23:12

それから大変な遠隔レスになりますが、P2Pによりメディア企業の収益はそれほど影響を受けていないという調査結果があるとの記載が、Wikipediaに載ってます。 http://en.wikipedia.org/wiki/P2p#Legal_controversy 元論文へのリンクがないので調べてる時間がないですが。
あとは、レッシグの講演で、「P2Pの登場によって人々への音楽へのアクセスが5倍になった。レコード会社の収益は5%減った。5倍と5%のどっちが大事か」なんてフレーズがありました。

>>allenさん
米国企業の権利意識が強いのはみなさんご承知です。誰もそんなところは論点にしてません。米国では消費者側の権利意識も同等に強いので日本よりもバランスが取れているというのがポイントです。

mohno 2006/12/04 23:38

> 「海賊版」という言葉は印象操作
お断りしておくと、私は、ここでも自分のエントリでも「海賊版」を「著作権者の許可を受けないで、かつ私的な範囲を超えて複製する行為(コンテンツ)」と書いています。あと、朝日新聞が印象操作したんじゃなくて、取材のときに知的財産戦略本部が「海賊版」という言葉を使ったんじゃないかと思います。それにアップロード側は取り締まれるわけですから「違法な存在」であることに違いはないと思いますよ。偽ブランド品だって買う側がつかまらないから「海賊版」という言葉は不適切とは言わないですよね。なんだか「海賊版という言葉は印象操作」という表現の方が「印象操作」という気がします。
また、米国の消費者団体・法曹関係者が「海賊版のダウンロード」を「保護すべき個人の権利」と主張している根拠は(判例ではなく)他にあるのでしょうか。根拠を示されないと、それこそ「印象操作」に見えます :-p
> 特許でも商標でも買った方は罰せられません
前に書いたとおり「偽ブランド品の所持の違法化」は知的財産戦略本部で検討されたようですが、その反対意見が興味深いです。曰く「本物のブランド品を必要としない人が「偽ブランド品であることを知りながら」購入するものであるから誰にも被害をもたらさない」(←本当か?とも思いますが)
(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/dai10/10siryou6.pdf より)
ところが、音楽はもちろん、映像作品などの著作物の海賊版は「本物の品質」を持てるんですよね。だから権利者に被害を及ぼすわけですが。ちなみに、著作権法113条第2項は私的複製を制限しないという意味だと理解しているので問題ないと思います。
繰り返しますが、条文の技術的問題については異論はありません。あくまで上記で定義した海賊版の利用が「守られるべき権利」なのかというところに疑問を呈しているのです。
あと、日本はレンタル CD もあるし、法律受験予備校ですら違法コピーで訴えられるくらい著作権の認知度は低いし、「着メロ」「着うた」みたいに早くからはじまったサービスがあります・・・という話をしても、水掛け論になるだけじゃないですか?

栗原潔 2006/12/05 00:08

>「著作権者の許可を受けないで、かつ私的な範囲を超えて複製する行為(コンテンツ)」
*私的な範囲を超えて複製する*という要件が今初めてでてきたと思うのですが、mohnoさんがそういう意味で使ってたのであれば当然に違法でしょう。
ここで話してたのはネット上からダウンロードしたコンテンツを私的に複製して、個人的に利用してももそれだけでは違法ではないですが、コピーして友達にあげたり、アップロードすればその時点で違法です。
mohnoさんが使ってきた「海賊版のダウンロード」というのは、「私的使用のためにネットから著作権者の許諾なしに著作物をダウンロードする(そして、それを私的目的のためのみに使用する)」という意味と解釈してましたが違うのでしょうか?
mohnoさんが言うところの「海賊版のダウンロード」、私の言葉で言い換えると「著作権者の許諾なしに著作物をダウンロード」する権利があるということの、米国における根拠は合衆国憲法における知る権利と米国著作権法107条(fair use)が主でしょう。
それからコメントの後半についてはそういう考え方もあってもよいというのが私のコメントです。

