テクノロジーのマーケティング、テクノロジーによるマーケティングが生み出すインパクト

テクノロジー マーケティングへの挑戦

»

1年以上ぶりの投稿である。もともと筆まめではないうえに、昨年11月に当方の役割が大きく変わり、それどころではなかったのだ。ようやく落ち着いてきたので、本ブログのタイトルも方向性も変えて仕切り直しさせていただくのである。

Technology Marketing の重要性

今は、Developer Experience & Evangelism (略称 DX) という部門でマーケティング部を率いている。DX は、Evangelist (エバンジェリスト) と呼ばれるハイパー エンジニアを何十名も抱え、エンジニアの皆様に、マイクロソフトのテクノロジーやプラットフォームの長期的な価値を訴求する特殊部隊である。5 月まで DPE (Developer & Platform Evangelism) だったのだが、Nokia の DX チーム合流とともに、リニューアル オープンである。

我がマーケティング部には、AMM と PMM が所属している。といっても、勤務シフトを AM と PM に分けているわけでは、決してない。PMM とは Product Marketing Manager の略で、ウチでは Visual Studio の製品マーケティング担当である。製品プロモーションだけでなく、プライシング、ライセンシングから、売上責任を負った Business Development まで行う。当方も昨年 10 月までは Office 関連製品群の PMM として、Excel から SharePoint、PerformancePoint、Lync、Yammer まで、比較的ニッチな方面の製品を立ち上げていた。一方の AMM は Audience Marketing Manager の略で、市場セグメントごとに担当が分かれており、マーケティングの仕組みで Evangelist の活動をスケールさせているのである。MSDN や TechNet などのインフラも当部門の持ち物だ。

Decode

そして今年 5 月末、有償の開発者向けイベント "de:code" (デコード) を、当部門がオーナーとなって実施した (記事参照)。定価 12 万という、国内イベントとしては大胆な価格設定で、ドキドキハラハラの連続であった。東日本大震災以来、エンジニア向けの有償イベントの定番 「TechEd」 を中断しているのだが、これに代わるよりデベロッパー志向のイベントとして、そのブランド名からして新たに作り出したのが今回である。クラウド ファースト、モバイル ファーストと呼ばれる時代になり、テクノロジーはどんどん進化を続け、人も前進を続けなければならない。人の成果を生かしてその上にどんどん新しいものを積み重ねたり、それを一気に壊して作り直したり、といったことが毎日必要なのだ。PMM 時代、とりわけ Yammer という Cloud Born の異文化に触れたことで、その必然性を痛感した。それが今回の当方の異動を大きく後押ししたのである。

Developer としての原体験

当方にも何度かデベロッパーもどきの経験がある。最初はもうかれこれ 30 年近く前。中学生の頃ちょっとしたパソコンブームがあり、兄のお下がりなのだが、NEC PC-9801F という、ガッチャンブーブーうるさい 5 インチフロッピー ドライブを 2 基搭載した、Intel 8086 互換 CPU 搭載の 16 ビット機を使っていた。こういうやつ (外部サイトへリンク) である。当時同年代の主流は NEC PC-8801 シリーズか SHARP X1 あたりで、ゲームソフトも豊富だったのだが、残念ながらビジネス機扱いだった 98 には対応ゲームも少なく、仕方ないのでプログラミングをして遊んでいた。当時の 98 は電源を入れても OS は起動せず、ROM に焼きこまれた開発言語 N88-BASIC が立ち上がり、すぐに開発できるようになっていたのである。とはいえ、ハードディスクもないマシンだったため、2DD だから確か 640 KB だったか、ペラッペラのフロッピー 2枚を使って、年賀状の住所録データベースと宛名印刷プログラムを組む程度が関の山だった。これが人生最初のデベロッパー経験である。プロンプトの上に表示されていた Microsoft Corporation の Copyright 表記を今でも鮮明に覚えている。

しかし、その後その道を極めることはなく、高校からは文系まっしぐら、大学卒業後は証券会社勤務だったわけなのだが、次に触れたテクノロジーが、提案書を作るために買った IBM PS/V Vision という、昔の Macみたいなモニター一体型の Windows 3.1 マシンで、主役はプリインストールの Microsoft Excel であった。そこに株式の銘柄情報と価格リストを入力し、VBA で自動的に推奨レポートを生成、印刷できるようにしたのである。当時、新人はとにかく飛び込み営業で通い詰めて顔覚えてもらえ、と教わったのだが、それが恐ろしく非効率に思えたし、自分向きのやり方でもなかった。定期的にレポートを送るなり投函するなりして有益な情報提供者としての差別化を図りつつ、ついでに手も抜きたかったわけである。それを営業先の IT ベンチャー企業の社長に見せたのが、この業界に入るきっかけであった。

そのベンチャー企業では、米国企業が開発した RDBMS のローカライズと独占販売を行っており、金融機関を中心に結構入っていた。社長の当方への期待値は当然営業なのだが、手に職をつけたいのでと、半分はエンジニアをさせてもらう約束で入社した。データベースまわりのためやや特殊で、DB スキーマ設計、ライブラリやツール開発といったところが主な業務であった。とある大手損保の代理店 CRM や、とある大手証券の自己勘定ポートフォリオのリスク分析システムなど、何件かの開発プロジェクトに携わった。残念ながらその RDBMS が別の会社に買収され、運悪くそこがすでに日本法人を持っており、独占販売権の解消とともに十分なビジネスが確保できなくなったため、再度の転職を決意し今に至るのである。

この部門とこのブログで目指すこと

Microsoft Corporation の新しい CEO である Satya Nadella は元々開発者で、Azure などの開発部門を率いてきた。彼の就任によってマイクロソフトも相当に大きく変わろうとしており、すでにその兆しはあちこちに感じている。日本では当部門がその先陣に立って道を切り開いていきたいと思っているのである。

ブログ タイトルの Technology Marketing には、Technology のマーケティングと Technology によるマーケティングの 2 つの意味を持たせたい。世の中も会社も大きく変わり続ける中で、Technology のマーケティングの正解は常に変化していきそうだし、ある意味当方のライフワークである Business Intelligence テクノロジーが今後のマーケティングにさらに新しい世界をもたらしそうな予感もある。もちろん自分はその先陣を切っていきたいし、ここではテクノロジーの提供者と利用者の双方の観点から、マーケティングを考えなおしてみたいと思っているところである。

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する