プログラミングでメシが食えるか!?

ダイナミック型のカスタムIEM化

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ダイナミック型一発のカスタムIEM化は、カスタムIEM自作をはじめたとき一番最初にやったのですが、ダイナミック型はBA型に比べてなかなか元の状態と同じような音色にできず、失敗の繰り返しでした。さすがにこれだけ作ると、私のような頭の悪い人間でも少しはわかってきて、音道をどうするかがポイントだと思っています。BA型と同じ感じにダイナミック型でも細いチューブでカナル先端まで引っ張り出したのですが、ダイナミック型は振動板が薄いためか、前後の圧力の影響を受けやすく、鼓膜と反対側に空気抜きが必要なだけでなく、鼓膜側も抜けが良くないと変な音になってしまうイメージです。厳密にはどうなのかわかりませんが、自分としては経験的にそんな感じを受けています。なお、BA型でも高音側は音道の影響をかなり受けると思っています。

ということで、そろそろダイナミック型一発でまともなカスタムIEMを!と思い、どれをベースに作るかを物色していたのですが・・・

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Astell&Kern T8iEという製品の中古品を割とお安く手に入れられました。ダイナミック型で評判が良いものをいくつか聴いてみて、とりあえず値段と好みが一番マッチしたのがこれでした。実際に作っているのはヘッドホンで有名なBeyerdynamicです。T8iEの後に、T8iE Mk2が出て、その後、BeyerdynamicブランドでXELENTO REMOTEが出ました。それぞれ微妙に音色も違うようです。

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これは視聴したときに一発で気に入りました。低音が豊かで、高音もなかなか繊細です。

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お気に入りのHeir Audio IEM10.0も小さいですが、それよりもっと小さいです。

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周波数特性は似た感じです。赤い方がT8iEです。やっぱり私はこういうドンシャリタイプが好きみたいです。息子の感想としては低音が出すぎと言っていましたので、好みの違いはあるものです。とはいえ、息子もこれがダイナミック型一発というのはビックリしていました。こんなに高音が綺麗に伸びているのにダイナミック型一発なの!?と。

このままでも十分気に入ったのですが、やっぱりカスタムIEMのフィット感が欲しくなったので、カスタムIEM化をすることにしました。

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とりあえず、前回でメス型が壊れてしまったので・・・

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メス型を作り直します。せっかくなのでMMCXコネクターをつけるあたりを少し型も修正しました。

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わかりにくいですが、左の方がMMCXコネクターの上が盛り上がっています。毎回ここが薄くて気になっていたので・・・。

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私の耳は大きい方なのか、この円柱サイズだと結構ギリギリで、出来上がったメス型に薄いところができてしまうので、壊れやすいのですよねぇ・・・。

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最近はメス型にUVレジンをたっぷり入れて、短時間だけUV照射して中抜きにするのではなく、メス型にちょっとずつUVレジンを塗りつけては固めて、を繰り返して作るようにしています。この方が厚みをコントロールしやすいのと、UVレジンの量を大量に準備しなくて良いので、色をつけるときに無駄になりませんので。その代わり気泡が入りやすいのが玉に瑕・・・

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失敗したり、気に入らなかった場合にも元の状態に戻せるように、T8iE本体はそのまま使います。MMCXコネクターを短く削ったものをT8iEに装着して、そこにリッツ線を半田付けしました。

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ユニットだけ取り出すこともせず、T8iEをそのままシェルに入れます。鼓膜側の空間と背面側が完全に遮断されるように、慎重にUVレジンを流し込んでいきます。UVレジンがT8iEの中にまで入ってしまうとまずいので、それなりに気を使う作業です。

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音の出口側はたっぷりとした空間のままにしてあります。耳の中と同じ状態に近いイメージで。直接耳に装着するのに比べると少し鼓膜との距離が離れてしまうのが残念ですが、細いチューブで引っ張り出したりするよりはこの方が元の音に近くなると私は感じています。

フェースは息子から中身がそのまま見える方がロゴとかが見えるから良い、と言われたので、ハイブリッドウッドとかは使わず、透明なだけにしました。あまり時間をかけられなかったので、気泡が多くて仕上がりはちょっと不本意です。。

なお、背圧抜きは最初なしで、その方が低音のモリモリすぎるのを押さえられるかと思ったのですが、完全に密閉するとこのユニットは本当に圧が抜けなくなるようで、中の温度が変わるだけで音がほとんどならなくなったりしてビックリ!シェルの目立たないところに小さい穴をピンバイスで開けておきましたが、一度原因がわからずフェースを剥がしたりもしたので、ますます見た目が悪くなってしまいました。

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少し左右で音の出口側の空間が違ってしまったので、高音側で特性がばらついていますが、まあ、十分満足です。

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そもそも形も太さも違うので、同じにするのはなかなか難しいのです。まあ、実際の耳穴も左右で違うわけですから、あまり気にしないことに。。

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赤い方が元の状態です。若干中音域が下がり、高音域が強くなったので、よりドンシャリ傾向になりました。実際に聴いた感じでは、カスタムIEM化で遮音性が高まるのと、イヤーピースで吸収されなくなるので、より低音モリモリ・高音も綺麗に感じます。

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赤い方のカスタムIEM化したHeir Audio IEM 10Aiと比較しても、やはり似た傾向です。どちらも魅力的な好みの音ですが、T8iEの方が低音が豊かで、Heir Audio IEM 10Aiの方が高音はスッキリ伸びている感じです。

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やっぱり中低音をダイナミック型にして高音はBA型で、というのが理想的な音になりそうですが、ダイナミック型とBA型のハイブリッドもなかなかバランスを取るのが難しいのですよねぇ。ドライバーをたくさん使うと位相のずれが・・・という人も多いのですが、私は良くわからないです。単純にダイナミック型とBA型で音色の傾向が違うとは感じますが、ダイナミック型はユニットによっての音色が大きく違いますから、一概には言えないですね。

ということで、単にシェルに入れただけではありますが、下手にバラして頑張るよりもこの方がオリジナルに近い音になり、作業も簡単!という感じです。ダイナミック型一発でようやくお気に入りができました。

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