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プログラミングでメシが食えるか!?

失敗は成功の元

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今週は私が関係している製品でトラブルが発生してしまい、その対応で忙殺されていました。

ネットワークシステム、特にインターネットのシステムで一番難しいのは相性の問題です。インターネットは様々な機器が連携して構成されています。それぞれの連携がうまく行くようにRFCなどで基準となる仕様が提示されていますが、ほとんどの仕様は曖昧さを残していて、連携問題が発生することは度々あります。

また、それぞれの仕様はインターネットが普及するにつれ、利用範囲が拡大し、仕様もどんどん拡大されてきて、ある一つの仕様だけでも全体を把握するのはかなり大変ということも多いものです。

そういう背景があるため、製品選定では「実績」がかなり重視されます。

しかし、どんな製品でも生まれた直後は実績はゼロです。当然、可能な限りの動作確認はした上で製品として世に出しますが、世の中全ての機器との連携を試験することは不可能ですので、やはり稼働させてみてから気がつく問題もたまには出てしまいます。

それを恐れていては新製品開発などできませんし、ユーザ側も新しい要件を実現できませんので、製品ベンダーも、ユーザ側も稼働させるときにはとても気を使います。それでも希に問題は起きてしまいます。

たいていの場合、あまりにも大量の処理をしているシステムですと、小さな問題に気がついても、自ら報告しなければもみ消すこともできないことはありません。しかし、それでは後で大きな問題につながる可能性も高くなりますので、報告します。問題の修正など発生した状況から原因をつかむことができれば一瞬です。しかし、ユーザ側の関係者を交えて問題の共有と対処、そして対策を協議する必要があり、それが非常に時間も労力もかかります。でも、それは必要なことですから、真摯に対応できるかどうかが、信頼できるベンダーと認めてもらえるかどうかの分かれ目なのです。

当たり前のことだけをしていれば、問題など起きません。しかし、それでは新しいものは生まれません。チャレンジには失敗はつきものですが、失敗こそが成功の元ですし、失敗してしまったときの対処こそ信頼を得るための試練です。自らの失敗によって関係者が本来しなくて良い苦労をする様子を見るのはとても辛いことですが、チャレンジすると決めたからには成功させることだけが関係者への恩返しでもあります。

チャレンジしてきた人は、チャレンジをして問題を起こした人に対して、必要以上にひどい仕打ちはしません。失敗の辛さや、失敗から学ぶことの大切さを自分も知っているからです。そのような関係者に支えられて仕事ができていることに感謝し、期待に応えようという気持ちがとても大切だと思っています。


それにしても・・・私は新しいことにチャレンジするのが好きなので、これまでどれだけ多くの失敗をして周りの方々に迷惑をかけてきたことか。。見捨てずに応援してくださった多くの方々のおかげで今の製品が一人前になっているわけです。

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