mohno 2006/12/05 01:31

「私的な範囲」という定義にずれがあるわけですね。第三者がアップロードした海賊版を利用するのは「私的な範囲を超えている」という認識です。ですから意見は異なりますね。
それと
> 米国における根拠
を合法性で尋ねていません。明確に違法なら改正する必要もなく取り締まればよいわけですから。脱法ドラッグが「合法」だからといって、いっさい取締りの強化は無用だというわけではないでしょう。そうではなく、
> 米国の消費者団体・法曹関係者が「海賊版のダウンロード」を「保護すべき個人の権利」と主張している根拠
をお尋ねしています。
> 5倍と5%のどっちが大事か
メディア企業は「利用が5倍になっているのに利益が5倍になっていない」と言うかもしれません。もちろん、そんな安易なものではないですが。
ところで、そのレッシグという人は「海賊版のダウンロードを保護すべき個人の権利」だと主張しているのでしょうか。ご紹介くださった eff.org/share では、「P2P によってアーティストに対価が支払われていないことを問題とし」「裁判沙汰で弁護士にお金を落とすよりもアーティストに正当な対価が支払われるよう」「P2P ユーザーは自発的にリーズナブルな月額対価を払うこと」を提案しています。つまり、海賊版の問題を消費者自らが解決しようと「消費者に」働きかけています。ちゃんと海賊版に対する問題意識があり、消費者側で解決をはかろうという点で(現実性はともかく)まともな話です。レッシグ氏がこの視点で P2P の保護を訴えているなら一理はあります。もっとも「P2P ユーザー6000万人が月額5ドル払えば年間30億ドル以上の利益」という展開は無理があると思いますが(とくに日本では“自発的”という形態では成立し得ないモデルでしょう)。

mohno 2006/12/05 01:34

> 「私的な範囲を超えている」という認識
おっと、これは変ですね。
超えているなら、取り締まれるわけですからね。
「著作権者の許諾なしに著作物をダウンロード」であるとしてください。

栗原潔 2006/12/05 02:00

私的利用を目的としたネットワークからのダウンロードが私的複製であるというのは、mohnoさんがどう定義するかにかかわらず、現行法のほぼ定着した解釈です。ゆえに、何回も言っているように著作権法30条の規定により、mohnoさんがいくらおかしいといっても、私的利用を目的としたネットワークからのダウンロードは著作権者の許諾なしに行うことは合法です。mhonoさんの用語を使えば「海賊版をダウンロードする権利がある」ことになります。当然ながら日本は法治国家ですから、その権利は現行法下では保護されるべきです。
この法律はおかしい変えるべきだというのは立法論なのでまた別の話です。mohnoさんの用語を使えば「海賊版をダウンロードする権利を消費者に与えるべきか?」、私の言い方では「私的利用目的のダウンロードの際に著作権者の許諾が不要なままでよいのか?」という論点です。私の意見はYesですが、Noと考える人がいるのは否定しません。

栗原潔 2006/12/05 02:11

レッシグの話は別コメントでします。
レッシグの主張の法的根拠ですが、私は米国の法体系にあまり詳しくないので調べている時間がありません。ただ、レッシグが法的根拠なしに主張を行うとは考えられません。
レッシグは、P2Pを合法化しろと言っている(少なくともP2Pを合法化しろと言っているEFFを支援している)ので、必然的にネットからのダウンロードを合法化しろと言っていることになります。
もちろん、ここで合法化とは無料でダウンロードさせろと言っているわけではありません。著作権者に対する何らかの補償があることが前提です。
mohnoさんは私のエントリー http://blogs.itmedia.co.jp/kurikiyo/2006/11/post_b7b1.html は読まれましたでしょうか?もし、まだなら読んでからコメントしてください。

mohno 2006/12/05 02:21

ええと、意見の違いがあるという話をしていません(そんなのは当たり前)。
現行法の解釈もご説明いただきましたが、私から見た正確な表現は「海賊版のダウンロードは合法」というところだと思います。合法であることを「権利」というのが、私には言い換えに見えます。「権利」であれば守るべきものという印象を与えますが、「合法」は単に取り締まり対象にならないだけですからね。
そして、栗原さんが消費者団体、法曹関係者の多くは「海賊版のダウンロードを個人の権利として守るべき」と考えているとおっしゃったのに、挙げられた事例が根拠となっていなかったので、他の根拠をお尋ねしているのです。
正直なところ私のエントリへのコメントを見ても、「守るべき権利」という主張は少ないんじゃないでしょうか。

栗原潔 2006/12/05 02:21

追伸:
海賊版一般の話(譲渡・アップロード等)と海賊版のダウンロード(=著作権者の許諾を得ないダウンロード)の話しをごっちゃにされないようにお願いします。ここで論点になっているのは後者です。
前者が違法であるのは、解釈論上も立法論上もあえて論じるまでもないことです。

mohno 2006/12/05 02:30

11/29 のエントリは読みました。ひとつの意見だと思います。現実性はともかく、おかしな話だとは思いません。
EFF の私なりの理解は先に書いたとおりで、「P2P によってアーティストに対価が支払われていないことを問題とし」ということは、海賊版のダウンロードによってアーティストに対価が払われていないことを問題だと認識していると理解しました。
これをもって「海賊版のダウンロードを保護すべき利用者の権利だと主張している」というのは短絡的(というか話が違う)と思います。

