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プログラミングでメシが食えるか!?

万年筆修理の続き

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一つ前の記事の続きです。パイロット・ショートは昨晩のうちに手入れを終えたので、他の2本です。

まずは一番難易度が高そうな、赤い方。

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とりあえずペン先付近は一晩洗浄液につけておいたのですが、それでもばらしてみるとこんな状態。今までメンテナンスしたもので一番強力なこびりつきです。

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超音波洗浄機を使ったりして、なんとかまともな状態に。ニブはそれほど傷んでいなくて、軽く磨くくらいで綺麗になりました。このニブは金ではなく、クローム・ニッケル合金だと思いますが、あれだけ汚れていたのに全然錆びていないのがすばらしいです。

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インクサックは余っているものがなかったので、とりあえずKILOTで使っているものを外してこちらに。注文しておかねば・・・。

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完成。実は一番手間取ったのはインク吸引レバーの仕組みの部分です。土曜日に萬年筆研究会に参加した際に、実は直し方のコツを教えてもらえて、それでかなり試行錯誤を減らせました。それでも結構時間はかかりましたが、こういう時間は楽しいものです!軸もそれなりに磨いてみましたが、さすがにかなり古いものだと思うので、ピカピカにするのは諦めました。

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パイロットはニブに製造年月が刻印されているのですが、ここまで古いとないみたいです。クローム・ニッケルだからかも知れませんが。

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ピカピカになるまで頑張らない理由の一つに、刻印を消してしまいたくないからということがあります。萬年筆研究会でも人気者だったKILOTの刻印とまさに瓜二つ。

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早速インクを入れて書いてみると・・・これはビックリの書き心地。古いクローム・ニッケルニブは柔らかいものが多いらしいのですが、これも実に柔らかく、まるで筆で書いているような気分になります。最初の状態では諦めようかと思ったくらいでしたが、直した甲斐がありました!

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さて、もう1本の、ステンレス軸のものです。こちらはそれほど汚れていませんでしたが、ニブの先が曲がっていたのと、ペン芯の先が書けているのが残念な点でした。おそらくペン先から落下したのではないかと思いますが、まあ、これも練習。萬年筆研究会で曲がったニブの直し方のコツも教わってきましたので。

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プロはペンチも使うけれど、素人は地道に押して直す方が確実とのことで、じっくりと修正しました。まあ、まだ不満な気もしますが、あまりやり過ぎてペンポイントが剥がれてしまったりしても大変なので、ほどほどで。なお、このニブは軸に接着して固定します。接着剤は2液エポキシで良いと教わりましたので、その通りにしました。このニブは18KWG、つまり、18金のホワイトゴールドで、メッキではありません。このタイプはひとつも持っていないので新鮮です。H572と刻印があるので、1972年5月に平塚工場で作られたニブです。

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ステンレス製の軸も多少磨いて、一応完了!キャップトップも少し斜めになっていたのですが、ここはネジになっていると教わったので、ゴム版ではさんで回したら綺麗に収まりました。ちょっとしたコツを教われるだけで作業は大幅に効率的になります。

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こちら側に名前の刻印を消そうとした後が中途半端にあったのですが、ほぼ分からないようにできました。

これと同じミント品が萬年筆研究会でもあり、ほぼ同じイメージ(?)になったので満足です。

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PILOTのカートリッジインクも持っておこうと買ってきたので、まずはそれを使ってみることに。使い終えたらシリンジで好きなインクを入れて使えるので、カートリッジもいくつかあると便利なのです。

さて、書き心地は・・・これは硬い!まあ、形状的に硬そうです。全体の重量も結構あるので、硬いニブがちょうど良い感じですね。

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オークションで入手したパイロットの4本が全て使える状態になりました。細字ばかりなので、小さい文字が書きやすいですねぇ。あれ?1本怪しい万年筆が・・・。その話題は次回、萬年筆研究会の話題を書くときに。。

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