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万年筆のメンテナンス

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以前、モンブラン144のメンテナンスでペン芯を折ってしまったことを書いたのですが、

万年筆の話題など:モンブランの破壊と復活・・・

万年筆の話題の続き:モンブランの再分解など

懲りずにまた万年筆のメンテナンスです!

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今度は144ではなく、149です。現場での徹夜作業、出張続きなど、仕事も何もかも忙しくて、おまけに風邪をひいたりして、それでもなんとかこなしている間に、たまたま中古で手頃な価格で販売されている149を見つけ、外出した際にちょっとお店に寄ってみたところ、私が欲しい1970年代初期のものがとても程度が良く、思い切って買ったのでした。新品は高いのと、私の場合書くことよりむしろメンテナンスするのが趣味なので、新品をいきなり分解するのはなかなか気が引けるので・・・。

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さて、早速メンテナンスをしようと思って、ネットでいろいろと情報を集めたところ、分解には工具が必要ということで、まずは工具作りです。

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1mm厚の真鍮板から、手前のような工具を自作します。真鍮板も工具も全部手持ちのものだけですむというのが素晴らしいというか、呆れるというか・・・。

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たかが工具ですが、憧れの149の分解用ですから、綺麗に作りました。

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ちょっと最初の予定とは違う作りになったのですが、まあ、行き当たりばったりに作った割にはまともにできました。

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ピストン部分を外すための工具です。蟹目とか呼ばれています。

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こんなふうにピストン部分を外すことができます。

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ピストン部分がばらばらになりました。

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今度はペン先・ペン芯を抜くのですが、なんとなくペン先側を蟹目で回せば取れそうに見えます。しかし、ネットで調べると、そこを回してしまうとインク漏れ防止のシールが取れてしまい、インク漏れしやすくなってしまうのだそうで、ピストン側から五寸釘の先を平らにしたもので軽く叩き出すべき、とありました。149のように有名な万年筆は情報がたくさん見つけられるので参考になります。

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ウッドブロックに直径10mmちょっとの穴を開けたものを台にして、五寸釘で軽く叩き出します。

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簡単にペン先・ペン芯が外れます。144もこのくらい簡単に分解できればペン芯を折らずにすんだのですけどね〜。

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メンテナンスに必要な分解はここまでです。これ以上分解しても戻すのが大変になるだけみたいです。

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買ってすぐに軽くペン先は磨いてしまったのですが、最初は付け根の部分のように渋いエボ焼け状態で、写真を撮っておくのを忘れたのが悔やまれます。1980年あたりまではペン芯がエボナイト製です。ペン芯も時代によって形が異なり、ペン先も14金、18金があり、表記も18C,14C,14K,18Kなどバリエーションがあり、プラチナメッキの装飾の塗り分けも違ったりと、マニアはその違いを比べたりするのが楽しいのです。

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裏はまだ磨いていないので、綺麗にエボ焼け状態です。

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実用するにはエボ焼けはインクの流れの邪魔になるので、磨いてしまいます。スリットが少し狭すぎる気もするので、軽く変形させて微調整。

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裏も綺麗に。金属好きとしては、こうやって金属を磨いているだけで心が癒やされます。

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さて、鑑賞を終えたら、ペン先・ペン芯を戻します。ただ差し込んであるだけなので、ペン先とペン芯の位置・角度などを気にしながらグイッと差し込みます。この状態でインクをつけて少し書いてみたりして、気に入らなければ叩き出して入れ直します。

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ペン芯が前に出すぎているのは見た目が好みでないので、少し引っ込ませました。この具合で書き味も変わるのだそうですが、あまりよくわからないですね・・・。

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小さなペン先。EFでしょうか。

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満足したら、ピストンも戻します。ワセリンで少し潤滑をよくしておきました。息子が小学生の頃にやったハイパーヨーヨーのメンテナンス用のワセリンが残っていたので、それを使ってます。

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もともと程度が良すぎるくらいで、メンテナンスしなくても問題なかったのですが、やっぱり分解しないと気が済まないので。こうやって中の様子も分かると、なおさら愛着がわくものです。

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このペン先を見ているだけでもうっとりします・・・。

ただの自己満足でした。

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