栗原潔 2006/12/05 02:33

ここで権利とは「一定の利益を主張又は享受することを法により認められた地位」(wikipediaより)という定義で使ってます。すなわち、私的利用のために著作権者の許諾なく著作物をダウンロードできるという利益を主張することを現行著作権法30条により認められているという意味で、「海賊版のダウンロードの権利」という表現を使いました。
あくまでも現行法下で守るべき権利(誰かさんが「そりゃおおかしいんじゃないか」と言っただけで奪われてはならない地位)ですが、当然に、法律が変われば権利でなくなること(そして、保護すべき対象でなくなること)も可能性としてはあり得るでしょう。
mohnoさんは権利→人権(法律で決まるものではなく人が生来的に有する地位)みたいなニュアンスでとらえられてたのではないですか?

mohno 2006/12/05 02:44

つまり、栗原さんの主張は「合法」=「権利」ということでしょうか? であれば、「国民は凶器を準備して集まることができない」と規定した法律(凶器準備集合罪)ができるまでは、そうして集まる権利があったということになりません?
栗原さんの主張が「合法」=「権利」=「保護すべき」であれば、そもそも(取締りを強化するような)法改正などできなくなるのでは?

栗原潔 2006/12/05 08:46

すみませんが何回も同じことを言わせないでください。「国民は凶器を準備して集まることができる」と規定する法律があるのですか?著作権者の許諾を得ないで著作物を私的利用のためにダウンロードできる(現行法下においては海賊版であってもダウンロードできる)とする著作権法30条は私的複製の*権利*を定めた条文です。

栗原潔 2006/12/05 09:05

これも繰り返しになりますが、「(権利を)保護すべき」というのは現行法下で保護すべきということであって、未来永劫何があっても保護すべきということではないですよ。法改正があれば、「保護すべきでない(というよりもその権利がなくなる)」ことは十分あり得ます。これも既にご説明の通りです。

mohno 2006/12/05 10:05

えーー?
> 近視眼的発想での著作権法改正だけは勘弁してもらいたい
って、法を「改正」することに反対されていたわけじゃないのですか?

栗原潔 2006/12/05 10:20

近視眼的発想の著作権法改正に反対しているだけで、近視眼的発想ではない著作権法改正にまで反対しているわけではありません。

mohno 2006/12/05 21:54

あれあれ、そこまで戻ってしまいましたか :-<
私の言葉でいう「海賊版のダウンロードを規制すること」、栗原さんの言葉でいう「著作権者の許諾なしに著作物をダウンロードすることを侵害行為とすること」を目指した法改正について、栗原さんは「近視眼的発想の著作権法改正」だとみなして反対されているわけですよね?(ここからブレないようにしましょう) 現在の法解釈、改正する条文の有効性や悪影響といった技術論について異存はないので、議論の対象ではありません。
まず、私の認識では「海賊版のダウンロードを(今後も)守るべき個人の権利」だと記した条文はどこにもありません。これに対し、栗原さんは著作権法第三十条が、これを意味しているとの主張されています。ただし、これは明文化されておらず、自明ではありません(自明なら、そもそも法改正の議論は起きえない)。つまり、「見方の違い」でしかないので、議論しても収束しません。
残る問題は「海賊版のダウンロードを(今後も)守るべき個人の権利」という考えが“多数派”なのかどうかです。たんに「現行法で取り締まれない」という意見が多数派というだけなら、そんなのは当たり前です。みんなが取り締まれないと思っているから「法改正」という話が出てきているのですからね。そして、栗原さんのエントリと私のエントリについたコメントを見る限り、「今後も守るべき権利」と主張しているのは、今のところ栗原さんと半日庵さんのお二方のみです。
栗原さんは「米国の消費者団体・法曹関係者では多数意見」と書かれましたが、挙げられた事例(eff.org)はこれを主張していません。eff.org は「海賊版をダウンロードする権利を守り続けよう」と言っているのではなく、海賊版が著作権者の権利を侵害していることを問題と認識した上で、「著作権者に対価を還元できる“新たな仕組み”を作り上げよう」と提案しているというのが私の理解です。
当たり前ですが、いつでも多数決がベストな選択だとは思いません。私自身、少数派であろう意見をいくつも持っています。でも、今回、多数とか米国の法曹関係者という言葉を持ち出したのは栗原さんですから、その根拠をお尋ねするのは、ごく自然なことだと思います。もし、栗原さんがご自身の意見を少数派だと認められるのであれば、もう議論は尽くされていると思うので、それでおしまいです。私にとっては意見の変わる材料は何もありません。「短絡的」(半日庵さんの「幼稚」)という表現は撤回してもらいたいと思いますが、多数が短絡的で幼稚な判断をすることがあるのは否定しません。
議論の収束を願って栗原さんの意見を“曲解”すると、包括的な許諾に期待して「著作権者に“個別に”許諾をとることなくダウンロードする行為」を指しているのかもしれません。しかし、包括的にでも許諾されたら、私はそれを「海賊版」とは呼びません。どんな形であれ、許諾されているのですから、それは別次元の話です。

