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プログラミングでメシが食えるか!?

カスタムIEM:UE 5EBをリシェル

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カスタムIEM作りも既に12個以上になったと思いますが、まだまだ作ってみたいものがあります。

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問題は、中に入れるドライバーが「結構お値段が高い」「そもそも小売りされていないものもある」という点で、仕方なく市販品のイヤホンを分解してドライバーを取り出すこともあります。個人的に大好きでシリーズを全部集めたUltimate Earsのイヤホンですが、既にTriple.fi 10 proは痛みが激しくなりリシェル。他に5pro,5eb,3studioがありますが、実はあまり聴いていませんでした。5ebは好きなのですが装着感が悪いので・・・

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分解してカスタムIEM化することにしました。

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12mmダイナミック型ドライバー+高音用BAドライバーです。5ebをリシェルするサービスは以前からあり、その時にBAをもう1つ追加して「5eb改」とするものがなかなか良いようで、それを目指してみます。

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ついでに、個人的にあまり気に入らなかった3studioも分解。シングルBAですが、5ebの高音用BAと同じドライバーだという情報もあったので、これを使おうと思ったのですが・・・全く違うBAでした。

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仕方ないので、5proも分解。こちらはBA2個で、高音用は5ebと同じらしきドライバーでした。

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3個分解してドライバーがたくさん集まりました!

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それぞれ単独状態で周波数測定などをしておきました。

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高音用BAの素の状態と2.2uFのハイパスコンデンサーをつないだ状態です。

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高音用を2個並列つなぎにしても、それほど変わらないのですが、実は並列つなぎでインピーダンスが下がるので、低音用のダイナミック型ドライバーを合わせたときにだいぶ変わるものなのです。

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5ebの12mmダイナミック型ドライバーです。このドライバーはいいですね。ダイナミック型は大抵高音側も結構伸びていてしかもピークが鋭かったりするのですが、このドライバーは穏やかに高音側が落ちています。赤フィルターで実に綺麗なハイカット。

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高音用と低音用のグラフを重ねた状態です。実際はインピーダンスの影響がありますので、単純にこれを合算した状態にはなりませんが、大体傾向はつかめます。

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2個以上ドライバーをまとめて測定するときはこんな感じに油粘土で・・・。

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これが今回の目標である「5eb改」の構成です。

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おおよそ周波数特性などの満足できる状態を確認できてから、シェルに組み込みます。油粘土で測定するのと、シェルに入れて測定するのでは特性が結構変わってしまうのですが、主に「低音の音漏れ」「チューブ太さ・長さによる影響」ですので、そこはある程度賭けになります。

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シェルに組み込んだ状態で視聴してみます。「これは良いかも!」となることもありますし、「こりゃダメだ」となることもあります。

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大丈夫そうなので、フェースを作ります。今回は分解した時に大事に外したUEのロゴマークをそのまま埋めました。もう少し大きいと格好良いと思うのですが、まあこんなもので。

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磨き出し派とコーティング派がいますが、私は楽なコーティング派。少し耳型が緩い気がするので、コーティングするとちょうど良いきつさになることも大事です。

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毎度のことながら部屋はひどい状態に・・・

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仕上がりました!今回はシェルに組み込んでからの試行錯誤がほぼなかったので、なかなか綺麗にできました。

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ハイパスのコンデンサーは贅沢にフィルムコンデンサー。

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なかなかの透明感。

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高音側は出口で広くなるように加工しています。これだけで高音側の周波数特性がかなり変わることもあります。

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Ultimate Ears用に購入したnull audioのケーブルもコネクターを交換してMCXXにして、自作のカスタムIEMで使えるようにしました。

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完成状態です。左右もほぼ揃っていて満足です。

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青が元の5ebです。高音が伸びました。

実際に聴くと、周波数特性だけでなく、装着感が全く変わりますので、完全に別物と言いたいくらい変わります。今回は今までいろいろ作った中でも1番好みかも!?

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