栗原潔のテクノロジー時評Ver2:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 栗原潔のテクノロジー時評Ver2

知財、ユビキタス、企業コンピューティング関連ニュースに言いたい放題

« 2005年9月9日

2005年9月12日の投稿

2005年9月16日 »

話のタネくらいのつもりで書いたのまネコ問題ですが、想定外の反響でちょっとびっくりしています。ちょっと刺激的に書きすぎたかなーとも思いますが、自分の書いたことには責任持ちまっせー。ただ、あらぬ誤解が生じるとまずいので、何点かフォローしておきます。

1.弁理士

私は弁護士ではなくて弁理士です(自営のITコンサルタントやりつつ、弁理士もやってると言った方が正しいかな)。弁理士とは、大きく言うと、特許・商標・意匠等の出願代理等の業務を行う人です。著作権の契約関係の仕事なんかもできることになってます。弁護士が法律一般の専門家であるのに対して、弁理士は知的財産権の専門家です。

ゆえに、前のエントリーに書いた「不買運動は消費者の権利」というのはあくまでも(知財を勉強した)ひとりのオッサンとしての意見なので、これをもって「弁理士のお墨付きをもらった」と言われるとちょっと困ってしまいます。

2.「AVEXの対応は~まずい」について

前のエントリーに書いた「著作権をビジネスの種にしている企業としては明らかにまずい」という表現ですが、ニュアンスとしては「AVEX、けしからん」というよりも、「AVEX、イメージ戦略下手すぎ」ということです。2ちゃんから生まれたキャラクターであることを最初から明確化(いわゆる、リスペクトですよ)して、グッズ売り上げの一部をサーバ代に寄付でもしておけば、めちゃくちゃイメージあがったと思います。

今の彼らのやり方の損と得を考えると、明らかに損の方が大きい気がします。なぜ、タカラが「ギコ猫」の商標登録を思いとどまったかを考えるべきだと思います。

3.ブログへのコメントについて

質問には可能な限り答えるようにしてますが、時間の制約もあり、すべてに回答というわけにいかない点をご了承ください。また、客観的事実を聞く質問(例:「商標権と著作権はどう違うの?」)はよいのですが、私のポジションを聞く質問(例:「AVEXがまとめサイトに圧力かけてるようですが、どう思いますか?」)にはちょっと回答しにくいですね。まあ、もし回答したとしても弁理士としての意見ではなく(そもそも、この例の質問は弁理士の業務範囲外)ひとりのオッサンの意見と見てください。

4.コモンズとかコピーレフト

コミュニティの共有知財を現在の法律でどう扱うべきかはかなり難しい問題ですね。ちょっとほとぼりが冷めて、かつ、ある程度理論武装できた段階で、また書いてみようと思います。しかし、今回の件ってネット系の論客の人であんまり論じてる人いないような気がしますが、どうなんでしょうか?

栗原 潔

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栗原 潔

栗原 潔

株式会社テックバイザージェイピー(TVJP) 代表取締役 弁理士
IT、知財、翻訳サービスを中心とした新しいタイプのリサーチ会社を目指しています。

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