栗原潔 2006/12/06 00:57

はいわかりました。著作者の許諾なしに私的目的のためにダウンロードできる権利を今後も(少なくとも当面は))維持すべきと考える人は、フランス下院などなどがありますが多数派であるというのは言い過ぎでした。訂正します。

栗原潔 2006/12/06 07:29

>まず、私の認識では「海賊版のダウンロードを
>(今後も)守るべき個人の権利」だと記した条文
>はどこにもありません。
これは当たり前です。法律は現時点での取り決めを表した物で、今後とも絶対こうあるべきと規定する法律があるわけもありません。強いていてば、日本国憲法9条(武力権を*永遠*に放棄)がそうですが、それでも憲法改正論があるのはご存じの通りです。
>[著作権者の許諾なしに私的利用のために著作物
>をダウンロードする権利を]「今後も守るべき権
>利」と主張しているのは、今のところ栗原さんと
>半日庵さんのお二方のみです。
これは事実誤認でしょう。フランス下院に加えて、11/28のコメントでご紹介したリンク先に文化庁の審議会において「短絡的に規制を行うことについては反対の意見を示す声が多数を占めた。」との記載があります。また、mohnoさんのエントリーで紹介されている子飼弾さんのブログでも弾さんは反対されています。これだけで多数派と言えるかどうかは別なので訂正はしますが。ただ、文化庁審議会の意見はそれなりに影響力強いですよ。
さらに言うならば、EFFの意見もスキームは別として基本的には私と同じです。禁止するのではなく金を流す仕組みを作れと言うことですから。ひょっとして、私が、「著作権者の許諾なしに私的利用のために著作物をダウンロードでできる権利」(mohnoさんの用語では「海賊版をダウンロードできる権利」)と言ったときに、mohnoさんは「*無料で*ダウンロードできる権利」と脳内で拡大解釈してないですか?
国民には教育を受ける権利があるとか知る権利があると言ったときには、これらの権利を無料で行使できるという意味ではないですよ(正当な対価を払えば)これらの権利を行使できるということです。敢えて説明するまでもないことですが。

allen 2006/12/06 07:49

まず違法行為が先に来て「アップロード自体が宣伝になる」とか「誰が損失を負ったのか」とか「コピーとメモリでデジタルは出来ている。」とか、後付理論武装をする。うるさいよ。そういうことは法を守ってから言え。
http://soulwarden.exblog.jp/m2006-12-01#4311422

栗原潔 2006/12/06 07:52

はい、著作権者の許諾を得ないアップロードは違法でいけないことですね。で、それが何か?

mohno 2006/12/06 08:29

あれまーー。
> 「*無料で*ダウンロードできる権利」と脳内で拡大解釈
“拡大解釈”ですか・・・。
現在の著作権法では「無料でダウンロードできる権利」があるわけですよね。なぜ“無料で”だけを“権利”から外して考えられるのか、ちょっとわかりません、
> 短絡的な規制について反対を示す声が多数を占めた
この理由は「海賊版のダウンロードを今後も守るべき権利」だと考えているからなのでしょうか。当たり前ですが私的複製の規制につながってしまうような“短絡的な規制”には私も反対です。このエントリへのコメントにもあったように、今回の法案に対する「反対意見」を「海賊版のダウンロードを守るべき権利」に直結させないでください。
それと eff.org の提案と、栗原さんの11/29の提案について「ひとつの意見で、おかしなものではない」と書きましたが、よく考えるとやっぱり近視眼的で非現実的だと思います(非現実的だというのは前にも書きましたが、それ以上に実現不能)。11/29 のエントリに「対案」を書いていますので、そちらを読んでコメントくださいませんか? 話をすすめましょう。

