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Pipin ATMARKとコンピュータの黒歴史

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会社の古い資料を整理してたらなつかしいPipin ATMARKのパンフレットが出てきました。

docu0002 若い方はご存知ないかもしれませんが、1996年にバンダイが売り出したPowerMac(一応)互換の家庭用コンピュータです。家庭用としては成功しなかったので、ポジショニングを変えてビジネス用のイントラネット端末として売り出したころのパンフと思われます。当時は、オラクルがNC(Network Computer)をプロモーションしてた時期で、Wintelに代わるシンクライアント機器が話題になっていたので、その流れに乗ろうとしたのでしょう(たぶん、自分はシンクライアントに関する調査の一環としてPipinのパンフを保存してたと思われます。)結局、仕様が中途半端だったこともあって、Pipin ATMARKはビジネス用としても成功できずに終わってしまいました。バンダイとしてはなかったことにしたい歴史でしょう。

こういう「なかったことにしたい歴史」のことを黒歴史というらしいですね(語源はガンダムかなんからしいですが、自分はアニメ系まったく疎いのでよくわかりません。)黒歴史というとはてなダイアリーに「黒歴史::コンピュータ」のエントリーがあって結構面白いです。

例としては「NTTにおけるCAPTAINシステム」等 ^_^; (「○○における△△」と書くのが決まり?)。ただ、ちょっと内容がパソコン系に傾きすぎて企業コンピューティング系がちょっと薄いかなと思ったりします。

このblogでネタが切れた時には、黒歴史:IT業界版シリーズでもやってみようかなと思ってます。たとえば、

オラクルにおけるNC

マイクロソフトにおけるBOB(古すぎ?)

HPにおけるe-speak

IBMにおけるWorkplace OS

SunにおけるJini

通産省におけるシグマプロジェクト

等々

なんか波風立ちそう ^_^; だけど、「なぜ当時はうまくいかなかったのか?」「今、やり直せばうまくいくのか?」等を考えることで前向きのネタにできるかもしれません。読者の皆さんも良いネタあったら教えてくださいね→kurikiyo@kurikiyo.com

Comment(32)

コメント

IBM の Workplace OS を入れるのでしたら ThinkPad Power Series や Apple の OpenDoc も入るかと。マイクロソフトの Fahrenheit や SUN の NC に対抗して作った NetPC も黒歴史の一部かなと思います。

あとピピンがでた頃は Java のパフォーマンスが悪いと盛んに言われていて SUN が Java のハードウェアアクセラレーターを本気で作ろうとしてそれを NC に積もうとしていた記憶がありますね。そういえばCNETがテレビで放送されていたのもこの頃だった気がします・・・。

本田雅一

カライダとかピンクなんかは製品にもならなかったか。
パソコンじゃないけどディップスなんかは暗黒ものだと思うなぁ。
家電業界だとHAVIとか、NECのなんとかっていう光ディスク。忘れた。
マイクロソフトならAtWorkかな。

NEC の光ディスクというのは MVD の事ですか?

でもあの技術は PD から DVD-RAM へ進化して行き、そこから MVD を通して HD-DVD へと続いていると思うのですが。少なくとも NEC はそう主張しそうです^^; CD & DVD が再生できない時点で売るきなさそうでしたけどね。

HAVi は PS2 が IEEE1394 を使い切れなかったのがすべての敗因かと思います。そういえば PlayStation BB 構想も無かった事にされている気がするのですが。

栗原 潔

>>Norahさん
当時のNC系はすべて黒歴史といってよいでしょうね。で今またシンクライアントのブームが来ていますが、狙いは基本的には変わらないですね。昔とかなり技術環境が違うので今回はある程度普及すると思いますが。
>>本田さん
Pinkってありましたね。Taligentって会社まであったんですよね。SCO事件の元となったProject Monterey(SCO、IBM、Sequent)なんてのもありました。「複数ベンダーによるOS共同開発は失敗する」とジンクス化できそうな気もします(反例あるかな?)。
何か記憶をたどればいくらでも出てきそうな気がしてきました。どっかのサーバでWikiでも立ててみようかな。

