テクノロジーのマーケティング、テクノロジーによるマーケティングが生み出すインパクト

B2B マーケティングのトランスフォーメーション

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WP_20160326_12_52_33_Pro.jpg昨年 Redmond への短期ステイ中に撮影した風景。左は険しい山道である。行くべきか行かざるべきか。

昨年 10 月半ばより、今期になって新設されたコマーシャル マーケティング グループという部門を率いている。本当は 11 月過ぎの異動予定だったのだが、10 月半ばの金曜日、午後休をいただいて優雅なブランチを楽しんでいたところ、当時の上司や上司の秘書からわらわらと緊急連絡、その場で承諾することとなったのである。事情については語れないがあれはさすがに断れない、ということで、異動前の不安と開放感の入り混じったソワソワした時間を楽しみにしていたのだが、明けた月曜、もう社内引越しである。その点は実に残念であった。

「コマーシャルマーケティング」とは

この新部門、もともと存在していた法人向けマーコムのチームと「エンタープライズマーケティング本部」と呼んでいたフィールドマーケティング部門が合体したものなのだが、さまざまな製品やエリアをまたがって法人向けマーケティングを取り纏めており、実にややこしい。容易に想像つくだろうが、とかく「板挟まれる」のだ。営業 vs マーケティング、本社 vs ローカル、インフラ vs 実行、偉い人 vs 現場。最後のやつは当方限定の悲哀であるが、とかく「取り纏め役」ほど損な役回りはない、というのはあらゆる世界において普遍的法則である。

ではなぜそんなややこしい部門が必要なのか、なのだが、それが今後のエントリーの主題である。少なくともわが社では、大胆なマーケティング トランスフォーメーションが求められているのである。

Industry 4.0 やクラウド化の潮流は、IT 投資の意思決定プロセスに大きな影響を与える。意思決定が IT 部門の手を離れユーザー部門に移ってきているとは、最近よく言われる事なのだが、確かに個別の案件においても観察されるようになってきた。しかし、ではいったい「どんな意思決定モデルに移ってきている」のかは、どうにも汎化できない。相手が IT 部門ならば、IT インダストリーの常識にのっとって会話していただけるし、自社のユーザー部門のニーズも取り纏めてもらえる。投資のサイクルやトレンドだって読みやすい。しかし、ユーザー部門の本質的な課題が IT そのものではない以上、IT 投資の意思決定はもっとふんわりしてしまう。そこではたいてい、我々 IT 屋の常識は通じないのである。

マーケティングの構造転換

これに合わせて、我々は B2B マーケティングの発想も根本的に変えなければならない。理由は今後追々紹介していくが、B2C に近づくとも言えるだろうか、精緻に設計された直線的なビッグ キャンペーン ファネルではなく、各段階でトライ アンド エラーを繰り返すエンジンの疎結合モデルが必要になってくるのである。しかしもちろん事はそれほど単純ではなく、引き続き、B2B 特有の制約条件である「意思決定者、出資者、展開者、ユーザーが別々」問題は解決せねばならないし、日本特有の産業構造である「IT エンジニア人口の 75% 以上が IT インダストリー側に所属する」ことから来るビジネスと IT のギャップの橋渡しも必要だ。

そして幸いなことに、近年の新しい IT の発展は、これら諸問題に光明を与えてくれる。ツールはツールであって手段ではないので、正しい使い方を発明せねばならないが、しかし IT がもたらした我々の変化への圧力は、やはり IT で解決するのが筋なのである。

これまでの約 3 年は、デベロッパー エバンジェリズム統括本部で先端テクノロジーのマーケティングにいそしんできた。チームとしての戦略目標は技術者とのエンゲージメントにあったため、実はここでもすでに B2C に近いマーケティング アプローチをとってきた。今回の新部門でのチャレンジは、フィールド マーケティング、営業、製品マーケティング、そして技術マーケティングと渡り歩いてきた当方の、マーケターとしての集大成になる。今後のエントリーにおいては、我々が今使っている、あるいはこれから使おうとしているテクノロジーや、関連する話題、実践を通じた発見などを紹介していこうと思う。

@hirokome on Twitter

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