栗原潔 2006/12/06 09:52

著作権法30条では私的複製の権利について規定していますが、常に無料でできるとはしていません。デジタル機器への録音には補償金という形で間接的に利用者が権利者に金を払う規定になっています。この規定の趣旨を今後も守るべきだというのが私の意見です。
何度も書いているように、ここの議論の文脈での「海賊版のダウンロードできる権利」とは「著作権者の許諾を得ない私的利用のためのダウンロードを行なう権利」というのが私の定義です。(無料で)とは明記していませんが、何の対価もなしにダウンロードさせていてはコンテンツビジネスとして成立しませんので、そんなことはわざわざ書くまでもないと思っていました。そもそも、先のコメントにも書いたように「権利」には(無料で)という概念は当然には入ってません。
#補足、ここで有料か無料かと言っているのは、ユーザーから見て有料か無かだけではなく、補償金等の仕組みで著作権者に金が還元されることも含んでいます。
mohonoさんの定義では「海賊版のダウンロードできる権利」=「*正当な対価を一切払わず*著作権者の許諾も得ずダウンロードできる権利」だったということですね?まあそれならそれで定義が違ってましたねということでよいのですが、2006/12/05 01:34のコメントでmohnoさんの定義を説明された時にこのように説明していただけていれば、お互い無駄な時間を使わなくて済んだと思います。
スキームの話はまた別途。

mohno 2006/12/06 12:04

そうですか。それは失礼しました。お詫びします。

名無し 2006/12/06 15:29

始めまして、栗原様
お伺いしたいのですが、今現在、著作権者の許可を得ないで、ネットワーク上から有料でダウンロードをしている方と言うのはいらっしゃるのでしょうか?
少なくとも、今問題になっているWinnyやYoutube等は、無料でダウンロードされている方がほとんど(と言うよりも全て?)なのではないでしょうか?
mohnoさんと同様に、このような現状で、あえて「無料で」だけを切り離して考える理由がわかりません。

栗原潔 2006/12/06 16:44

現状では、ユーザーの立場からは無料に見えますが、実際にはCD-R(録音用)等の価格には補償金が上乗せされてますので(充分であるかは別として)間接的には著作権者に対価が支払われてます。
私の今までのコメントは著作権者に何らかの形で金が流れることを当然の前提として、それでも著作権者の許諾がいるのかという話しをしています。ちょっとこの辺を省略しすぎてわかりにくかったかもしれません。

名無し 2006/12/06 18:11

栗原様
たびたびもうしわけないのですが、その保証金は、データ用として家電量販店で売られている大多数のCD-RやDVD-R、それに類するメディアには課されていなかったと思うのですがどうでしょうか?
大多数の方がデータ用と銘打ったメディアや、(仮にそれらのメディアにも保証金が課せられているのだとしても)そもそも現状では保証金が課されていないHDDやメディアプレイヤーを使用している状態では、支払われているとは到底考えられないのではないでしょうか?
蛇足ですが、保証金制度自体の見直しすら考えられている現状(この制度の不透明感を考えれば当然ですが)では、それすらなくなってしまう可能性もありますよね?
また、十分でない保証金で、著作権者に正しい利益が流れているとも思えません。
何をもって正しい利益と考えるかは個人差があるでしょうが、少なくとも、制作(創作)活動を行えない対価しか得られないようなら、その活動を停止せざるを得ないわけで、結果としては文化的な損失(=我々ユーザーの損失)になるのではないでしょうか?
栗原様のおっしゃる「著作権者に何らかの形で金が流れることを当然の前提」が、「正当な対価が支払われること」を前提としているのならわかりますが、現状のネット上での海賊版ダウンロードではとても正当な対価が支払われているとは思えません。
逆に、正当な対価(少なくとも著作権者がそう思う額)が著作権者に支払われるのであれば、このブログの議論自体が意味をなさなくなるのではないでしょうか?
なぜなら、著作権者は正当な対価を支払ってダウンロードするユーザーに対して、承諾しない意味がありません(つまり海賊版ではなくなる)から。
もちろん、今回の法改正の動きには、問題が多数含まれていることはわかりますが、なんらかの規制が必要なことも事実だと思います。

mohno 2006/12/07 03:12

前提の誤認について、改めてお詫びします。
念のための確認ですが、栗原さんは「何の対価もなしにダウンロードさせていてはコンテンツビジネスとして成立しない」という理由により、「*正当な対価を一切払わず*著作権者の許諾も得ないコンテンツ」をダウンロードする権利についての規制を考えることは、特に近視眼的発想ではないとお考えということでよろしいですね?
一応、朝日新聞の記事では「正当な利益を得られない制作者」という表現がありますので、知的財産戦略本部が「海賊版」という言葉で表現していたのは、対価のともなわないコンテンツではないかと思いますので、念のため。
※記事の新URL → http://www.asahi.com/digital/internet/TKY200611230288.html

B-10 2006/12/08 01:52

あはは、 凄い内容ですね (^^ゞ
「無料でダウンロードできる権利」ですか・・・

別の問題として、著作権者側の「無料でダウンロードさせたい」
というのも同時に考えなければいけませんね
例えば、ホームページなどの「自慢の愛車の動画配信」等です

この場合、ダウンロードをする側は“なぜ無料なのか”が分かりませんね
それが著作権者側の意向なのか、はたまた違法アップロードなのか
実際にダウンロードをして中身を確かめない事には絶対に判断は出来ません
仮にダウンロードをして、中身を確認したとしても
実態の把握は利用者側には永遠に謎でしょうし
ダウンロードが有料だからといって
必ずしもその利益が著作権者側に支払われるとも限りません
実は有料の違法アップロード物って事も考えられるからです