浅井(龍)

浅井(龍)です。
以下、記憶間違いでしたらすみません。
SUN3 i386(という名前だったと思います)というのもどうでしょうか? 80年代末か90年に瞬間登場したIntelプロセッサをベースにしたUNIXワークステーションだったように記憶しています。Java登場前、サーバ・ビジネスへの戦略転換前の話です。

究極のデスクトップ・メタファと少数の人が信奉していた「Bob(だったと思います)」というのもありましたね。確か、机やら引き出しやらカレンダーが描かれていて犬(Bob)がナビゲーションするという趣向でした。MSの会長お気に入りのVPがプロダクト統括者だと聞いた覚えがあります。あれは、デュークが踊り始めて1年後くらい経った頃だったころだったような。

栗原 潔

MSのBOBで培われた技術はOfficeのイルカに結実したんだそうですよ:-)(本当)。
マクネリ氏自身によるSunの黒歴史については私の旧blog http://www.kurikiyo.com/mt/archives/2005/03/post_45.html で書いてます(386iも入ってますね)

90年代中頃に比べると IP 化というインフラが整っているので下地はあると思うのですが。今のシンクライアントブームは IT 系のメディアが広告料目当てに煽っているふしがあるきがするのですが。それにコストの削減効果が怪しいのも・・・。本当は家庭にこそシンクライアントを持ち込むべきだと思うんですけどね。

Office のイルカの前に MS Agent のジニー & マーリンがいたを忘れないでください。^^

栗原 潔

>>Norahさん
今のシンクライアントの推進要素はコスト面よりもセキュリティでしょうね。セキュリティの重要性は今も昔も変わりませんが、今はユーザーが切羽詰っているということで、ニーズははるかに高いのではと思います。
そういえば、ちょっと前に某トレードショーでセコムのブースになぜかSunRayが展示してあって、何でと思ったらセキュリティつながりということがありました。

シンクライアントを導入すればセキュアな環境が手に入ると経営者は思い込んでいるふしがあると思うのですが?

シンクライアントを導入してもサーバー叩かれたらおしまいじゃんと思ってしまうんですがね^^;。
SunRayはシンクライアントと言うよりも、汎用性の高いキオスク端末という印象の方が強いです。

本田雅一

BOBは確かプロダクトマネージャがゲイツの奥さんだったかな。
BOBという文字列を含むファイル名を検索するとたくさん出てくるのがわかると思います。DLL名は変更していないんで。

今ではMS自身が流すパロディビデオの中で、バルマーが
「今、ボブを買うとダイヤモンドが当たるよ!」
って宣伝するシーンが挿入されたり、自虐ネタの最右翼になって
います。マイクロソフトコードレスフォンとボブの売れないこと
といったら、もうかなり凄かった。

anonymous

え? Workplace?
じゃなくて「Workplace OS」なんですね。そんなところに潮流があったのか・・^_^;

ピピンアットマークは、そんな悪あがきをしていたのですね。知りませんでした。

anonymous

ついでに古いネタ。

Steve Jobs の Next
IBM-PC における MCA(Micro Channel Architecture)
Oracle の PowerObjects
(EPSONではない)PC-9801互換機
PC-9801 & IBM-PC 両互換機
Microsoft Quick Pascal
アスキー映画
ワープロソフト「Wordy」

栗原 潔

>>本田さん
Bobは日本では発売に至らなかったけど、米国では実際に販売してたんですね。市場性があるとは思えないですが、やはりゲーツの彼女(当時)のプロジェクトということで社内ではボツにできなかったのでしょうか?
>>anonymousさん
私は1990年代初めはIBMの中の人だったので知ってるんですよ。当時、IBMは独自システムからオープン系への移行で迷走していた時期で、黒歴史は山のようにありますね(あまりマイナーな製品の話を書いてもしょうがないですけどね)。
Workplace OSは、MACHのマイクロカーネル上で、OS/2、UNIX(AIX)、DOSのアプリケーションを並行稼動するという計画で結局頓挫、シェルのところだけが残ってOS/2 Warpになったんですね。Warpも微妙に黒歴史かなー?(ただ、物としては良かったので厳密には黒歴史ではないかも。)山口智子がCMやってたんですよね。