そして無料配布だと思ってダウンロードしてみたら実は違法物で、
違法になってしまって利用者が処罰されるのでは困り物ですね
中身を確認してはじめてそれが違法物だと判明するので
>「侵害行為」は「ダウンロードした時点」ではなく
>「視聴した時点」で考えるべき
というのは、的外れと考えられます
これでは利用者は手軽にダウンロードできなくなってしまいます

↑で書いたこれらの問題を回避するために
ダウンロードそのものを技術的に制限する事で規制とする場合、
違法物であるかどうかをどうやって判断するのかがネックになります
第三者の機関にゆだねる事になりますが、その処理量は膨大になります
アップロードしてから実際に公開されるまでにかなりの期間が必要となり
かつ、人件費として多大な費用も掛かります、実現は難しいでしょう

「海賊版のダウンロードをOKとする」
という考え方を持っている人は少数派だと思いますが
海賊版のダウンロードを違法とする事で発生する弊害による不利益の方が
規制によって得られる利益よりも大きいのでは話になりません
法的に規制したからといって、技術的な問題から 実行が難しいので
実行力を伴わない法改正では意味がありません

仮に海賊版と思われる物のダウンロードを一律に違法とできても
その判断は利用者側に任される事になりますので効果があるか疑問です
また、勝手に送り付けられたり、偽装されたりと色々な問題も残るでしょう
そして利用者の利便性を著しく損なう事になりますので
著作権法の「文化の発展」という本来の目的が失われてしまう事になりかねないです
バランスを考えると、今のところは合法とするのが妥当だと思われます

mohno 2006/12/08 03:53

B-10 さん、条文として適切に解決できるという確信は(今のところ)誰も持っていないと思いますよ。少なくとも私は持っていません。それこそ、偽ブランド品の意図的な購入でも反対意見があったわけですから、故意ではない海賊版のダウンロード(視聴)まで規制されることは、まずないでしょう。そこまで規制されるのなら、私が断固反対します :-) また、今のところ合法という点も、(ここでは)誰も反対していません。
ただ、「意図的」なダウンロード(視聴)を規制できるなら、実効力はあると思いますよ。たとえば、それが違法行為だという認知が広まったら、そういうコンテンツをブログや掲示板で紹介する人は確実に減ると思います。実は、そうなれば YouTube への違法コンテンツの投稿も減って、健全なコンテンツが中心になっていく気はするんですね。そういう推測を書くような立場じゃないんですが^_^;

grant 2006/12/08 10:46

消費者がそんなに偉いのか
http://blogs.itmedia.co.jp/itconcierge/2006/12/post_257f.html
僕たち消費者は、提供してもらうことに感謝すべきですよね。売り手にも客を選ぶ権利はあるのですから。
売り手も買い手も対等である。これが基本だと思うんです。しかし、何であんなに横柄な態度になるんでしょうかねぇ... 

mohno 2006/12/08 12:47

> 僕たち消費者は、提供してもらうことに感謝すべき
い、いや、そこまでは^_^;
ちなみに、正当な対価が支払われないという意味での海賊版の利用者は、「消費者」の定義にはふさわしくないと思います("べき論”として:-p)。

栗原潔 2006/12/08 13:07

>>mohnoさん(2006/12/07 03:12のコメント)
mohnoさんのブログにおいて海賊版の定義を説明された時に「著作権者の許可を受けないで複製・販売される書籍・テープ・ソフトウエアなど」というオンライン辞書の定義を引用されたので、「許諾のあるなし」が海賊版と正規版の差と認識しておりました。この辺をもう少し明確に定義してから議論を勧めるべきであったかと反省しております。
また、いずれにせよ、今後この問題を議論する時には「海賊版」という言葉は避けるべきと考えます。違法か合法か(解釈論)あるいは、違法であるべきか合法であるべきか(立法論)を議論している時に、「海賊版」という違法と自動的に連想される表現を使用するのはあまり好ましくないと思うからです。

mohno 2006/12/08 13:11

はい。ですから、すべて栗原さんの言葉で以下のとおり表現しました。
> 「何の対価もなしにダウンロードさせていてはコンテンツビジネスとして成立しない」という理由により、「*正当な対価を一切払わず*著作権者の許諾も得ないコンテンツ」をダウンロードする権利についての規制を考えること
これは近視眼的ではないのですよね?

栗原潔 2006/12/08 13:57

*正当な対価を一切払わず*→「補償金等ユーザーが直接的には支払わない対価も含めて権利者に対価が一切還元しない」という定義であれば妥当であると思います(近視眼的とは考えません)。ただ、この規制だけを考えて、他の選択肢を排除するのは近視眼的と考えます。

mohno 2006/12/08 14:20

> 他の選択肢を排除するのは近視眼的
もちろんですとも。というより、包括ライセンスで対価を徴収するのも広義では規制の一種ですよね。
もう一つお詫びがあって、途中で「ベルヌ条約を批准したとは思えない国」という表現を使いましたが、ベルヌ条約は他国の著作物を自国の著作物と同等以上に扱うというものなので、この指摘は的外れでした。カナダ・フランスは、世界知的所有権機関(WIPO) の "WIPO Phonograms and Performances Treaty"(WPPT)を批准していないからこういう判断ができるのですね。WPPT は著作物が配信される際に著作権者が正当な対価を受け取る権利が定められているので、これを批准しているアメリカや日本ではありえない判断ということになります。
では、スキームに進みましょう:-)
→ http://blogs.itmedia.co.jp/kurikiyo/2006/11/post_b7b1.html

栗原潔 2006/12/08 15:10

スキームの話に進む前に、前提知識の共有をしたいのでいくつかエントリーを書きます(解釈論vs立法論の議論はその第1弾)。それらをふまえてあるべきスキーム(立法論)について議論したいと思います。

半日庵 2006/12/20 00:35

議論がいつになく活発でついていけなくなってしまい様子をみていました。ただおかげでmohnoさん、栗原さんの考えをより知ることができました。
mohnoさんは撤回して欲しいとのことですが「海賊版が多いから関連する行為を禁止しろというのは、あまりに幼稚な発想」という意見は変わりません。理由は禁止することで創作活動が保障されるのかという問いに答えていないからです。
さらに今回の議論の対象のような不法コピーと正当コピーを一般ユーザが判断することが難しい場合はなおさら「禁止しろ」いう意見が薄ぺらく感じられます。せめて、具体的な方法ぐらいは提案してもらわないと、小学生の意見と見分けがつきません。
残念ながら議論全体をみてもmohnoさんがクリエータ(著作物を作った人)の利益を確保するためにどうすべきと考えているのか見えてきませんでした。つまり全体としての形があってその実現の方法として規制すべきと言っているというより、単純に不法だからダメと言っているようにしか見えないのです。

栗原さんの権利者の許可を受けないダウンロードに対する意見は思っていたより私に近いようです。私の読みとった違いはクリエータに対して著作物を使用した対価を何らかの方法で支払うと栗原さんが考えているのに対して、私は、それだけではなく、例え直接的に対価が支払われなくても結果的にクリエータが潤えばよいと考えていることです。
私自身は不法コピーであっても上手く使えば、業界全体の発展に役に立つと考えています。一例として不法コピーであっても良いものに触れる事で新しいクリエータが育つからです。そのあたり上手に使えれば今の音楽業界のような低落傾向にはならないと思います。まあ、いうほど簡単ではないでしょうけどね。

mohno 2006/12/20 03:40

以下は、「海賊版」=「正当な対価の支払いのないダウンロード」という前提で書いています。
> 海賊版を禁止することで創作活動が保障されるのか
まず、モラルの問題があります。栗原さんは「海賊版による被害はそれほど大きく」という記事を紹介されましたが、この推測が正しいとしても、「被害が大きくないから見逃してよい」ということにはならないというのが私の意見です。だいぶ前の話ですが、クレジットカードの不正使用による被害は小額の保険でカバーできるほど小さく、カード保有者、カード会社、保険会社のいずれも損がない、という話がありました。だからといって、こうした不正使用を放置してよいわけではありません。正当な利用者は、こうした不正を快く思いませんし、モラルハザードを招きかねません。
また、上記の推測が正しくない、つまり被害が大きい可能性も否定はできないでしょう。
> 不法コピーと正当コピーを一般ユーザが判断することが難しい
疑わしきも罰せよ、とは言っていません。たとえば「Winny で SMAP の楽曲を検索してダウンロードする」といった行為は禁止してよいと思います。それをどのように特定(証明)するかという技術的なことは論じていません。これは「盗みをやめろ」という程度に単純なことですが、子供にもわかることだからといって幼稚だという認識は、以前も今もありません。
> クリエータ(著作物を作った人)の利益
不法コピーをうまく使うとはどういうことでしょうか。直接的(広範な課金)でも、間接的(広告モデルなど)でも、クリエイタが納得する「潤う」モデルがあるなら、私はそれを海賊版とは呼びません。クリエイタが納得しないなら、それは「押し付け」です。
> 不法コピーであっても良いものに触れる事で新しいクリエータが育つ
そもそも海賊版の利用者のほとんどはクリエイタではありません。
また、クリエイタの中には海賊版の利用で刺激される人もいるでしょうが、だからといって海賊版の利用を正当化すべきではありません。ときどき、「昔はこんな悪いことをした」と自慢げに話す芸能人がいます。悪いことをした人でも努力すれば成功できるんだよ、と言いたいのかもしれませんが、「悪いことをしても大丈夫」という短絡的な印象を与えかねず好ましくないというのが私の考えです。
私の考えが幼稚であるかは、水掛け論になるだけでしょうから、読者の判断にゆだねます。