Pippin@の話に無理やり戻りますが、後にバンダイの山科社長(当時)が、WonderSwan発売時に「WonderSwanはPippinの後継機」と発言、翌日クーデターが勃発して代表権のない会長に追いやられた、というおまけまであります。Pippin@を黒歴史として語るときのエピソードの一つに加えてあげてください。

栗原 潔

>>inoueさん
なんかすごい話ですねー。発言とクーデーターの間に因果関係はあるのでしょうか?「ピピンで果たせなかった夢を~」くらいにしておけば良かったのでしょうが。

山口智子の CM で DOS がペンギンで現されていてそのせいでいまだにペンギン=Linuxに違和感があります^^。キャッチコピーは「DOSもWindowsもOS/2」だったかと。

でも OS/2 Ver.1 は十分に黒歴史に入ると思います。なんで286ベースで開発されていたのかいまだに謎です。DOS Shell なんていうのもありました。

PC-98系の黒歴史を開けると切がない気がします^^;例えば PC-100(このパソコンの闇は深いです)やPC-98XAとか。

歴史的な事実としては、
1997/5/27 山科社長が何らかの席上(資料を発見できなかったため不明)において「ワンダースワンはピピンの後継機」と発言
1997/5/28 山科社長がセガとの合併解消とそれに伴う混乱の責任を取り辞任、代表権のない会長に就任
というのが、外から見えたことです。
しかし、Pippin@の失敗、セガとの合併解消から、山科社長の能力に対する不信が非常に高まっていたことと、あまりに絶妙なタイミングだったこと、ワンダースワンについて積極的に発言するなど、山科社長自身は積極的に経営にかかわっていく意思を見せていたことから、この辞任はクーデターで、最後の引き金が後継機発言だったのだろう(前から準備が行われていなければ、クーデターは不可能です)、というのが、当時のもっぱらのうわさでした。

栗原 潔

>>Norahさん
だー、実は私はOS/2 v1は開発部門ではないですがかなり近いところにいたので事情は結構知っています(ヒント:SAA)。いくらでも書けそうなので、後日、別途エントリーを立てて書くことにします。
PC-100ってApple Lisa(これもまた黒?)の対抗機でしたっけ?だけど当時の日本ベンダーの「うだうだ考える前に製品として出しちゃえ」というバイタリティはなつかしい気がします。そういうバイタリティを今持ってるのがSAMSUNGかなと思ったりして。
>>inoueさん
なんかすごい話ですね。私からはノーコメント:-)

anonymous

PC-100 は京セラのOEM機ですね。Lisaのような運命をたどったかもしれませんが、Lisa対抗と銘打って出されたわけではないような。
ワンダースワンはCPUが8086系で、ワンダーウィッチという一般向けの開発ツールまで出たところが個人的には大変魅力的だったのですが、しぼんでしまいましたね。

ippei

MagicLinkもお忘れなく。
その当時、NTTが日本語版のフィールドテストをやっていましたね。

はじめまして。

Pipin ATMARKは、目玉的ソフトだったミュージシャンのCD-ROMがタイミング良く出ていれば……という感じがします(確かユーミンのソフトが予定されていたはず)。

 個人的にはGOのPenPointが思い出されますね。
ペンの扱いや文字のアンチエリアシングなど、非常に先進的なOSだったのですが、残念です。

 今開発してうまくいきそうなのは、NEXTSTEP(OPENSTEP)が採用していたDisplay PostScriptでしょうか。別に失敗していたわけではないと思いますが、当時の技術では重かった……。
 考え方自体はMacOS Xなどに組み込まれていると思いましたが、やはりPS言語をそのまま流す、というすごい発想がインパクト絶大だったのです(^^;