allen 2006/12/20 11:51

>一例として不法コピーであっても良いものに触れる事で新しいクリエータが育つからです。
 美術評論家は、多くの素晴らしい芸術に触れていますが、クリエーターになれるかどうかは、まったく別の問題です。優れた芸術には、作家自身の個性や表現力、創造力が必要だからです。
 アーティストの創造性や努力の結晶である作品に正当な対価を支払わない人間が、他人から尊敬される作品を作れるでしょうか。ソフトウエア開発で、他のソフトを下敷きにして、改良版を作るというのはありでしょうが、芸術でそれをやったら単なるパクリです。
 最近では、昔の名画のDVDなどがびっくりするような安い値段で売られています。レンタルだってあります。数百円のレンタル代も払えないのですか?。最近、学校給食費の未払いが問題となっていますが、不法ダウンロードを容認する人々は、「払えない」のではなく、「払わない」確信犯だと思います。

拝松徒 2006/12/20 16:45

どうも、偉そうに糾弾しているひとは未許諾複製と海賊行為を混同しているように思えるのだけれど。
世の中に有る著作権の存在する作品は、音楽やビデオ作品だけではなく、画像やテキスト作品も有る、いやむしろそう言った作品の方が多い。
海賊版のダウンロードが全て犯罪だとした場合、悪意を持ってサイトを構成すれば、そのサイトを閲覧したひとを全て犯罪者として告発することが可能になります。(何故それがはっきりと言えるか、判らないひとはもっと勉強して出直してください)
 
>アーティストの創造性や努力の結晶である作品に正当な対価を支払わない人間が、他人から尊敬される作品を作れるでしょうか。芸術でそれをやったら単なるパクリです。
 
貴方は芸術作品の作成を勉強したことが無いか、札片で横っ面はたけば芸術作品が出来ると思っている人。
世の中探せばいくらでも出てくるし、古くから本歌取り、模写、パロディ、パスティーシュ、ライトモチーフなどという手法はたくさんある。
それが全て駄作で、唾棄するような物ばかりだというのなら、かの文豪も、あの大作曲家も不潔な泥棒って事になります。
作者に正当な対価を払うことに大してやぶさかではないが、強欲なピンハネ団体に金を払うのは、現状では仕方がないが嫌悪を感じる。
ピンハネ団体の傲慢さに比べたら、P2Pで細々ビクビク未許諾複製のやり取りやっているのなんて可愛いものです。
組織的な海賊行為を善しとはしないけれど、それがそれが仮に海賊版だったとしても、作品に触れる機会を奪うのは良い事ではないと思う。
狭量な正義感で小市民を虐めるより、寛大な心で作品を愛してくれることを切に願う。
他人の心に触れない限り、どんなに優れた作品でも存在しないのと同じことなのだから。

mohno 2006/12/20 18:51

やれやれ。これ以上、混同のないよう注意して書いたつもりなんですがね。
拝松徒さんは、P2P でビクビク未許諾複製を「やり取り」しているんですか? あえて悪く取ると「どうせ政治家なんて悪いやつばかりだから、俺がちょっと万引きするくらい気にするなよ」という話に聞こえますよ。
何度も繰り返しているんですが、悪意をもって構築されたサイトの善意の閲覧者が犯罪者として告発されることを望んでなんかいません。「Winny で SMAP の楽曲を検索してダウンロードする」は「善意」と解釈するんですか? だとしたら「意見の相違」です。私は同意しません。解釈の波及を恐れているなら、それは技術的な話で論じていません。いい加減、こういう問題のすりかえはやめてもらえないですかね。
拝松徒さんは、芸術作品の作成を勉強したことがあるんですか? Winny が出回り始めて何年も経つわけですが、「Winny があったから、ここまで成長できました」なんて芸術家がどこかにいるんでしょうか。
> 狭量な正義感
この言葉、そっくりお返ししますよ。

栗原潔【業務連絡】 2006/12/20 18:53

荒れ模様なので一時コメント停止します。


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