以下余談:
 Workplace OSは発展的解消としてPReP構想に組み込まれ、Taligent(の作る予定だったOS)へと向かったような記憶があります。

PC-100が失敗したのは土壇場でNECと京セラが仲違いになって、結局NECはPC-9801をメインに持っていくという判断からPC-100にプレミアをのっけて息の根を止めたのが原因かと・・・。まあ私が生まれて間もない頃(生まれてないかも;)の話なので本当かどうかは知りませんが。
ただ生産終了後も開発は続いていたみたいでHDDを搭載したPC-120(名前は定かでは無いのですが)と言うのを作っていたと言う噂は聞いた事あります。

盛り上がってますね~(笑)。PenPoint、懐かしいですね。FounderのJerry Kaplanは元Lotusだし。PenPoint用の表計算を企画してたことは内緒ですが、もう時効でしょう(笑)。でもPenPointって、どちらかというと年表に残る歴史じゃないでしょうか。つまり、「黒歴史」ではないのでは?これ関係で黒歴史といえば、Microsoftが対抗で出したWindows for Pen Computing (通称PenWindows)とか?(笑)

栗原 潔

なんかすごいペースでレスついてますね:-)ちょっとすべてのレスに返信できるかわかりませんが、思いついたらどんどんレスして下さい。後でまとめエントリー作るかも。
PReP(PowerPC Reference Platform)ありましたねー。ThinkpadのPower版はこの流れだったんですね。当時のIBMは、サーバのLOB間の住み分けがうまくできてなくて、いろんなトンデモ製品を作ってました。Lotus 1-2-3 for Mainframeなんてのもあったんですよ。
NEXTは遅かった。メインのディスクに5インチMOみたいな光ディスクを使っててページングもそこでやってたんですよね。そら遅いわ。

SOU

黒歴史いいですね。AppleではAtEaseでしょう。OracleではPowerObjectsやMediaObjectsよりもPowerBrowserが忘れたい過去かと思います。NeXTに関してはJobs本人よりもCANON社の方が忘れてしまいたいのだと思いますが。いかがでしょうかぁ。わたくし個人的としてはオブジェクト指向型データベース全部!illustara、Objectvityなど。

anonymous

黒歴史といえるか微妙ですが、米NovellのWordperfect買収とか、USLからUnixの権利取得、その後のSCOへの売却といった流れも候補なのではないでしょうか?(もしかしたら2年後にはSuSE買収も黒歴史に入っていたりして(苦笑))

Manabu

話題になったけどそれっきりで、まだ思い出せるもの・・・・

+ Lotus Improv (オモテの歴史のほうかな)
+ HP NewWave (これもオモテかな)
+ BeOS (Zetaとして復活してますが)
+ Castanet (Push型が流行りました)
+ Chicago, Cairo (Longhornにはデジャブ感が・・)
+ Apple III
+ Motorola 88/Open
+ Motorola 68060
+ Motorola MC6809 (古い・・・)

(元anonymous改メ)livinginabox

(黒歴史大賞というほどではないので、こちらで)
インパク
WebTVの日本進出
ジョセフソン素子
三菱MULTI-8、東芝PASOPIA7

昔話は盛り上がりますねぇ:-)

栗原 潔

インパクは殿堂入り候補かも:-)

Manabu

インパクは:
* 一家言ある人すらいない
* 反省もなんもない
* 成果物の活用も何も無く消し去られた
* 最初から主催者と一般の隔たりが大きかった
という点で、シグマ以上に黒ですね。
「インパク音頭」だけがマイヒット・・・

はやし

富士通のFM-Townsなんてどうですか。南野陽子を使った前宣伝でかなり気合が入っていました。当時この会社に勤めていたので、社内のプレゼンはこのマシンを使わないといけなくて苦労しました。

ちなみに横浜ランドマークタワーはFM-Townsをまだ現役で、空調申請などをするときには使います。

TOWNSに関しては、本体よりもMarty(TOWNS版Pipinとも呼べるコンテンツ再生用マシン)の方が黒っぽくないでしょうか(^^;

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